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日本共産党松原市会議員団のブログ

日本共産党松原市会議員団の活動をお知らせするブログです。

シリーズ 身近にある自然エネルギー活用 (2)府下の水力発電の現状

2013-12-10 13:15:52 | 連載

堺市桃山台配水場の水力発電

高度経済成長期直前、大阪の電力需給の主力は火力発電だった。水力による発電の主流は大阪府以外の地域・地方での発電によって供給されていた。

水力資源に乏しい地理的条件ではあったが、わずかながら大阪でも昭和30年代には六カ所の水力発電所があった。大和川水系の滝畑第一発電所(120kw)、滝畑第二(82kw)、千早第一(110kw)、千早第二(100kw)、水分(100kw)、それに神崎川水系の余野川発電所(130kw)である(大阪府年鑑 昭和33年版 新大阪新聞社)。こうした小水力発電所は1960年~70年代にかけてすべて姿を消していった。

これまでに紹介したように、現在大阪にある水力発電施設は、大阪広域水道企業団の村野浄水場にある水位差発電(240kw)など5カ所で、いずれも上水道施設の水位差や水圧を活用しており、富山県小矢部川流域下水道施設の最終段階での発電形式は大阪ではまだ実現していない。

「脱原発」めざし、太陽光発電システムなどのように、東除・西除川のような水量の少ない中小河川での発電はできないのか、この問題に挑戦している市民グループがようやく生まれた。

平和問題研究家 長尾正典
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シリーズ 身近にある自然エネルギー活用 (1)地中熱で冷暖房(ジオサーマル)

2013-11-20 10:11:34 | 連載

西栄寺のセレモニーホール



一年中温度の安定した地中熱を活用した冷暖房システムがある、というので案内してもらった。地下鉄御堂筋線中百舌鳥駅から徒歩5分のところにある西栄寺というお寺さんのセレモニーホールがそれである。冬は地中から汲み上げた熱で室内を暖房し、夏は温まった熱温水を地中に放熱し冷房し消費エネルギーを削減し、CO2削減に貢献している。

僧侶の榎本さんの話によると、完成したのは一昨年12月で、この方式の冷暖房設置は大阪府下では二番目とのこと。設備は簡単で、7本の地中熱交換器と暖房31キロワット、冷却28キロワットのヒートポンプだけである。

こうしたジオサーマル方式の冷暖房は、セブンイレブンが福岡の一部店舗で、大掛かりのものは「東京スカイツリー」で、それぞれ実用化されているが、松原市のすぐ近くにあるので興味ある方は見学して欲しい。太陽光、風力、地熱、バイオマスなどとともに日本国中どこでも活用できる地中熱にも注目したい。


平和問題研究家 長尾正典氏
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【連載】下水処理水での発電に挑戦する自治体(2)

2013-11-14 09:30:00 | 連載
大阪府下には、村野浄水場(枚方市)、寺内配水池(豊中市)、長居配水場(大阪市)、桃山台配水場(堺市)、流木配水場(岸和田市)でそれぞれ小水力発電が行われているが、いずれも浄水・配水を利用したものである。 村野浄水場の水位差発電は、出力240kw(年間156万kwh)、最大流量3.24立方メートル/s、落差9.84m。桃山台配水場の場合、出力82kw(年間66万kwh)最大流量0.42立方メートル/s、落差30m。他県では金沢市の水位差発電は、年間36万kwh、最大流量0.39立方メートル/s。

※浄水・配水発電に比べて下水処理場発電は、まだこれからの課題といえる。こうした試みを府下の自治体でぜひ実現してほしいものだ。        

-おわり-

平和問題研究家 長尾正典
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【連載】下水処理水での発電に挑戦する自治体(1)

2013-10-30 09:30:00 | 連載
都市部で最終処理した下水は放流されているが、その水を活用した発電施設がある、というので富山県高岡市にある「小矢部川流域下水処理二上浄化センター」を見学した。

小矢部川にかかる「米島大橋」の欄干には大伴家持の歌碑があり万葉資料館も建っているが、砺波・射水平野一体の国司(今風に言えば県知事か)として平城京から派遣されていた高級官僚の家持には、この地でも多くの歌を詠み、地元に人に慕われていたとおもわれる。

二上浄化センターは富山県の施設で、有効落差2m、水量0.85立方メートルで発電能力10kw、年間発電電力量8万kwh、発電した電気はこの「浄化センター」内で使用するが、一般家庭21世帯分の年間使用電力量に相当すること、これまで放流していた未利用の下水処理水を有効活用しようということで、既設の処理施設にほとんど手を加えることなく最終段階に発電機を取り付けた単純な仕組みだが、約3000万円の工事費用がかかったこと。利点は、ゴミ処理不要で維持管理が簡単なこと、水利権など複雑な手続きが必要ないことなど説明を受ける。「発電規模は大きくありませんが、こうした挑戦で未利用エネルギーを積極的に活用できることを県民にアピールすることができます」という係員の顔が輝いて見えた。愛媛県松山市でも下水処理水の発電施設が昨年末稼働をはじめたという。

―つづく―

平和問題研究家 長尾正典
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