日本共産党松原市会議員団のブログ

日本共産党松原市会議員団の活動をお知らせするブログです。

シリーズ 動き出す番号制度 -その12-

2016-01-22 10:58:07 | 連載
マイナンバーによって、住民の公共サービス利用と保険料・税の負担状況を一体的に管理・把握できるようになり、徴収強化やサービス抑制への道が開かれます。自治体のなかでは漏えいの危険性も顧みず、個人番号カードとさまざまな住民サービスの統合もすすめる動きも出ています。

自治労連の平野正一・担当中央執行委員は、制度実施に対して「国の責任でマイナンバー制の新たな事務量に見合う予算や人員を確保すべきだ」と述べたうえで、「マイナンバーは徹底的な国民監視で住民からの取り立てやサービス抑制を図るもので、住民の命と暮らしを守る自治体労働者の立場と真逆です。人権を侵す憲法違反の制度の中止を求めていきたい」と語ります。


(おわり)しんぶん赤旗より転載
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シリーズ 動き出す番号制度 -その11-

2016-01-22 10:55:43 | 連載
マイナンバー導入で矢面に立たされているのが自治体です。住民に番号を付ける作業や住民基本台帳などのシステム改修、個人情報の管理対策など事務は多岐にわたり、自治体の負担は増す一方です。「従来の仕事にマイナンバーの業務が加わり、残業などの負担が増えて大変だ」「職員が減らされており、運用も個人情報の管理もできるのか不安だ」「メリットも感じられず、このまま進めていいのか疑問だ」などの声が聞かれます。

1~2割にものぼるとみられる通知カードの宛先に届かない「不達」分の対策や、個人番号カードの交付もすべて自治体に押し付けています。国主導の「自治体リストラ」で職員削減が進むなか、「非常勤職員を11人採用して対応する」(東京都文京区)という事例も。不安定雇用に依存して個人情報管理の責任が果たせるのか問われます。

日本共産党の山下芳生参院議員の質問で、個人情報を管理する基幹系ネットワークと、インターネットに接続する情報系ネットワークを分離していないのに、番号付けの作業をしていた自治体が1~2割もあると判明。山口俊一担当相は「できていない自治体にネットワークに入ってもらうことはしない」と答えざるをえませんでした。自治体が自らを評価するお手盛りの「特定個人情報保護評価」でさえ、住民基本台帳に関する「全項目評価書」を公表した自治体は152だけ(10月2日時点)。制度導入の前提は崩壊しています。

(つづく)しんぶん赤旗より転載
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シリーズ 動き出す番号制度 -その10-

2016-01-06 10:52:00 | 連載
自民、公明などの賛成多数で可決された付帯決議は、番号カードに、指紋や虹彩(瞳の色)を登録して本人確認に利用する生体認証の導入を検討するよう求めています。

財務省は、消費税10%の「軽減」措置と称して、番号カードを店頭で提示させ、購入記録をもとに還付する案を提案。NHK受信料の徴収への活用も打ち出されています。

上智大学の田島泰彦教授は指摘します。

「施行すらしてないのに拡大し、消費税還付やNHK受信料なども加えるなど、法で定めた税や災害、社会保障の利用分野をとっくにはみ出しています。プライバシーという大事な問題であっても、何してもいいかのような一連の手続きは、憲法にかかわる問題です。民主的国家で許されるのか、問われるべきです」

(つづく)しんぶん赤旗より転載
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シリーズ 動き出す番号制度 -その9-

2016-01-06 10:50:01 | 連載
政府がねらうマイナンバーの将来像は、どんなものでしょうか。

5月に政府のIT総合戦略本部のマイナンバー等分科会に提出された「マイナンバー制度利活用推進ロードマップ(案)」。福田峰之内閣府大臣補佐官(自民党衆院議員)が提出したものです。

そこでは、今後5年間で「個人番号カードをデビッドカード、クレジットカード、キャッシュカード、ポイントカード、診察券などとして利用」として、あらゆる機能を持たせる「ワンカード化」を打ち出しています。さらに、健康保険証、企業の社員証や運転免許、教員免許などとの一体化、学歴証明などをはじめ、2020年開催の東京オリンピック会場やカジノの入館証明に使うことも検討しています。これでは、国家によって国民が徹底管理され、番号カードなしに国内移動もままならない「国内パスポート」になりかねません。「ワンカード化」は情報の集約が進むほど漏えいした際の被害は甚大です。カードの悪用を狙う者にとってもますますの標的としての価値が高まります。

今月郵送される番号通知カードには、番号カードの申込書が同封されます。しかし、同カードは希望者に限って発行するものでカードの所持は義務ではありません。にもかかわらず、「ワンカード化」によって多くの国民がカードを持たざるをえなくし、国民に対する管理・監視につなげようというのです。

マイナンバー導入を決めた13年の国会で政府は「(適用拡大は)3年間の施行状況をみて検討」と答弁。とくに医療分野や公安警察などの利用には否定的な答弁を繰り返しました。ところが施行もしていないのに、預貯金口座や特定健診情報と結びつける法案が強行されました。

(つづく)しんぶん赤旗より転載
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シリーズ 動き出す番号制度 -その8-

2015-12-02 10:42:24 | 連載
「弊社は今年、マイナンバーに傾注しています。中小企業の方から『どう対応したらいいのか、わからない』と多くの問い合わせをいただいております」

東京ビッグサイトで7月に開かれた企業向けのマイナンバー対策商談展。システム開発会社の男性社員は。「番号特需」に張り切った様子で語りました。

マイナンバー導入で事業者は従業員と扶養家族、取引先などの番号を集める必要があります。給与の源泉徴収票や健康保険の書類などに記載しなければならないからです。

番号を集めるときは本人確認が必要で、番号は厳格な管理が求められます。書類管理から不正侵入対策、アクセス記録保存など多岐にわたります。番号を漏らすと最高4年以下の懲役や200万円以下の罰金が科されます。

先の商談展では、書類を廃棄する場合、復元できないようにすることが求められるとして、①投入したら取り出せない金属製の専用箱で廃棄書類を保管②現金輸送車と同じ仕様のトラックが箱を回収③完全機械化の無人工場で書類を破砕処理―という大がかりなシステムを売り込む企業までありました。しかし、中小零細企業には過大な負担です。

「マイナンバーにかけられる費用はゼロです。手間だけで大変なのに、出費が増えるなんてとんでもない」こう語るのは、従業員7人の運送業を営む50歳代の女性。営業マンからマイナンバー対応パソコンのリース契約を勧められました。しかし、リース代が月2万円と言われ、書類で管理することに決めました。「顧問の社会保険労務士からは、番号を利用するたびに記録するように指導されていて、実務量とかさむ書類の管理が大変そう。負担ばかり増えてメリットは全然感じません」

日本情報経済社会推進協会が6月に発表した企業調査では、マイナンバー対応に「既に取り組んでいる」(3%)「計画中」(28%)が計31%で、大半が未着手となっているのが実態です。

全国商工団体連合会(全商連)の遠藤強常任理事(64)は「消費税が8%になって地域経済が疲弊し、後継者がいない〝廃業予備軍〟の業者が増えている。マイナンバーが追い打ちになって廃業を早めさせることは間違いない」といいます。自身も山形県内で社員10人未満の土木工事会社を営んでいます。「インターネットに接続しないパソコンを購入し、事務員を1人新たに雇わないといけない。対応費用だけで100万円はかかる。今でも経営はぎりぎりなのに大打撃です。中小業者の営業を破壊するマイナンバーの本格運用は延期し廃止するしかない」

(つづく)しんぶん赤旗より転載
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