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【IWJ号外】ウクライナ軍は8年前から現在まで、ドンバスで救急隊員を執拗に狙い撃ちしている!

2022-10-03 13:07:42 | 翻訳記事 Translation

 ロシア・ウクライナ戦争が始まって7ヶ月となりますが、この間の大手メディアの報道の偏向ぶりは、まったく揺らぐことがありません。

 

 「ロシアの戦争犯罪」だけが、日本を筆頭に、西側のメインストリームメディアでは大々的に報じられ続け、「ウクライナの戦争犯罪」はほぼまったく報じられません。大新聞・テレビのニュースを見続け、これだけ内容に偏りがある情報と、連日、浴びせられていると、「ロシアだけが悪」「ウクライナは善」という固定観念が誰の頭の中にも、植えつけられていってしまいます。恐いことですが、これが「戦時」の「洗脳報道」です。

 

 日本は間違いなく、「戦時」の「情報戦」のただ中にあり、日本国民は、テレビを見るだけでも、「洗脳」が進行しつつあるのです。

 

 これに対抗すべく、事実をありのままに知るために、「脱洗脳」を行い続けていくには、公正に、何が起こっているか、事実を「中立」的に調べ、同様に、その根底として、ロシア人も、ウクライナ人も、大きく違わない、人間なのだから、他方が「天使」で、他方が「悪魔」であるということはありえない、という偏りのない認識をもつことが重要です。

 

 私たちは、むしろウクライナ・ロシア戦争の「伝えられている事実」をお伝えしてゆく過程で、その認識が「確信」に変わるのを強く感じています。

 

 本日は、「ウクライナの戦争犯罪」について現地取材するエヴァ・カレン・バートレット記者の記事を全文仮訳し、号外としてお届けします。

 

 ぜひ御覧ください。

 

 米ニューヨークに本拠を置く非営利団体「コバート・アクション・クォータリー」のメディア『コバート・アクション・マガジン』が、9月23日付けで「ウクライナ軍によるドンバス共和国での救急車、消防車、救助隊への砲撃などの戦争犯罪~イスラエルや米国が支援するシリアのテロリストと同様のもの」と題した記事を掲載しました。

 

 執筆したのは、カナダ系米国人ジャーナリストで、中東の紛争地帯、特にシリアとパレスチナで長年取材してきたエヴァ・カレン・バートレット記者です。

 

 「(ドンバスの)地元住民は、米国から多額の資金提供を受けているこれらの犯罪の加害者(ウクライナ軍)を『恥知らず』で『卑劣な』『テロリスト』と表現している。

 

 ドンバスの英雄的な救助隊員は、国際法の下で、標的とされずに人々を助ける権利を与えられるべきである」

 

 記事の冒頭には、このようなサマリー(要約)が付されています。この記事は「洗脳」に加担していない、多くの人々に読まれるべき記事であると我々は考えます。

 

 

 この『コバート・アクション・マガジン』の記事を、IWJで仮訳しました。

 

 以下から、仮訳となります。

 

 「(ウクライナ連邦でロシア語話者の住民が多い)ドネツク人民共和国(DPR)およびルハンスク人民共和国(LPR)の市民を空爆してきた8年以上の間(※2014年から2022年まで)に、ウクライナは数え切れないほどの戦争犯罪を犯してきた。その中には、住宅地、市場、病院、学校、公園への爆撃(禁止されている重火器や禁止されているクラスター弾によるものも含む)や、7月下旬以降、ドネツクのまさに中心部を含む民間人居住区に禁止されている『ペタル』地雷(ソ連軍が使用していた空中散布式対人地雷・PFM-1)を降り注いだこと(最近でも9月7日にあった)などが含まれている。

 

 あまり知られていない戦争犯罪として、ウクライナは日常的に救急車や消防車、救急隊員や救助隊、そしてその本部や駐在所を標的にしている。ウクライナがこうした英雄的な救助隊を爆撃するのは、多くの場合、彼らが民間人を助けるために移動中か、すでに現地に到着しているときであり、救助される民間人も、ウクライナに爆撃された直後であること多い。

 

 8月21日、ウクライナによるDPRのゴロフカへの砲撃は、5人の消防士を含む12人を負傷させた。

 

