「こんにちは、憲法くんです。姓は日本国、名は憲法」──お笑い芸人・松元ヒロさんが創作し、自らが擬人化人した日本国憲法になりきる一人語りの「憲法くん」。憲法誕生の背景やその理念と役割、改憲の危機など、鋭い風刺をこめてユーモラスに舞台から語りかけ、日本国憲法の大切さを20年以上にわたり、広範な人々に楽しませながら、わかりやすく伝えてきました。
この「憲法くん」を女優の渡辺美佐子さんが一人芝居で演じて、憲法の重要性を問う12分の短編映画『憲法くん』が2018年に製作されました。これに渡辺さんらが毎夏に全国を回って33年間続けている原爆朗読劇『夏の雲は忘れない』の広島公演の記録が加えられて完成したのが、『誰がために憲法はある』(71分)です。福島原発事故で甚大な被害を受けた農家の苦悩を記録したドキュメンタリー『大地を受け継ぐ』の井上淳一監督作品。
渡辺美佐子さんは、初恋の少年が疎開先の広島で原爆によって亡くなっていたことを、戦後35年目に思いがけず知ったことをきっかけに、「戦争を知る世代として、再び戦争の悲劇が起こらないように」という思いから、原爆朗読劇の中心メンバーとなります。渡辺さんとともに朗読劇を取り組む、高田敏江さん、寺田路恵さん、大原ますみさん、岩本多代さん、日色ともゑさん、長内美那子さんら女優たちの公演にかける意気込み、運営する喜びや苦労、戦争への危機感なども語られています。
しかし、この全国公演も、演者と主催者の高齢化や活動の負担増などから、2019年を最後に終了すると決まりました。改憲と戦争への危惧が強まる現在、女優たちに無念さがにじみますが、上演を鑑賞した多くの学生たちが寄せる、戦争の悲惨さと平和の大切さを自分たちも伝えていかなければならないとの感想に、若い世代へ継承する希望を見出します。
憲法前文すべてを、魂を込めて暗唱する渡辺美佐子さん。戦争を二度と繰り返すまいという真剣な願いが心を打ちます。「政府の行為によって再び戦争の惨禍が起こることのないように」と、〝国民が国を縛る〟ものであるはずの憲法が、〝国が国民を縛る〟ものに変えて、再び戦争のできる国へ戻されようとしている危機に、日本国憲法の原点と理念を改めて見つめ直し、憲法は誰のためにあるのかの、論議と理解を深めていけるドキュメンタリーです。
(4月27日から東京・ポレポレ東中野ほか全国で順次公開)
●5月11日(土)、第33回憲法フェスティバル
■時間&場所:13:00~16:15日暮里サニーホール
■参加券:前売1,500円、当日2,000円
■出演:松元ヒロさん、講演・清水雅彦教授「憲法改正の狙い」
■主催:憲法フェスティバル会実行委員会(Tel/Fax 03-5211-2120)
●5月19日(日)、安倍9条改憲NO!5・19国会議員会館前行動
■時間&場所:14:00~衆議院第2議員会館前を中心
■主催:安倍9条改憲NO!全国市民アクション実行委員会
戦争させない・9条壊すな!総がかり行動実行委員会
●5月25日(土)、「示そう辺野古NO!の民意を」全国総行動5.25国会包囲行動
■時間&場所:14:00~15:30 国会周辺
■主催:基地の県内移設に反対する県民会議、「止めよう!辺野古埋立て」国会包囲行動実行委員会
戦争させない・9条壊すな!総がかり行動実行委員会
●6月7日(金)、8日(土)朝鮮半島と日本に非核・平和の確立を! 市民連帯行動
■6月7日(金)は、18:30~日比谷野外音楽堂で集会&銀座デモ
6月8日(土)は、午後、星陵会館において国際シンポジウム
■主催:「朝鮮半島と日本に非核・平和の確立を!」市民連帯行動実行委員会
●6月12日(水)、九条の会東京連絡会6・12大集会
■時間&場所:18:30~中野ゼロ大ホール
■内容:パフォーマンス・松元ヒロさん、講演・渡辺治さん「9条改憲を阻んで安倍政治に終止符を!」
音楽(唄・三線・ピアノ)・Milk〔弥勒〕
■参加費:999円
■主催:九条の会東京連絡会
http://kenpo-9.net/mail/mail_79.html