--Katabatic Wind-- ずっと南の、白い大地をわたる風

応援していた第47次南極地域観測隊は、すべての活動を終了しました。
本当にお疲れさまでした。

「進め!しらせ」と「南極の春」

2005-11-23 | 昭和基地NOW!!
南極観測のホームページが更新されました。
昭和基地NOW!!もですが、何よりも「進め!しらせ」が更新されて嬉しいです。
「第47次隊の準備」で冬訓練と夏訓練の記事がアップされていますが、何といっても「進め!しらせ」は準備ではなく本番のことですからね。
出港を見送らなかったので、いまいち実感が湧いていなかったのですが、行動を知らされると具体的に想像できるものなんだなぁと思います。
私もそろそろその気(どんな気?)になってきました。
航路は年によって少しずつ違うようですが、後半は一日の道のりが短いようですね。
はじめに距離を稼いで、予定通りに入港できるようにしているからなのでしょうか?
とにかく順調に進んでいるようで何よりです。

隊員さんの準備は進んでいらっしゃるでしょうか。
ご実家に帰ったり、旅行に出かけたり、家族でゆっくり過ごされている方もいらっしゃるようですし、仲間うちの壮行会も開かれているようですね。
渡井さんはしらせ出港の後、アパートを引き払って実家に荷物を持って行きました。
実家にゆっくりいるかと思いきや、一泊しただけで親孝行もせずに(?)、極研に寝泊りしながら重機の資格を取りに通っています。
クレーン講習は2日間の講義(試験は満点だったらしい)と1日の実技で資格を取ったそうです。
今日はホイルローダで土砂の運搬をしたとメールが来ていました。
毎日、新しいことをやっているので、とても楽しいのだと言っていました。
絶対に必要な資格ではないけれど、南極でやれることが多いほうが面白いからと自主的に取りに行っているあたり、好奇心と向上心の旺盛な渡井さんらしいなぁと思います。
むこうで、重機を扱う機会に恵まれますように。

昭和基地NOW!!(11/8昭和基地の春)を読んで思ったことを少し。
南極での「春」を今まであまり考えたことがありませんでした。
「春になるころにオゾンホールが消える」と書いてあるのを読んで、南極でも季節を四季で捉えるのかと思ったのが数ヶ月前くらいのことでした。
考えてみれば雨季と乾季のように突然変わるわけではないので、冬から夏へ緩やかに変わっていくならば春があっておかしくないのですよね?
私は日の長さで季節を感じることが多いので、南極ならば余計にそうだろうと妙に納得。
でも、なんだかとても嬉しかったのは、春の気配がやっぱり生き物によってもたらされているのだと分かったことです。
アデリーペンギンがルッカリーへ移動していくようす、ウェッデルアザラシの日向ぼっこ、海鳥の飛ぶ姿、そして何より驚いたのは、アイスアルジー(藻類)が増えて茶色く見えるようになって春を感じるということ。
寒い間、北のほうで過ごしていた生き物ではなく、その場所でじっと春を待っていた生き物が動き始める姿で春を感じるなんて、なんて素敵なんでしょう!
私が一番好きな、芽吹きで春を感じる瞬間と同じ感覚が、南極にもあるんですね!!
寒さを体験しに行きたいとか、オーロラを見てみたいとか、アデリーやウェッデルアザラシに会いたいとか、星を見上げてみたいとか、カタバ風を感じてみたいとか、サスツルギを見てみたいとか、いろいろ南極で感じたり見たりしたいことはあったけれど、今は長くて寒い冬を越えて、春を感じてみたいなぁ(行けもしないのに)。
そんなことを考えるだけでワクワクしてきます。
今日の昭和基地NOW!!を読んでいたら、これから日本も春に向かうような気がしてきました。
その前に南極ほどではないけれど、ビシッと寒い冬ですね。

第47次日本南極地域観測隊員出発まで、あと5日

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