--Katabatic Wind-- ずっと南の、白い大地をわたる風

応援していた第47次南極地域観測隊は、すべての活動を終了しました。
本当にお疲れさまでした。

ロープワーク講習

2006-03-25 | 南極だより・講習訓練
今日の昭和基地は強風です。
視程が良いので外出注意令はでていませんが、
この分だと明日の遠足が心配です。(渡井)
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2006年3月24日(金) 雪のち曇り ロープワーク講習

ロープワーク講習が2日にわたって開かれた。
クレバスなどへの落下の際の救出方法を学ぶのだ。
講師はフィールド・アシスタントというか、フィールド・マスターと言った方が相応しい森さん。
落下事故は滅多なことでは起きないが、というより起こしてはいけないが、このような方法を体得しておけば、いざという場合の選択肢が増えるので良い機会だ。

まずは室内でロープを用いたハーネスの作り方。
5mほどのロープをとめ結び2つで結んでハーネスを作る。
今度はそれを背後に回し、垂れ下がった下の部分を股の間から引っ張って、両脇から出ている部分を2重に引っ掛けてカラビナを通してできあがり。
体にぴったりフィットすることが肝要だ。
さらには負傷者救出用のハーネスの作り方も。
こちらはシュリンゲを肩にかけ、片方を背後に持って行きあとは同様にする。
これだと負傷者の背中がロープである程度支えられるので格段に支えやすくなるのだ。

さて、この後は外に出て実地訓練だ。
場所は管理棟の非常階段。
ここにあらかじめザイルが4本、3階の平らになっているところに掛けたのでこれを利用する。

まずは懸垂下降。
先のハーネスにザイルをかけ体重をハーネスにかけ降りる。
左手で上側のザイルを支え、右手で下側を持ち制動を利かすのだ。
昔、沢登りをやった時に懸垂下降をやったのだが、ロープのかけ方はすっかり忘れていた。
高さはそれほどではなくあっという間だ。
ただし足を突っ張るところがなく空中でぶらぶらしてしまうのは初めての経験。

その次はエイト環を使った懸垂下降。
これはよりスムースに降りられるのだが、逆に滑りすぎるという危険性もある。
ザイルの通し方は面白い。
エイト環の穴の大きい方をカラビナにかけ、ザイルを下から通して小さい方に引っ掛ける。
そしてエイト環をカラビナから外して反転させ、今度は逆に小さい方をカラビナに引っ掛ける。
これでできあがりだ。
小さい方に引っかかっている輪がちょっと緩むと、大きい方にずれてしまう危険があるので、テンションをちゃんととるようにしないといけない。

最後は肩掛けでの懸垂下降。
これはハーネスがなくザイルしかないときの降り方だ。
まずザイルを跨いで、ザイルを後ろから体の横を通して前から肩に掛ける。
そして後ろ手で肩の後ろから伸びるザイルを持ち、制動を利かせて降りる方法だ。
これは痛いので、形だけでとどめた。

次はザイルを上る方法。
ザイルに長短(2mと3mくらいか)のシュリンゲをダブルフィッシャーマンズノットで結びつけ、下の短い方をアブミ代わり、上の長い方をハーネスにつけ、尺取虫のように登っていく方法だ。
これは面白い。
こんな簡単な結びでできるのは驚きだ。
ただ登れば登るほど、結び目がきつくなっていってしまうので大変とのこと。

最後はアセンダーを使った登りだ。
これはザイルに通す簡単な小さな用具なのだが、止まるか、上に行くかしかできないのだ。
つまりは滑り落ちることがないということ。
使い方はダブルフィッシャーマンズノットと同じで、尺取虫のように登っていく。

講習の最後の方は雪を横から降り付けかなり厳しい状況ではあったが、楽しい講習だった。
実地にやってみたくはあるのだけれど、そのような機会がなければ良いのだが。


-----本日の作業など-----
・ロープワーク講習
・HVSサンプリング、CO. CH4濃度分析
・カイワレ大根栽培
・観測部会
・CO2, CH4, CO, O3濃度分析システムチェック
・喫茶係ケーキ作り
・Dr.コトー診療所 第5話

<日の出日の入>
日の出  6:32
日の入  18:22
<気象情報3月24日>
平均気温-8.9℃
最高気温-7.3℃(1613) 最低気温-12.6℃(2359)
平均風速8.0m/s
最大平均風速12.5m/s風向E(2320) 最大瞬間風速15.6m/s風向E(2312)
日照時間 0.0時間

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<以下2006.4.16記載>
丁寧に文章で説明してくれているけれど、何度も読んでも一生懸命読んでも難しくてどうやっているのか分かりませんでした。
ロープワークの本に図解がないと分からないのと同じだと思います。
渡井さんはとってもこの講習が面白くて、そのまま書いてくれたのだということは分かりました!
私もやりたいなぁとうずうずしてしまいました。
帰ってきたら教えてもらお。
それからそのうち、また写真付きで送ってきてもらおうと思います。
もちろんアクシデントの時ではなく、復習したときか安全確保をして作業するような場面になったときに。
楽しみ待つことにします。

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