物心つく前に、全身カイカイ（アトピー）や小児喘息で幾度も死にそうな
思いをしていた。当時は姉と兄そして私が末っ子だったので、手に負えな
かったのだろうか、老夫婦の家に預けられていた。
川崎と横浜の境目にあるローカル線沿線の駅の改札は無人だった。もちろ
ん自動改札機などないころの話だ。それどころか２両編成の単線の車両の
運転席と客席の壁もなかった。なので一度電車のドアの開閉をさせてもら
ったことがある。私の小さな手を車掌さんの手で動かしたというのが正し
いのだが。いまは電車オタクには気の毒な時代だ。
預けられた老夫婦の家はマージャン屋を営んでいた。夕方５時過ぎになる
と、職人たちが銭湯で汗を流したあとやってくる。殆どが近所からくる常
連客で、職人だから夜１０時とか１１時にはお開きとなる。
その間、ジャラジャラ音がずっとしていて、店番をするのはじーちゃんで、
ばーちゃんは客の注文でラーメン作ったりしているのだった。
耳年増というのは多分私のことなのだろうと思うのだが、物心つくまえか
彼らの会話もジャラジャラ音と一緒に耳から入ってきていたのだろう。
だから私の冗談はキツイようだ。
じーちゃんの膝に座りながら、メモ帳で「いろはにほへと・・・」平仮名
や簡単な足し算引き算を習い、たまに客からマージャンも教わるという、
いまでいう英才教育を受けていた。学校に上がると国語は「あいうえお」
で平仮名の「ゑ」を書いて同級生に大笑いされた記憶がある。本人には何
のこどだか全くわからない出来事だった。
「歳取るとな、歯にきて目にきて・・・」
そういう言葉を教わったが、当時の私には意味が全く分かっていない。
数年前に老眼鏡が必要になって、それまで眼鏡などかけたことがなかった
私はいまでも眼鏡をかけることが億劫で仕方がないのだが、見えないのだ。
仕方なく老眼鏡を手放さないようにしている。
さて、目以前に歯の話をしようと思っていたことを忘れていたので、ここか
らは歯のお話し。
歯医者さんというのは、当たり外れがあるので気を付けなければならないの
だが、治療されてからでないと分からないというジレンマがある。
それ以前に、虫歯にならないように歯磨きが大切なことは言うまでもない。
歯磨きと言って馬鹿にしてはいけない。歯磨きが下手だと磨いても虫歯にな
ってしまうのだ。
高級な歯ブラシと高価な歯磨きで磨けば虫歯にならないかというと、全くそ
うではない。
幼いころマージャン屋での朝、歯磨きをいていたのは「歯磨き粉」という粉
を濡らした歯ブラシにつけて磨くという方法だった。そういえば最近は粉の
歯磨きは無い。どうしてなんだろうか。
チューブに入った練歯磨きの適当な値段のものを購入して使っている。一番
安価なものだ。歯ブラシも野球で言うと内角低めのものを使っている。
内角というのは国産という意味、低めというのは安価なものという意味だ。
だいたいひと月使うとブラシがヘタレるので買い替える。ところがここ最近い
つも使っている歯ブラシがずっと品切れ状態が続いているのだ。
ふざけやがってこんちくしょう、なんで陳列してないのだ！と込み上げた怒り
を無言でその小売店の陳列棚にぶつけたのだった。
数日たってフト気づいたのだが、その歯ブラシ工場がもし地震より被災して生
産できない状態であるとしたらどうであろうか。
調べてみた、会社の住所は大阪府東大阪市であった。
歯ブラシを作り続けて75年、オーラルケア用品を通して社会貢献を果たします。
歯ブラシの製造会社の被災状況は書かれていない。書くこともできない状況なのだろ
うか。それにしてもさっき書いた陳列棚に向けた怒りは、あちこち遊んで歩いてい
る国の大臣や大阪府の知事や市長に改めて向けなければならないようだ。
万博など時代遅れのイベントをごり押ししている場合ではないはずだ。
良い子のみんなは歯を磨きましょう。
歯の形状や本数や口内の形や大きさは、それぞれ違うので自分にあった歯ブラシを選
びましょう。
ということで、政治は生活に直結しているのです。
https://www.youtube.com/watch?time_continue=1154&v=fVVpwL0hGrs
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