 その前日には、LPRのリシチャンスクの救急車ステーションがウクライナの砲撃の標的となり、数名が負傷し、救急車の一部が損壊した。

 

 6月23日、ドネツクのキエフスキー地区では、私が緊急サービス本部を訪れていた2時間の間に、繰り返し砲撃を受けた。敷地内で、私はウクライナからの攻撃で使用された『ハリケーン』ミサイルの残骸を見た。

 

※エヴァ・カレン・バートレット記者のツイート(ミサイル残骸の写真)(2022年6月23日)

https://twitter.com/EvaKBartlett/status/1539930967195783170

 

 前日、ウクライナ軍は待機中の救急隊の消防車を標的にし、運転手は重体で入院した。彼の同僚によると、ウクライナの攻撃の直前に上空でドローンを目撃したという。この消防車を標的とした攻撃は、紛れもなく意図的なものだった。

 

 6月18日、ウクライナは救急隊が到着したあとにドネツク中心部を攻撃し、消防士と運転手を殺害し、さらに3人の救助隊員を負傷させた。

 

 6月上旬、ドネツクのクイビシェフスキー地区でウクライナの激しい砲撃があり、救急車が破壊され、運転手が重傷を負わされた。

 

 ウクライナによる救急隊員への攻撃は、目新しいものではなく、ウクライナが何年もやってきたことだ。

 

 2021年6月、人道的停戦中に、ウクライナ軍は負傷したDPR兵士3人を避難させるために到着した救急車を標的にした。

 

 2019年10月、ウクライナ軍は子どもを助けるために向かっていたDPR軍の救急車に対戦車誘導弾を撃ち込み、運転手と救急隊員を負傷させた。

 

 2018年8月には、ウクライナ軍がDPRの救急車にミサイルを発射し、運転手と女性救急隊員2名が死亡した。

 

 2019年9月に、私が初めてDPRを訪れ、ゴルロフカ周辺の被害の大きい地域に行くと、ザイツェヴォ地区の行政担当者から『救急車が村人に届かない(村までやって来られない)』と聞かされた。

 

 『救急隊員はこの建物より遠くには行けません。危険すぎるからです。前線の近くで治療が必要な人がいたら、救急隊が負傷者をゴルロフカまで搬送できるように、誰かが自分の車で前線まで行って、負傷者を連れて来なければなりません。兵士は怪我をした民間人も助けるのです』

 

 これは、私が占領下のパレスチナ、ガザで身近に見て来たことだが、イスラエル兵は日常的にパレスチナ人の農地で農民や労働者に発砲し、パレスチナ人を土地から追い出す嫌がらせの政策をしている。ほとんどの場合、イスラエル軍が救急車を標的にしているため、救急車も負傷者のいるところまで到達できない。その結果、重傷のパレスチナ人は出血多量で死に至る。

 

 ザイツェボでも、そのようなことがあったと聞いた。『ある女性が出血多量で死亡したのは、彼女の家に誰も駆けつけられず、搬送が間に合わなかったからだ。彼女は砲撃で負傷し、出血多量で死亡したのだ』

 

※DPR Village Resident Says Ukrainian Bombings Destroying Homes Street By Street(DPR村の住民は、ウクライナの爆撃が通りごとに家を破壊していると言う)(エヴァ・カレン・バートレット記者のYouTube、2019年9月17日)

https://youtu.be/yFsLzCxAKwM

 

 医療従事者や救助者を標的にすることで、助けを必要としている人々が助けを奪われ、生きられたかもしれない人が怪我で死んでしまう可能性が高くなる。

 

 救急車や医療従事者、消防車などの緊急サービス車両や作業員を意図的に標的にすることは、国際法に反している。

 

・DPRの救助隊員は語る

 

 2022年6月と8月の2回にわたってDPRを訪問した際、私は多くの救急隊員や医療関係者にインタビューを行った。

 

 ドネツク救急サービスの最高医療責任者、コンスタンチン・ジューコフによると、救急サービス職員は毎日、絶え間ない砲撃に直面し、多くの職員が仕事中に負傷している。救急車ステーションの1つは、ウクライナの砲撃で完全に破壊された。

 

 外では、救急医のタチアナ・ゴロタと救急隊員のアレナ・コンドラシェワに話を聞いた。

 

