霊の「関東……もとい、長州ウォーキング」

「関東歩き旅」の続編で、「長州歩き旅」を始めました

御宿(おんじゅく)をぐるり

2008年10月25日 | 関東の旅(千葉県)

⇒岡村家一族 2008年10月25日(土)
今日の「駅からハイキング」は、外房線御宿の名所巡りだ。検見川浜からは、各駅に乗って一時間半余りかかるが、太平洋を眺めながらのウォーキングはとても気持ちよく、わざわざ来る甲斐があるってぇもんだ。
御宿駅⇒最明寺⇒妙音寺⇒御宿海岸⇒月の沙漠記念像/記念館⇒ドン・ロドリゴ上陸地⇒海洋生物環境研究所⇒メキシコ記念塔⇒岩の井酒造⇒御宿歴史民族資料館⇒御宿駅と回る、2時間半ほどのラクチンコースだ。
多くのサーファー達が波乗りを楽しんでいる御宿海岸の東端に、月の沙漠記念像が建っている(写真上)。童謡「月の沙漠」を作詞した加藤まさお氏は、結核を患ってその療養の為に御宿に滞在し、御宿海岸を眺めながらこの詞を作ったとされているようだ。ここに来てみて、「砂漠」ではなく「沙漠」だと言うことに気が付いた。…砂漠(石が少ない)と沙漠(水が少ない)に、現代では大きな違いはないそうで、ここに建っている記念像はアラビア風の王子と王女のように見えるが、加藤まさお氏のイメージは何処にあったんだろうネ?
オイラの子供の頃には、この歌の舞台は月で、月面の砂漠を王子と王女がとぼとぼ歩いている、なんて勝手に想像していたのだが、改めて歌詞を読んでみると、月面の砂漠ではなくて、月夜の沙漠だったのだナ。ひょっとすると、御宿の砂浜そのものをイメージしたというよりも、月夜に照らされた幾多の打ち寄せる波を金波銀波になぞらえて、砂浜から眺めていたのかも知れない。
なぁ~んてことを想いながら歩いていると、お昼のチャイムが防災無線の拡声器から響いてきた。もちろんメロディーは「月の沙漠」だ。複数箇所から同時に流れるので、遠くの拡声器からの音がちょうど輪唱のように聞こえてきて、なかなか風情のある趣ではある。♪つぅきのぉ~(つぅきのぉ~)、さばぁくを~(さばぁくを~)、はぁる(はぁる)、ばぁるとぉ~(ばぁるとぉ~)…てな具合だ。それにしても、加藤まさお氏のロマンチックな詞と佐々木すぐる氏の官能的なメロディーが、とてもよくマッチした名曲であることよ。
御宿でのもう一つのハイライトは「ドン・ロドリゴ上陸地」で(写真下)、今からちょうど400年前の江戸時代初期に、台風で遭難し漂流座礁した帆船サンフランシスコ号の乗員373名中317名を村民が必死の覚悟で救助し、手厚い介護の後に家康が新しい船を建造して、無事にアカプルコに帰国させたという、何とも壮大なドキュメンタリーの舞台だ。御宿歴史民族資料館には、この時の救助の模様を描いた絵画も展示されていて、村民達の懸命の救助のさまが偲ばれる。
しかしよく考えてみると、この頃(慶長年間)は既に二代将軍秀忠の時代だが、外国船の入港を長崎・平戸に限定し、外国人との交流を禁じた所謂「鎖国政策」が始まる寸前でもある。江戸から遠く離れた(今は近いが…)この寒村では、多分そんな幕府の政策もなかなか徹底しないのか、それともそんなことはお構いなく、外国船の難破漂流などは既に日常的に体験していたのかも知れないナ…などと、400年前の漁民達に想いをはせたのであった。



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