--Katabatic Wind-- ずっと南の、白い大地をわたる風

応援していた第47次南極地域観測隊は、すべての活動を終了しました。
本当にお疲れさまでした。

気象記念日かまくら

2006-06-02 | 南極だより・生活
今日は久しぶりに山に登りました。
登ったといっても、仕事がらみなので登りたい山に登ったわけではないのですが、それでも自然の中で体を動かすのはいいなぁと思いました。
最近、南極漬けで調べ物ばかりしているせいか運動不足なのです。
意識して体を動かさないと、大変なことに!
5月26日の「S16オペ開始!」をアップしました。
すでに帰ってきているので、今更・・になってしまいました。
ごめんなさい。
それでは渡井さんからの南極だよりです。
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2006年6月1日(木) 曇り 気象記念日かまくら

今日は気象記念日と電波の日だ。
気象は気象隊員、電波は通信隊員が関わることもあり、それぞれの部門ではちょっとしたイベントが開かれる。

気象部門では夕食後のミーティングの後を利用して気象記念日イベントが開かれた。
気象ゾンデ飛揚証明書がゾンデ飛揚者に、ブリザード命名賞が命名者に渡された。
その後はくじ引き大会。
隊員全員に漏れなく景品があたる。
僕が貰ったのは気象庁のキャラクター”はれるん”のボールペンだ。

とびっきりはかまくらだ。
気象棟裏にできたドリフトを利用して横穴を掘りかまくらに設える。
雪を積み上げる必要がないのでその点は楽だ。
困り者のドリフトを有効活用してしまうところが素晴らしい。
かまくらの中では気象隊員がてぐすねを引いて(<通信隊員談)待っており、各種酒類や軽いおつまみなどを楽しむことができる。
内部は10人ほどは輪になって座ることのできる広さがあり、高さも1.5mほどはあるのではないだろうか?
壁には小物置き場も彫られ、ろうそくの灯りが室内を照らす。
あいにく今晩は風速が10m/s以上で強めだったのであるが、かまくらの中は無風で過ごしやすいことこのうえない。
かまくらはこれが初めてという隊員も結構おり、良い記念日と相成った。

しかしこれでもまだ1期工事が完了したばかり。
ミッドウィンター祭に合わせて2期工事が予定されており、完成の暁にはこの倍の広さ、人数も倍は入れるようになるとのことである。


#ドリフトを利用したかまくら。入り口がなければ確かに吹きだまりに見えます。

#入り口には「居酒屋かまくら」の看板

#かまくらの中の雰囲気がいいなぁ。

-----本日の作業など-----
・CO2濃度分析システム10日点検
・CH4濃度分析システム15日点検
・CO濃度分析システム15日点検
・O3濃度分析システム1ヶ月点検
・とっつき岬橇デポオペ打ち合わせ&準備
・「日刊昭和」整理
・CO2, CH4, CO, O3濃度分析システムチェック
・定期点検報告
・気象記念日かまくら

<日の出日の入>
日の出  なし
日の入  なし
<気象情報6月1日>
平均気温-7.8℃
最高気温-6.1℃(0109) 最低気温-9.3℃(1936)
平均風速12.9m/s
最大平均風速18.1m/s風向ENE(0200) 最大瞬間風速24.2m/s風向ENE(0132)
日照時間 0.0時間

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そういえば6月1日が気象記念日だと気象庁のwebに書いてありました。
日本では式典が行われ、昭和基地でもお祝いのイベントが行われているるくらいだから、やはりとても大事な日なのですね。
今年は第131回目の気象記念日ということ「明治8(1875)年6月1日に東京で気象と地震の観測が開始されたことから、昭和17(1942)年に制定され」たと書いてありました(気象業務開始の経緯)

昭和基地でのイベントは、気象ゾンデ飛揚証明書やブリザード命名賞が渡されるあたり、まさに気象記念日という感じでいいですね。
で、かまくらですが、私は作ったこともなければ入ったこともないのです。
一度はかまくらの中で過ごしてみたいと思うのですが、東京ではまず無理、母の実家も北国でありながら太平洋側の沿岸のため雪がとても少ないので機会がありませんでした。
自然な丸みからドリフトを利用して作ってあるのがよく分かります。
昭和基地に降った雪は数日するとかなり締まって固くなるとのことですので、かまくらを作るにはもってこいなのかもしれませんね。
そして、意外だったのはドアがついていること。
私が今まで写真や映像で見たことがあるかまくらには扉はなかったので。
風が強いし寒さも厳しいからつけたのでしょうか?
考えてみれば扉はあるほうが普通なのでは?と思いました。
中の楽しそうな雰囲気。
私も混ぜてくださーい、と言っても昭和基地に行けないのですが、気持ちだけ行きますから・・と言いたいです。
お酒はほとんど飲みませんが、お酒の席はとっても好きです!
このあと、さらにかまくらが広くなるとのこと、全員でかまくらに入れたら楽しいでしょうね!
極夜に入って二日目にさっそくこんなに楽しいイベントがあるなんて、太陽が出ていなくてもほんわか温かい気持ちになりますね。

一方「電波の日」は56回だとのこと、日本ではやはり式典が行われ、貢献した団体や個人が表彰されています。
昭和基地ではどんなイベントが行われたのでしょう?

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