 ふたりとも、ウクライナからの度重なる砲撃は、日常茶飯事だと繰り返した。彼らは、医療関係者や救急隊員が市民を助けるために到着した後に、ウクライナの砲撃があったことについて話した。

 

 彼らはウクライナの砲撃で完全に破壊された救急車も、私に見せてくれた。それは新車で、破壊される前に数ヶ月間使用されただけだった。

 

 『その日、私たちは仕事をしていて、部隊が砲撃を受けたことを聞きました。医師は人々を助けに行き、運転手は偶然にも携帯電話の電波を受信しようと移動しました。その瞬間、車両に直撃があったのです』

 

 同じくドネツクで、非常事態省消防救助局局長のセルゲイ・ネカに話を聞いた。

 

 彼は、呼び出しを受けて救助隊が出動するたびに攻撃を受けるので、ときどき助けを求める人にまでたどり着くことができないと語った。

 

 彼によると、2022年2月24日から私が話を聞いた8月までに、4人が殺害され、40人が負傷し、設備や建物にも大きな被害が出たという。

 

 『我々の救急隊が事故現場に到着すると、ウクライナが砲撃を開始します。多くの機材がダメージを受け、破壊されました』

 

 ウクライナが街に投下した空中散布式対人地雷『ペタル』の影響について尋ねたところ、21歳の救急隊員が、地域の地雷除去のあとにPFM-1S地雷で負傷した、建物から落下した地雷を、無防備な救助者が踏んでしまい、足を失ったのだと語った。

 

 ドネツクの東にあるマケフカでは、地雷の砲撃を受けた孤児院を訪ねた。地雷除去の2日目に私が到着した時には、ほとんどの除去が終わっていたが、1つだけ残っていた。私は、工兵がそれを見つけて爆破するのを見た。以前、8個の地雷を大爆発させるのを見たことがあるが、1個でも、地雷の威力は非常に強力だった。

 

※Ukrainian Terrorism: Firing Munitions Containing Petal Mines On Donbass Orphanage, Another War Crime(ウクライナのテロ:ドンバス孤児院でのペタル地雷を含む弾薬の爆破、別の戦争犯罪)(エヴァ・カレン・バートレット記者のYouTube、2022年8月9日)

https://www.youtube.com/watch?v=dCpRy1iDXcA

 

 ドネツク緊急サービスデミナーズ代表のドミトリー・チャモタによると、孤児院の運動場も含めた敷地内で、彼らは26個のPFM-1地雷を見つけたとのことだ。

 

 6月、私はキエフスキー地区緊急事態省チーフのアンドレイ・レフチェンコに会った。彼の基地にいた2時間の間に、ウクライナは地区を集中的に砲撃していたため、施設が再び標的にされることに備えて、私たちは建物の中に隠れることになった。

 

 私たちは、砲撃の合間に外に出て、レフチェンコ氏が建物の被害状況や、敷地内に打ち込まれたウクライナの『ハリケーンMLRS』の砲弾を指摘した。

 

 建物の窓は吹き飛ばされ、労働者を守るため、窓には土嚢が詰められている。数日前の砲撃の破片で、チーフのオフィスは損傷していた。ありがたいことに、彼は爆風の1分前に、ちょうど外に出たところだった。

 

※More Ukrainian War Crimes: Killing & Maiming Heroic Donbass Medics & Emergency Workers(より多くのウクライナの戦争犯罪:英雄的なドンバスの衛生兵と救急隊員を殺し、傷つける)(エヴァ・カレン・バートレット記者のYouTube、2022年9月2日)

https://www.youtube.com/watch?v=BJZvxWQfSHc

 

 彼は6月22日に損傷した消防車を見せてくれた。たくさんの榴散弾の穴が開いていて、後輪のタイヤが1つ、吹き飛ばされていた。

 

 2人の隊員が、その日のことを私に話してくれた。ウクライナ軍が地区を砲撃した後、『砲撃で、ドアが塞がれた建物の中に人々が閉じ込められている』という電話を受けたのだそうだ。2階、3階まで火が回っていて、逃げられなかったという。救助隊が状況を確認していると、トラックの近くの壁に砲弾が当たり、運転手が負傷した。

 

