東京大学 唐木英明 名誉教授 農学博士:
このサプリはずっと前から販売されているものですが、健康被害が出ていない。<> 突然、何か今まで想定もしなかったことが起こってサプリの中に有毒な物質が入ったのか、生まれたのか、そういったことが起こったということです。今まで飲んでいた方は心配することはないと思います。
このサプリはずっと前から販売されているものですが、健康被害が出ていない。<> 突然、何か今まで想定もしなかったことが起こってサプリの中に有毒な物質が入ったのか、生まれたのか、そういったことが起こったということです。今まで飲んでいた方は心配することはないと思います。
小林製薬、紅麹サプリで健康被害 一体なぜ? 東大教授「違ったカビが入り有毒物質を作った可能性」【Nスタ解説】(TBS NEWS DIG Powered by JNN) - Yahoo!ニュース
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小林製薬の「紅麹」を原料としたサプリメント「紅麹コレステヘルプ」により腎疾患などの健康被害が報告されています。様々な製品で使われている紅麹ですが、なぜ健康被害が出てしまったのか?その原因について考えます。
【写真を見る】小林製薬、紅麹サプリで健康被害 一体なぜ? 東大教授「違ったカビが入り有毒物質を作った可能性」【Nスタ解説】
■「紅麹コレステヘルプ」入院患者26人に 自主回収し「使用中止」訴え
熊崎風斗キャスター:
紅麹を原料としたサプリメントで健康被害が出ていて、製造元が直ちに使用中止を呼びかける緊急事態となっています。
3月22日、小林製薬が「『紅麹コレステヘルプ』を使用したことによる健康被害が報告された」という会見を行いました。
腎疾患などを発症して「むくみ」や「尿が出にくい」などの症状が出て26人が入院して、そのうち2人は一時、透析が必要な状況だったということです。
「紅麹コレステヘルプ」の他にも「ナイシヘルプ+コレステロール」「ナットウキナーゼ さらさら粒GOLD」の2商品も自主回収や使用中止を呼びかけています。現段階で、こちらと腎疾患との関連性は不明ということです。
■「紅麹」の特徴は? 用途は食品の発酵や着色など様々
では何が実際に起こったのでしょうか。
「紅麹」は米などの穀物を麹菌の一種の紅麹菌で発酵させたもので、色合いが非常に特徴です。沖縄の「豆腐よう」の発酵など様々な商品の着色料としても使用されているものです。
この紅麹に含まれる「モナコリンK」という成分がコレステロールを抑える働きがあるということで、健康食品にも使用されています。
井上貴博キャスター:
紅麹は伝統的な発酵食品で体に良いイメージありますけど、サプリメントにするのは難しいと言われていたといいます。まず紅麹について教えていただけますか。
東京大学 唐木英明 名誉教授 農学博士:
紅麹は伝統的な食品を作るために使われていたものです。もう1つは、赤い色を抽出して食品を赤く染めるために使っていた長い歴史があります。最近になって「モナコリンK」というコレステロールを下げる物質が見つかったので、これを利用して健康食品になりました。この3つの働きを持っているのが紅麹です。
小林製薬の「紅麹」を原料としたサプリメント「紅麹コレステヘルプ」により腎疾患などの健康被害が報告されています。様々な製品で使われている紅麹ですが、なぜ健康被害が出てしまったのか?その原因について考えます。
【写真を見る】小林製薬、紅麹サプリで健康被害 一体なぜ? 東大教授「違ったカビが入り有毒物質を作った可能性」【Nスタ解説】
■「紅麹コレステヘルプ」入院患者26人に 自主回収し「使用中止」訴え
熊崎風斗キャスター:
紅麹を原料としたサプリメントで健康被害が出ていて、製造元が直ちに使用中止を呼びかける緊急事態となっています。
3月22日、小林製薬が「『紅麹コレステヘルプ』を使用したことによる健康被害が報告された」という会見を行いました。
腎疾患などを発症して「むくみ」や「尿が出にくい」などの症状が出て26人が入院して、そのうち2人は一時、透析が必要な状況だったということです。
「紅麹コレステヘルプ」の他にも「ナイシヘルプ+コレステロール」「ナットウキナーゼ さらさら粒GOLD」の2商品も自主回収や使用中止を呼びかけています。現段階で、こちらと腎疾患との関連性は不明ということです。
■「紅麹」の特徴は? 用途は食品の発酵や着色など様々
では何が実際に起こったのでしょうか。
「紅麹」は米などの穀物を麹菌の一種の紅麹菌で発酵させたもので、色合いが非常に特徴です。沖縄の「豆腐よう」の発酵など様々な商品の着色料としても使用されているものです。
この紅麹に含まれる「モナコリンK」という成分がコレステロールを抑える働きがあるということで、健康食品にも使用されています。
井上貴博キャスター:
紅麹は伝統的な発酵食品で体に良いイメージありますけど、サプリメントにするのは難しいと言われていたといいます。まず紅麹について教えていただけますか。
東京大学 唐木英明 名誉教授 農学博士:
紅麹は伝統的な食品を作るために使われていたものです。もう1つは、赤い色を抽出して食品を赤く染めるために使っていた長い歴史があります。最近になって「モナコリンK」というコレステロールを下げる物質が見つかったので、これを利用して健康食品になりました。この3つの働きを持っているのが紅麹です。
熊崎キャスター:
小林製薬としては自社製品に自社の紅麹を使用しているのが約2割で、他の8割は原料商社や食品メーカーなど日本や台湾など52社に16.1トン販売しています。ですから、宝酒造の「日本酒」約9万6000本、紀文の「塩辛」2商品なども自主回収の対象になっています。こちらも現在、健康被害は確認されていません。
■健康被害の原因は? 4人の例を調査すると「同じロットの製品を使用」
では、原因は何なのでしょうか?
