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日本共産党松原市会議員団のブログ

日本共産党松原市会議員団の活動をお知らせするブログです。

シリーズ 動き出す番号制度 -その7-

2015-12-02 10:41:00 | 連載
「日本だけ取り残されるのは許されない。日本以外の国はマイナンバーをほぼすべて導入している」との甘利明特命担当相の発言は事実とはまったく違います。G8(アメリカ、カナダ、イギリス、フランス、ドイツ、イタリア、日本、ロシア)でマイナンバーと同じ「全員強制・生涯不変・官民共通利用」の番号制度を導入している国は日本のほかにありません。

「共通番号いらないネット」世話人の白石孝氏は「日本が目指しているのは、行政と民間の多くの分野で同じ番号を使う官民共通番号制です。米国の社会保障番号も官民共通番号ですが、あちらは任意付番。官民共通利用で強制付番という点では、日本のマイナンバーは韓国の住民登録番号に近い極めて危険な制度です」韓国の制度はもともと1960年代に国防・治安対策として導入されたものです。その後、民間分野も含め生活のあらゆる場に浸透してきました。いま韓国ではネットショッピングでも住民登録番号の入力が必要なほどですが、ネット社会になり急速に被害が広がっています。私の集計では2008年からの7年間で累計2億人分以上の個人情報が流出しています」と言います。

とくに14年1月には韓国の大手クレジットカード3社からのべ約1億人分の顧客情報が流出していたことが明らかになり、社会に大きな不安と衝撃を与えました。アメリカでは年間900万件を超える共通番号関連のなりすまし犯罪が起こり、国防総省は11年、独自の限定番号に転換しました。最近では、お年寄りのメディケア(公的医療保険)の番号を独自番号に切り替えるかどうかの議論が行われています。英国では労働党政権下の06年に国民IDカード法が成立。英国ID登録簿を作成することになりましたが、10年に誕生した保守・自民両党連立政権が恒常的な人権侵害装置だと廃止し、収集した個人情報を廃棄しました。白石さんは「日本が導入しようとしているのは世界では見直しが行われているとんでもない制度だ」と警鐘を鳴らしています。

(つづく) しんぶん赤旗より転載
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シリーズ 動き出す番号制度 -その6-

2015-12-02 10:39:37 | 連載
国民健康保険料(税)の滞納差し押さえは13年度が26万件で935億円、5年間で件数・金額とも1.4倍化。基礎年金では、14年度(1万5千件)までの5年間で件数は4.4倍にもなっています。マイナンバーはこれに拍車をかけることになります。

中央社会保障推進協議会の山口一秀事務局長は語ります。「マイナンバーは個人情報を〝丸裸〟にするもので、低所得者からも徴収を徹底的に強化し、給付を抑え込むことをねらっています。人権として保障されるべき社会保障を、お金がない人はサービスが受けられない自己責任に変質させてしまうものです。社会保障を壊す道具にするのがマイナンバーです」

(つづく)しんぶん赤旗より転載
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シリーズ 動き出す番号制度 -その5-

2015-12-02 10:37:09 | 連載
マイナンバー導入でねらわれている「社会保障個人会計」は、個人単位で、納めた税・社会保険料と、給付を受ける社会保障サービスを明らかにするものです。

年度ごとに納めた税・社会保険料と受けたサービスが明らかになり、平均的数値をもとに負担と給付の水準を見直していくことも可能になります。徴収強化とサービス抑制につながるものです。

財界は、税と保険料に対する企業負担を軽減するため、「社会保障個人会計」を導入して負担と給付を見直すよう求めてきました。

04年9月には経団連が、「負担と給付を統合的に把握し、個人ごとの会計を整備すべきである」と主張。「給付額の2割程度の削減が必要だ」などと求めてきました。

自民党も14年の政策で、「サービスを自らの状況に応じて組み合わせ、利用できるようにする」と表明。健保組合などで福利厚生の枠内で各人がサービスを選択する「カフェテリアプラン」について「普及を図る」と明記しました。必要に応じて受ける社会保障を、負担に応じた給付に変質させるものです。

強権的な徴収やサービス抑制はすでに全国で広がっています。千葉県松戸市で塗装業を営む一人親方の30代男性は昨年12月、大口の取引先から入金された売掛金のうち、国民健康保険料の滞納分74万円を市に差し押さえられました。収入が不安定で、所得が14万円しかない月もあり、2万~4万円かかる国保料は高すぎて払えずにいました。

「これじゃあ支払いも何もできない。2人の子どもをひとりで育てていて大変なのに、強引すぎる」

(つづく)しんぶん赤旗より転載
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シリーズ 動き出す番号制度 -その4-

2015-11-04 10:53:13 | 連載
マイナンバー導入にかかる初期費用は約3000億円。年間経費に約300億円かかり、民間事業者の負担を含めると1兆円ともいわれます。

これだけの税金と負担を強いておきながらまともなメリットを示せないため、自民党は「利便性の向上を検討しなければならない」(マイナンバー利活用推進小委員会の提言)などといいだし、健康保険証と「番号カード」の一体化など、当初の目的を逸脱した利用拡大をねらっています。

坂本団弁護士(日弁連情報問題対策委員会委員長)は指摘します。「国民にも行政にもメリットはなく、利用を拡大するほどコストもかかり、不正利用の危険性が高まるだけです。それでも導入するのは『社会保障個人会計』をつくって、負担に応じた給付にするねらいがあるからです。社会保障は権利ではなく、自己責任になってしまいます」

(つづく)しんぶん赤旗より転載
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シリーズ 動き出す番号制度 -その3-

2015-11-04 10:51:33 | 連載
政府はマイナンバーについて「行政を効率化し、国民の利便性を高め、公平・公正な社会を実現する社会基盤」と説明。社会保障の手続きを簡略化したり、税の徴収漏れや不正受給の防止に役立つと宣伝しています。

例えば、年金を申請する場合、いまは市区町村で住民票や所得証明書をもらって年金事務所で手続きします。

今後は、希望者に配布されるマイナンバーの「個人番号カード」を年金事務所で示せば添付書類なしで申請できるようになるとしています(2017年7月から)。しかし、年金の申請といっても生涯にせいぜい一度きりです。他の制度も、年に数えるほどわずかな手続きのうち所得証明書の添付など一部が省略できるといった程度です。

「行政効果」については「税収増2400億円」と説明しています。しかし、これは番号制導入で〝手の空いた〟職員1900人が徴収に回り、1人あたり約1.3億円も徴収額が増えるという机上の試算にすぎません。

現場の職員からは「税金を払えない理由の多くは払えるお金もないからです。人を増やせば徴収額がどんどん増えることはありえない」との声が上がっています。

「不正防止」といっても、番号制度を導入しても不動産や海外資産などは対象外ですべてを把握できません。より徹底して把握されるのは一般の給与生活者などであり、高額所得者や資産家の所得や財産はそのままです。
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