 彼らは、砲撃の前に、上空にドローンを見たと言った。このことは、彼らが制服を着ていたこと、消防車のマークがはっきりしていたこと、救助隊が助けを求めている民間地域にいたという事実を考えあわせると、ウクライナが意図的に救助隊を標的にしたと考えるのが、信憑性がある。

 

 過去何ヶ月にもわたるウクライナの砲撃の激化について、レフチェンコは、それは絶え間なく、毎日行われていると述べた。『以前、2014年から2015年について言えば、20分から最大でも1時間程度だった。今では、毎日6~7時間ノンストップです』

 

※エヴァ・カレン・バートレット記者のツイート(ドネツク消防救急署の取材動画)(2022年9月3日)

https://twitter.com/EvaKBartlett/status/1565983414687244288

 

 彼は、ウクライナ軍が砲撃し、救助隊が到着するまで待って、また砲撃してくるのだと言った。『彼らは私たちが到着するのを30分も待っている。私たちが到着し、救助を始めると、砲撃が再開されるのです』

 

 これは、8月4日、私が宿泊していたホテルをウクライナが砲撃したときに、私が目撃したものだ。4発目と5発目の砲弾が、それぞれ50メートル先と真横に着弾した。5発目の砲撃でロビーのガラス戸が割れたとき、私は幸いにも、30秒前に通りから駆け込んできたジャーナリストと話をしていたロビーから、出たところだった。

 

 砲撃が止むと、ジャーナリストは外に出て被害状況を記録した。残念なことに、ホテルの外にいた若い女性が砲撃で死亡していた。他にも5人、わずか通りを2本離れた先で、有望な12歳のバレリーナ、彼女の祖母、世界的に有名な元バレリーナのバレエ教師を含む人々が、爆弾によって引き裂かれた。

 

 救急隊が到着すると、ほどなくしてウクライナは砲撃を再開した。幸いにも中に入ることができたが、これはウクライナによる二重攻撃の一例に過ぎない。

 

 レフチェンコによると、ウクライナは2回砲撃するだけでなく、3回砲撃することもあるという。『彼らはまた待つ。我々の仲間はシェルターに隠れる。我々が外に出て火を消し、人々を助けるとすぐにまた、砲撃が再開される。瓦礫の下には人々がいるかもしれない。ドアは動かない。人々は外に出られず、地下に行くことができない』

 

 彼は、民間人や救助隊に対してこのような戦争を仕掛けている人たちを、『恥知らず。卑劣な奴ら。テロリストだ』と言った。

 

 彼は間違ってはいない。

 

・救助隊を標的にする:ウクライナ、イスラエル、シリアで米国の同盟国が採用したテロリストの戦術

 

 DPRの救急隊長が消防車の被害を指摘するとき、私は、当時住んでいたガザで、2008年12月27日から2009年1月18日にかけてイスラエルが行ったパレスチナ人救急隊や消防隊への攻撃を思い出した。

 

 その3週間、私は救急隊の救急車に同乗し、イスラエルの戦争犯罪による破壊と犠牲者を記録すると同時に、ある意味で人間の盾として、イスラエルが数人の外国人と私が乗る救急車を攻撃しないようにと祈ったのである。

 

 結果的に、イスラエルによるガザ侵攻が終わるまでに、イスラエル軍は1日だけで4人、16人の医療救助隊員を殺害した。さらに57人が負傷した。少なくとも16台の救急車が被害を受け、少なくとも9台は完全に破壊された。

 

 殺されたうちの一人は、35歳の救急隊員、アラファ・アブド・アルダイムで、彼が殺される前夜に、私は彼に同行していた。その夜、私は次のように書いた。

 

 『死者は24歳の夜間警備員だったが、少なくとも2発のミサイルが学校を襲い、彼を引き裂いたことについて、何の警告もなかった。

 

 救急隊員は死体を乗せるのに、まずパンクしたタイヤを交換しなければならなかった。攻撃の恐怖に怯えながら、救急車にかけ寄り、バンを持ち上げ、タイヤを交換する。50メートル先にミサイルが落ちた。

 

 確かに間違いなく、救急車のマーク、救急隊の服装、ドローンが撮影した非常に鮮明な写真から、私たちが民間人で救急隊であることは、上空の戦闘機にはわかっているはずだ。それなのに、彼らは撃ってきたのだ』

