--Katabatic Wind-- ずっと南の、白い大地をわたる風

応援していた第47次南極地域観測隊は、すべての活動を終了しました。
本当にお疲れさまでした。

VLBI観測って??

2005-12-09 | 昭和基地NOW!!
今日二つ目の記事です。

先日の昭和基地NOW!!の記事を書かないうちに、二つもアップされてしまった・・。
今日は「VLBI観測」の記事についてです。


この記事を読んで、私は何のことを言っているのか、実はさっぱり分かりませんでした。
ほんとに無知でごめんなさいですが、いったい何の観測をしているの?それで何が分かるの?という感じでした。
越冬隊員・澤柿さんのブログで、国土地理院で「VLBI観測」の受信講習をしたと書いてあったのですが、そのときも何のことだかよく分からずそのままになっていました。

VLBIは、天文VLBIと測地VLBIの二つに大分され、基本的に原理は同じですが、天文VLBIは、星の位置や距離、動きなどに関わる情報を得るため、測地VLBIは、地球上の位置や地殻変動や地球回転速度などの地球に関する情報を得るために行われているそうです。
今回の記事の内容から、昭和基地で行われたのは測地VLBIですね。
宇宙の果てから発信される電波を受信して、この地球上のことを知るなんて、私はとてもびっくりしました。
衛星を使っての測地ならまだイメージも湧くけれど、宇宙の信号を利用して足元のことが分かるなんて!

で、その電波を発している「クエーサー」というのもがどういうものかも疑問だったので、調べてみました。
Sloan Digital Sky Survey(SDSS)の日本語サイトによると、クエーサー(quasar)という単語は「星のように見える電波源(quasi-stellar radio source)」という意味で、電波放射をすることによって発見されたものだそうです。
クエーサーは宇宙で最も遠く(数十億光年)にある最も明るい天体で、莫大な電波放射を出すエネルギー源はほとんどないことから、観測される放射の特徴や物理的な面から見て、エネルギー源は超大質量のブラックホールだと考えられているようです。
さらにびっくりしたのは「最も近いところにあるクエーサーでも約8億光年の距離だということから、現在の宇宙にはクエーサーは存在せず、最後のクエーサーは約8億年前に消えてしまったと結論付けることができます(それがどうしてなのかはよく分からないけど)」と書いてあったことです。
ということは、すでに存在しない天体から出された電波を観測することで、地球や宇宙のことが分かるっていうことなのですよね?
たぶんちゃんと分かっているわけでもないけれど、なんだかものすごいことのように感じます。
そんなことを考えた人間もすごい・・

他国基地と共同してのVLBI観測が第39次隊(1997-1999)に始まり47次で9年目になります。
国立極地研究所のサイト内の地圏研究グループのページには昭和基地で行うVLBI観測の意味について「南半球高緯度の観測空白域を埋める貴重な観測点である」と書かれています。
立地条件としても、整っているとのことで、今後も大きな役割を果たしていくのでしょう。
参考サイト:「JARE39の南極VLBI実験の成果と測地学的意義」国立天文台・水沢観測所サイト内)

ちなみに、つくばの国土地理院にある大きなパラボラアンテナを見たことがある人もいると思いますが、直径が32mの国内最大級で測地VLBIにのみ使用されているのだそうです。
昭和基地のアンテナレドーム、あの中にパラボラアンテナがすっぽりおさまっているのですが、私ははじめ、あのドームがアンテナだと思っていて、あんな形でも受信できるものなんだーって思っていました。
でも「しらせ」や内陸旅行用雪上車にも白いインマルサット受信用のアンテナが入ったレドーム(白い指サック型のもの)がついていて、風雪を防ぐためだったと知ったのでした。

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