健康被害の原因として、小林製薬は健康被害が出た4人の症例を調査したところ、同じロットの製品を使用していたということがわかっています。
小林製薬の会見(24日)によると「製品と原料の紅麹を調べると、一部に未知の成分が含まれていた可能性が判明した。仮説段階だが、カビから作られるものがここにあるのではないか」ということです。
そこで疑われるのがカビ毒「シトリニン」です。
一部の紅麹が生み出すカビ毒で、腎疾患の原因になってきます。ヨーロッパではサプリ中の基準値を設定していて警戒されているものですが、今回、シトリニンは検出されていません。
ホラン千秋キャスター:
健康被害が出た方々は同じロットの製品を使用していたということですので、このサプリメントをずっと飲んでいる全員が何か心配しなければならないというわけではないのか、飲んだことがある人は心配した方がいいのか、どちらでしょうか?
東京大学 唐木英明 名誉教授 農学博士:
このサプリはずっと前から販売されているものですが、健康被害が出ていない。ところが2024年になってあるロットのサプリを飲んだ人だけに腎機能の障害が現れてきた。ですから、突然、何か今まで想定もしなかったことが起こってサプリの中に有毒な物質が入ったのか、生まれたのか、そういったことが起こったということです。今まで飲んでいた方は心配することはないと思います。
井上キャスター:
限られた情報の中で今考えられる原因は何だと考えますか?
東京大学 唐木英明 名誉教授 農学博士:
小林製薬の発表にもありましたけれども、何かカビ毒に似た予想もしない物質が製品の中に入っていたということがありますので、本当は紅麹だけのはずのところに違ったカビが入ってしまって、有毒物質を作った可能性があります。
問題はそれがどうして入ったのかということですけれども、健康食品、あるいは医薬品を作る現場も非常に厳重な衛生管理をしていますから、菌とかおかしなカビが入るはずがないんですけれども、今のところはよくわかりません。
■サプリメント使用者から不安の声も…「健康になるために飲んでいたのに」
熊崎キャスター:
使っている人から不安の声です。
2023年中旬から4~5袋ほど使用
「健康になるために飲んでいたのに不健康になってしまったら意味がない」
2022年から約1年使用
「病院で腎臓の数値が悪いと指摘されるも原因がわからなかった。補償されるのか不安」
小林製薬としては、体調不良を感じるなどしたら「健康相談受付センター」へ連絡してほしいと話しています。
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小林製薬としては自社製品に自社の紅麹を使用しているのが約2割で、他の8割は原料商社や食品メーカーなど日本や台湾など52社に16.1トン販売しています。ですから、宝酒造の「日本酒」約9万6000本、紀文の「塩辛」2商品なども自主回収の対象になっています。こちらも現在、健康被害は確認されていません。
■健康被害の原因は? 4人の例を調査すると「同じロットの製品を使用」
では、原因は何なのでしょうか?
健康被害の原因として、小林製薬は健康被害が出た4人の症例を調査したところ、同じロットの製品を使用していたということがわかっています。
小林製薬の会見(24日)によると「製品と原料の紅麹を調べると、一部に未知の成分が含まれていた可能性が判明した。仮説段階だが、カビから作られるものがここにあるのではないか」ということです。
そこで疑われるのがカビ毒「シトリニン」です。
一部の紅麹が生み出すカビ毒で、腎疾患の原因になってきます。ヨーロッパではサプリ中の基準値を設定していて警戒されているものですが、今回、シトリニンは検出されていません。
ホラン千秋キャスター:
健康被害が出た方々は同じロットの製品を使用していたということですので、このサプリメントをずっと飲んでいる全員が何か心配しなければならないというわけではないのか、飲んだことがある人は心配した方がいいのか、どちらでしょうか?
東京大学 唐木英明 名誉教授 農学博士:
このサプリはずっと前から販売されているものですが、健康被害が出ていない。ところが2024年になってあるロットのサプリを飲んだ人だけに腎機能の障害が現れてきた。ですから、突然、何か今まで想定もしなかったことが起こってサプリの中に有毒な物質が入ったのか、生まれたのか、そういったことが起こったということです。今まで飲んでいた方は心配することはないと思います。
井上キャスター:
限られた情報の中で今考えられる原因は何だと考えますか?
東京大学 唐木英明 名誉教授 農学博士:
小林製薬の発表にもありましたけれども、何かカビ毒に似た予想もしない物質が製品の中に入っていたということがありますので、本当は紅麹だけのはずのところに違ったカビが入ってしまって、有毒物質を作った可能性があります。
問題はそれがどうして入ったのかということですけれども、健康食品、あるいは医薬品を作る現場も非常に厳重な衛生管理をしていますから、菌とかおかしなカビが入るはずがないんですけれども、今のところはよくわかりません。
■サプリメント使用者から不安の声も…「健康になるために飲んでいたのに」
熊崎キャスター:
使っている人から不安の声です。
2023年中旬から4~5袋ほど使用
「健康になるために飲んでいたのに不健康になってしまったら意味がない」
2022年から約1年使用
「病院で腎臓の数値が悪いと指摘されるも原因がわからなかった。補償されるのか不安」
小林製薬としては、体調不良を感じるなどしたら「健康相談受付センター」へ連絡してほしいと話しています。
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