みちのくレースのおたのしみ

岩手競馬にまつわるあれこれ。とか。

うまぬし・ばぬし・ばしゅ

2006年03月15日 | 岩手競馬
 某所での仕事が終わり、脱力モードが大幅に進行しているよこてんです。
 やはりああいうのは緊張するんだなと、終わってから思いますねえ。一晩延びたからよけいだな。とりあえず黒黒ガムを噛みながら、沈没しないようにしております。



 さて、漢字で「馬主」と書いた時、みなさんはどう読まれますか?
 まあですね、普通は「うまぬし」または「ばぬし」と読む方が多いんじゃないかと思います。
 私も競馬を始めた頃は「ばぬし」と読んでおりました。「うまぬし」と読むようになったのはこの仕事に就いてからですね。「ばぬしせき(馬主席)」「ひとくちばぬし(一口馬主)」とか、「うまぬし」の読み方が染みついてしまった今から思うと自分の事ながらなにか違和感を感じますけど、昔はそんな風に読むもんだと考えてました。

 Googleで検索してみると『「ばぬし」も誤ではないが「うまぬし」が正』という結果が多く出てきて、これがネット上での共通見解のように思えます。JRAの公式の読み方、またNHKの読み方では「うまぬし」を正としているそうです。でも「ばぬし」だけで通している方もけっこういらっしゃるのでは。

 と書いて思ったのですが、テレビやラジオでは「うまぬし」という単語自体が意外と出てこないような気がしますね。ニュースなんかで出るとすれば、それこそホリエモンのように犯罪がらみになった場合くらいだし、競馬番組でもあまり使わないのでは?「ばぬし」という読み方が案外根強いのは、言葉自体の露出が少なくて「うまぬし」という読み方が耳に入ってこないせいかもしれません。
 競馬場の関係者サイドにいると、もうこれは誰と話してもほぼ「うまぬし」ですから自然と「馬主=うまぬし」なんだと思うようになります。私もそうでした。やっぱり“耳から入る”というのが大きいのかも。



 そして「馬主」にはもう一つ読み方があります。「ばしゅ」という読み方ですね。この読みを使うものは「○○馬主会」を「○○ばしゅかい」と読む場合、それから「ばしゅふく(馬主服)」、すなわちJRAで使っている馬主の服色の勝負服を指す場合です。
 この辺になると一般のファンの方は使う機会がほとんどないでしょう。馬主服なんて、関係者でもあんまり使わないような・・・。中央競馬方面のマスコミさんだと普通に使うのかな?
 まあしかし、「馬主(うまぬし)登録が終わったので馬主(ばしゅ)会に入りました」なんて事になるわけで、ちょっと言葉遊びみたいな、不思議な感じがします。



 こういう読み方の「揺れ」、他に思いつくのは馬単・馬連を「うまたん・うまれん」と読む場合と「ばれん・ばたん」と読む場合でしょうか。
 あー、揺れってわけではないのかな。方言?みたいなものでしょうか?
 私は「ばれん」といわれると、版画なんかで使う「バレン」を思い出してしまって、あの丸い形が目の前にちらちらしてきてすごく戸惑っちゃいます。
 私の経験では南関エリアで「ばたん・ばれん」という読み方を耳にする事が多いように思うのですが、どんなものでしょうか。
 JRAでは「うまれん・うまたん」を正としているようですね。「う~また~ん」なんてCMも流してましたし。



 あっ、そうそう。私、競馬を覚えたのはJRAですが、仕事にしたのは地方競馬でして、そこで戸惑ったのが「馬連」と「馬複」という言い方の違いです。
 JRA方面ではマークカードや成績表にも「馬連」と記載してますし、テレビやラジオでも普通「馬連(うまれん)」、丁寧に言って「馬番連複」なんですが、地方競馬だと「馬複」という記載が主流なんですよね。この仕事に就いた最初の頃、「馬連」と書いたのを「馬複」と直される事多数。もう「なんで!?」って感じでした。

 これはきっと連単馬券があった所となかった所(正確に言えば無い時期が長かった所)の認識の違いなんでしょう。それと、JRAは正式名称から少々離れても言いやすい・覚えやすい言い方を使う事が多いようにも思います。
 確かに「馬複」は「馬番連勝複式」、「馬単」は「馬番連勝単式」が正式名称ですから「馬連」と省略するのはおかしいと言えばおかしいですよね。どっちとも取れる。昔の、枠単があった頃のJRAでどういう表記だったか、気になります。

 字面的には、「複」って字を見ると「並列している・平行している」という印象を受けますが、「連」だと「つながっている」感じがしますよね。漢字の意味としては「連」はおかしくなると思いますが、字面から受ける印象では「連」の方が分かりやすい気がします。

 南関では「普通馬複」なんて言い方がありますよね。こうしてみると競馬の世界って狭いようで広いな、と感じます。