 

 アラファはその日の遅く、イスラエル軍が彼の救急車に直接撃ち込んだフレシェット弾によって、フレシェットのダーツのように、ズタズタにされて殺された。腹部には大量の内出血、肺に血が流れ、ショック死したのだ。

 

 後日、イスラエルがガザで広範にフレシェット弾を使用していることについて執筆した際、私がインタビューした外科医は、フレシェット弾は他の小型弾薬に比べて、まさに広範囲に広がるために、多くの負傷者を出すのだと教えてくれた。

 

 そして、ダーツは一見何の変哲もない小さな弾に見えるが、その速度と設計により、セメントや骨を貫通し、『内部のすべてを切断する』ことができるのだという。そのため、心臓や肝臓、脳などの臓器が切り裂かれ、ひどい内出血を起こすことが死因となる。

 

 負傷者の一人、ハッサン・アル・アッタル(35歳)は、私が乗っていた救急車の中で、他の衛生兵とともに、救急車のすぐ先の路上から死体を回収しようとして、イスラエルのスナイパーの砲撃に遭ったのだ。スナイパーの砲撃は、救急車自体にも及んだ。ハッサンは脚を負傷した。これは、攻撃が止んだと思われた数時間の間のことだった。しかし、いずれにせよ、救急隊は決して標的にされてはならなかったのだ。

 

 『ジュネーブ条約は、負傷者を捜索、収容、搬送、治療する医療関係者は、いかなる状況においても保護され尊重されるべきであると明記しているが、イスラエルの侵攻中、これは当てはまらなかった』と私は書いた。実際、負傷者や救急隊員が証言しているように、イスラエル軍は医療従事者が負傷者のところに到着するのを標的にし、妨害した。

 

 パレスチナ人権センターによると、多くの救急車は、イスラエル軍の銃撃や砲撃の危険を、あえて冒さず、何百件もの通報に応じなかったという。医療を拒否された多くの犠牲者が、その傷のために命を落とした。

 

 イスラエル軍は、13人の民間防衛隊員を殺害し、31人を負傷させ、6つの民間防衛ステーションを破壊し、4つに損害を与えた。

 

 同じ記事で、私は次のように書いた。

 

 『民間防衛隊員は、医療従事者と同様に、国際法の下で保護されている。ジュネーブ条約第4条は、緊急事態に対処する労働者は尊重され、その仕事をすることを許されなければならないだけでなく、彼らの建物、設備、車両が標的とされてはならないと述べている。

 

 ガザの民間防衛局長であるユセフ・アル・ザハル氏は当時、私にこう語った。「民間防衛センターとチームを標的にすることは、イスラエル軍がガザ地区の民間防衛活動を麻痺させ、犠牲者の中に民間人の数を増やそうと意図していることを、明確に示している」』

 

 パレスチナ自治政府保健省とPRCS(パレスチナ赤三日月社)の統計によると、2000年9月の第2次インティファーダの勃発から2010年の記事を書くまでに、イスラエル軍は救急隊員、運転手、医師、ボランティアなど少なくとも56人の医療救助者を殺害し、2ヶ月に平均1人が負傷したという。

 

 同様に、英国人ジャーナリストのヴァネッサ・ビーリーは、シリアの救助隊員がシリアのテロリスト集団に狙われ、装備を盗まれていることを詳しく書いている。彼女のある記事では、アレッポ地区のリアルシリア民間防衛隊の指揮官が、ドンバスやパレスチナの救助隊員と同様のシナリオについて、次のように説明している。

 

 『彼ら(テロリスト)は、私たちの機器や構造物を破壊するために、意図的に私たちをターゲットにしたのです。彼らは、私たちが人々のために働けなくなるようにしたかったのです。彼らは、私たちの乗組員を狙撃したり、爆発弾で狙ったりしていた。彼らの主な任務は、乗組員を殺し、我々の基地を破壊することだったので、我々はアレッポの人々をケアすることができなかったのです』

 

 同じ記事の中で、イスラエルがパレスチナの救助隊に、ウクライナがドンバスの救助隊にするように、救助隊に対して『テロリスト集団が組織的にダブルタップ攻撃を行った』と指摘している。

 

