みちのくレースのおたのしみ

岩手競馬にまつわるあれこれ。とか。

競馬界のヨンさまと言うべきか

2006年03月27日 | 岩手競馬
 「いや~、向こう正面で他の馬と手応えを比べて、“このまま行ったらどれだけ差をつけちゃうんだろう?”と思いました」
とおっしゃっていたのは、黒船賞をブルーコンコルドで勝った幸騎手です。

 当日の高知競馬場は内が重く、逃げ馬も内側を開けて走るような状態だったのですが、ブルーコンコルドはそんな砂の重い所を走り続けてなお余裕綽々の圧勝。「ちょっとスタートが遅くて、思っていたよりも後ろからになっちゃったんですけど・・・」とか「あんまりよくないコースだとは思いましたが、他に行く所もなかったですし・・・」とか言いつつ、しかし“だから困っちゃったな、苦労したな”という感じではなくて、むしろそんな不利があっても何も問題がなかったよと、“強すぎて困っちゃうよ~”みたいな余裕が伺える表情でした。

 JBCの時も感じたのですが、幸騎手は本当にブルーコンコルドに乗るのが楽しいんだろうと思いますね。『俺の馬、こんなに走るんだよ!強いんだよ!』と乗っている人が一番嬉しがっているのが分かる感じで、見ている方も一緒にはしゃぎたくなるような。
 こんなに嬉しそうにされちゃったら、こっちも素直に“良かったね~”と手をたたきたくなりますもんね。
 幸騎手のキャラっていうのもあるんだろうな。あの顔でニコッとされたら何も言えない。まさに競馬界のヨン様。



 幸騎手といえば、いまでも妙に鮮やかに覚えている事があります。あれは幸騎手のデビューの年。中京開催を阪神で見ていた時だから、ホントにデビューした3月の事ではないかと思うのですが、そこそこ人気していた馬を幸騎手が飛ばしてしまったのを見ていたオヤジさん、「なんじゃこのコウっちゅう騎手は!」と口走りつつ去っていったんですよね。
 「コウちゃうで。ミユキやで」と心の中で突っ込みつつ、しかしこの騎手がみんなにちゃんと名前を覚えてもらうには時間がかかりそうだなあ、と思ったものでした。その時の、阪神競馬場のセンター通路の一角にあるモニターの、確か最終レースで人も減っていて、ヒュウッと通路を風が吹き抜けていくような、そんな風景を今でも覚えております。・・・なんでだろ?

 1994年デビュー組には渡辺騎手もいるんですが、当時の評判では関東のコバキュウが上と言われていて、関西でもデビュー初日に初勝利を、それも特別戦で飾った植野騎手がいたりして、幸騎手や渡辺騎手はちょっと影が薄かった印象があります。
 特にちょうどその頃、2つ3つ上の四位騎手・藤田騎手・上村騎手が大活躍していたんで余計かもしれません。
 今振り返ってみれば幸騎手や渡辺騎手が同期の出世頭を争う感じになっています。幸騎手なんか牝馬三冠ジョッキーですもんね。



 ああ、大きく話がそれた。
 で、ブルーコンコルド。1400mでは無類の強さを誇りますが、フェブラリーS4着で分かるとおりマイルでも力を出せる馬のはず。後半戦の目標はJBCマイルあたりになるんでしょうが、ぜひ盛岡の南部杯にも来て欲しい。待ってます。

 全日本新人王争覇戦の事も書こうと思っていましたが、ちょっと長くなったのでエントリを改めます。