世界は観測史上最も暑い夏になる可能性 日本でも記録的猛暑に最大限の警戒を(Science Portal) - Yahoo!ニュース
世界は観測史上最も暑い夏になる可能性 日本でも記録的猛暑に最大限の警戒を
7/19(水) 17:13配信
105コメント105件
6月の北大西洋は海面水温が記録的な高さになった。カラーバーは1991~2020年の平均水温との比較(WMO提供)
世界はこの夏、観測史上最も暑い夏になる可能性があるという。世界気象機関(WMO)は6月が史上最も暑くなり、7月7日には世界の平均気温が最高値を更新したと発表した。ここ数年は北半球を中心に「熱波」が常態化し、干ばつ、豪雨など気象の「極端化」が顕著だ。WMOは7年ぶりに発生したエルニーニョ現象が世界平均気温をさらに高める可能性があるとの懸念を示した。
エルニーニョ現象は日本に涼しい夏をもたらす傾向にあったが、現在、日本の南方では既に太平洋高気圧の張り出しが強い。梅雨明け前から高温が続き、各地で熱中症リスクが高まっている。梅雨が明けて本格的な夏を迎えるにあたり、記録的猛暑に対する最大限の警戒が必要だ。
16年の過去最高気温を更新し、17.24度を記録
7月7日に過去最高値の世界平均気温17.24度を記録したことを示す気象庁の「JRA-3Q」データのグラフ(WMO提供)
WMOは10日、7日に記録した世界平均気温が17.24度で、過去最高値だった2016年8月16日の16.94度を0.3度上回ったと発表した。
この観測値は日本の気象庁が実施している「JRA-3Q」(第3次長期再解析)と呼ばれる観測データが使われた。WMOは日々の全球の平均気温は衛星観測データとコンピューターモデルシミュレーションとの組み合わせで確定している。今回の発表データは暫定値としながらも欧州の気象予報センターの値とも一致しているため確度は高いとしている。警戒を呼びかける意味もあり発表したとみられる。
WMOはまた、連携している欧州連合(EU)のコペルニクス気候変動サービスのデータを引用し、6月は1991~2020年の同月平均気温を0.5度上回り、過去最高値だった2019年同月の値を超えて観測史上最も暑い6月となったと発表。7月第1週も最も暑い1週間になったとしている。
6月の全球の気温を示す図(WMO提供)
WMOによると、6月と7月初めの異常な暑さは、南米ペルー沖の海面水温が上がり、世界的な気温上昇につながることが多いエルニーニョ現象が発生した時期と合致している。6月は欧州北西部が過去最も暑くなり、米国、カナダ、メキシコやアジア、オーストラリア東部でも平年より高温を記録した。一方、オーストラリア西部や米国西部、ロシア西部では例年より涼しかったとし、世界的な高温傾向も全球一律ではないという。 高温傾向をもたらしている現在の世界の気象現象について、WMOの担当者は2024年まで続くと予想しており「地球にとって心配なニュースだ」とコメントしている。
以下はリンクで、