※エヴァ・カレン・バートレット記者のツイート(ヴァネッサ・ビーリー記者のシリアの記事の紹介)(2022年9月1日)

https://twitter.com/VanessaBeeley/status/1565307920182566915

 

・ウクライナはドンバスの救助隊を殺し続けている

 

 9月1日、ウクライナの砲撃により、13名のDPR緊急救援隊員が死亡、9名が負傷した。緊急事態省の代表者によると、砲撃は意図的なものであった。

 

 『ミサイルは正確に住宅の建物を直撃しました。車両は外にいて、破壊された建物の破片や榴散弾を浴びました。しかし、これが緊急車両、つまり消防車であることはおわかりいただけると思います。これは戦争犯罪です』

 

 翌日、マケフカでは、さらに2人の救急隊員が、消防車に対するウクライナの砲撃で死亡し、2人が負傷した。彼らは火災を消火するために移動していた。ニュースに添付された画像には、紛れもなく救助隊の車両である真っ赤な消防車がぐちゃぐちゃになって写っている。

 

 8月に緊急事態省のドネツク消防救助局長に話を聞いたところ、当時、ウクライナの砲撃で救急隊員4人が死亡、40人が負傷したとのことであった。

 

 9月にウクライナが救急隊を標的にしたことで、ウクライナが殺した救助隊員は少なくとも19人、さらに51人が負傷したことになる。

 

 私は、2022年6月18日にウクライナの砲撃で死亡した若い消防士、パベル(パシャ)・レゴンキーさんの母親と話す機会があった。彼と他の救急隊員は、ドネツク中心部にあるウクライナの砲撃の現場に行っていた。ウクライナのダブルタップ攻撃でパシャと運転手が死亡し、3人が負傷した。

 

 スベトラーナさんは、勇気と思いやりのある息子について、誇らしげに語ってくれた。

 

 『彼は自分の仕事をとても愛していました。彼はこの仕事のために生きていました。人を助けることが彼の義務だったのです。息子は家庭を築くのが夢で、子どもを持つのが夢で、働くのが夢だったんです。そして、あなたがここに送ってくれた、一発の砲弾が彼の人生を終わらせたのです』

 

 このような人たちは、自分たちが脅威にさらされていることをよく知っている。しかし、ウクライナの攻撃にさらされている市民を助けるために、とにかく出動するのだ。

 

 ドネツク救急隊で話を聞いた2人の女性は、仕事をやめることを考えたか、という私の質問にこう答えてくれた。

 

 『私は本当に怖いし、みんなも怖い。でも、私たちに何ができる? でも、どうしたらいいの? 彼らは私と同じ人間であり、傷つき、さらに怯えている。私たちの助けを待っているのです。運転中は恐怖を感じますが、悲劇の場所に着いた途端、恐怖は消え去り、ただ自分の仕事を始め、この恐怖を忘れるのです』

 

 キエフ市緊急事態省チーフのアンドレイ・レフチェンコは、救助隊員について『彼らは皆、英雄だ。もし可能なら、私は彼ら一人一人にメダルを贈り、その功績を称え、支援したいくらいです。でも、彼らはメダルのためにやっているわけではありません。誰も「行かない、行きたくない」とは言っていないのです』と、救助隊が出動するときのことを語った。

 

 彼の言うとおりだ。ウクライナは2度、3度とその地域を襲い、特に救助隊を標的にすることがよくあることを知りながら、困っている人を助けるために出かけるたびに、命をかけている。彼らは勲章をもらったり、欲しがったりはしないかもしれないが、ウクライナの砲撃を恐れることなく人々を救助する国際法の下の権利は与えられるべきである」

 

 以上が、エヴァ・カレン・バートレット記者による『コバート・アクション・マガジン』の記事「ウクライナ軍によるドンバス共和国での救急車、消防車、救助隊への砲撃などの戦争犯罪~イスラエルや米国が支援するシリアのテロリストと同様のもの」の全文です。

 

 岩上安身は、ウクライナ東部で内戦が始まった2014年8月1日に、東京大学名誉教授でイスラム史が専門の板垣雄三氏にインタビューを行いました。

 

 このインタビューで板垣氏は、「ウクライナ危機とイスラエルによるガザ侵攻はつながっている」と指摘しています。

 

