霊の「関東……もとい、長州ウォーキング」

「関東歩き旅」の続編で、「長州歩き旅」を始めました

野村萬斎は、やはり天才か?

2006年01月18日 | 能楽鑑賞

18日(水)は、国立能楽堂で「NHK能楽鑑賞会」を楽しんできた。演目は次の通り。

狂言「二人袴」大蔵流
 聟:茂山逸平 兄:茂山宗彦 太郎冠者:茂山童司 舅:茂山七五三
 笛:一噌隆之 小鼓:鵜澤洋太郎 大鼓:亀井広忠 太鼓:梶谷英樹
狂言「武悪」和泉流
 武悪:野村又三郎 太郎冠者:野村小三郎 主:野村万作
素囃子「大小楽」
 笛:一噌隆之 小鼓:鵜澤洋太郎 大鼓:亀井広忠
狂言:「金岡・大納言」和泉流
 金岡:野村萬斎 妻:石田幸雄
 笛:一噌隆之 小鼓:鵜澤洋太郎 大鼓:亀井広忠
 地謡:野村万作 深田博治 高野和憲 月崎晴夫

 「二人袴」は、素朴で小心者な聟と生真面目な兄との微笑ましい兄弟模様を、逸平・宗彦の両師が絶妙な掛け合いで演じ、見所は爆笑の渦に巻き込まれた。能の囃子に乗って、七五三師を加えた三人が舞う様は、さながら「茂山ワールド」と言うに相応しい。
 「武悪」は、大熱演の小三郎師と、味のある幽霊(…ン?)役の又三郎師とのコントラストが、何とも心から可笑しい。また、存在そのものが舞台をキリッと引き締める万作師の威力には、いつもながら圧倒される。
 「大小楽」は、能の囃子方の心意気をストレートに感じることのできる演奏で、広忠師の迫力ある音色もさることながら、その合いの手(掛け声?)の気迫にも圧倒される。
 「金岡・大納言」は、前半はほぼ萬斎師の独壇場で、恋に心乱れつつもやるせない己の心情を、朗々とした謡と共に本舞台や橋懸りを縦横無尽にさまよう姿は、見事の一言。能舞台全体を震わすようなこの迫力は、古(いにしえ)言葉の意味が分からない人が聞いても感激するだろう。しかし、実際に絵筆を取って、幸雄師の頬を化粧し始めたのには吃驚した。

と言うことで、今回は狂言の舞台でも余り日頃見ることのできない演目をたっぷりと楽しむことができた。人気の萬斎師が出演するとあって、いつものように見所の半分はギャルという、普段の老人クラブ模様とは大きく違った国立能楽堂であった。

◎NHKの放映予定:2月11日(土)15:00~ハイビジョン、3月18日(土)教育TV



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