 板垣氏は、ウクライナ東部での内戦の発端となった、首都キエフの広場「ユーロマイダン」での大規模な反政府デモについて、指摘されている米国の関与に加えて、IDF(イスラエル国防軍)の元兵士らが、ヤヌコビッチ政権打倒のために、現地の極右組織「右派セクター」と協力関係を結んでいたと指摘しました。

 

 反ユダヤを掲げるウクライナの「右派セクター」と、ユダヤ人国家イスラエルとの、一般には理解し難い結びつきについて、板垣氏は、ガザ地区のハマスが使用しているロケットの開発者がウクライナ国内で拉致された事例などをあげ、ウクライナとイスラエルのつながりを強調しました。

 

 以下のインタビュー記事と切り抜き動画を、ぜひあわせて御覧ください。

 

※世界の「いま」は欧米中心主義の断末魔/繋がりあう尖閣・マレーシア・ガザ・ウクライナ ~岩上安身によるインタビュー 第443回 ゲスト 東京大学名誉教授・板垣雄三氏 2014.8.1

https://iwj.co.jp/wj/open/archives/159297

 

※2014.8.1 【切り抜き】ユーロマイダンの武力衝突の中心にたっていたのはイスラエル軍人だった!?~岩上安身による板垣雄三・東京大学名誉教授インタビュー

https://www.youtube.com/watch?v=dnrW_GfELRQ

 

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■IWJは8月に続き9月も、ご寄付・カンパが目標額に到達しませんでした。9月1日から30日までのご寄付額は暫定で116万6600円、目標額の18%にとどまりました! 8月9月の不足分は、累計で約540万円となり、10月は月間目標額390万円とあわせて約930万円が必要です! どうぞ、緊急のご支援をよろしくお願いします!

 

 おはようございます。IWJ代表の岩上安身です。

 

 いつもIWJをご支援いただきまして、誠にありがとうございます。

 

 10月に入り、8月から始まったIWJの第13期も、3ヶ月目となりました。

 

 今期から、ご寄付・カンパの月間目標額を、前期の400万円から390万円に下げ、さらに支出を絞って緊縮予算でのぞんでいますが、第13期最初の8月分は、8月31日の時点でご寄付は122万3000円、月間目標額の31%にとどまりました。

 

 目標額に届かなかった267万7000円分は、9月の月間目標額に繰り越して上乗せし、9月の目標額は657万7000円と、かなり厳しいスタートとなりました。

 

 9月は1日から30日までの30日間で、暫定で116万6600円のご寄付・カンパをいただきました。これは、上記の累積の目標額657万7000円の18%にあたります。ご支援くださった皆さま、本当にありがとうございました。9月分の確定した集計は、後日改めてご報告いたします。

 

 とはいえ、8月に続き、9月も赤字転落を回避することはできませんでした。

 

 10月の累積の月間目標額は、9月の集計が確定したあと、あらためてご報告させていただきますが、月間目標額の390万円に累積の不足分の繰越し約540万円を加え、約930万円となる見込みです。1千万円近い金額に膨れあがってきました。

 

 ご寄付・カンパによる緊急のご支援を、よろしくお願いいたします!

 

※ご寄付・カンパはこちらからお願いします。

https://iwj.co.jp/join/pleasehelpus.html

 

※以下は、IWJの活動へのご寄付・カンパを取り扱っております金融機関名です。どうぞ、ご支援のほどよろしくお願いします。

 

みずほ銀行

支店名 広尾支店

店番号 057

預金種目 普通

口座番号 2043789

口座名 株式会社インデイペンデント ウエブ ジヤーナル

 

城南信用金庫

支店名 新橋支店

店番号 022

預金種目 普通

口座番号 472535

口座名 株式会社インディペンデント.ウェブ.ジャーナル

 

ゆうちょ銀行

店名 〇〇八(ゼロゼロハチ)

店番 008

預金種目 普通

口座番号 3080612

口座名 株式会社インディペンデント・ウェブ・ジャーナル カンリブ

 

 IWJホームページからも、お振り込みいただけます。

 

※ご寄付・カンパのお願い

https://iwj.co.jp/join/pleasehelpus.html

 

 どうか、ご支援のほど、よろしくお願い申し上げます!

 

岩上安身

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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