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答えは現場にあり!技術屋日記

還暦過ぎの土木技術者のオジさんが、悪戦苦闘七転八倒で生きる日々の泣き笑いをつづるブログ。

〈私的〉建設DX〈考〉その6 ~ ケータイのメタモルフォーゼ

2024年06月13日 | 〈私的〉建設DX〈考〉

ケータイからスマホへ

ここで、いったん建設DXという枠から外へ出てみます。
デジタルテクノロジー(ツール)がどのようにして世の中を変え、デジタル・トランスフォーメーションを引き起こしたかについて考えるとき、その代表的な例として思い浮かぶのがスマートフォンです。

そうそうそういえば一昨日のことです。職長のGoくんと同じセミナーを聴講した帰路、会場から出るか出ないかぐらいのタイミングで彼がこう言いました。

「イチバンはスマホの進化なんですよね・・・」

たしかに。得たりと膝を打ちました。
ぼくもまたそのセミナーで受信したことは数々あったけれど、スマートフォンをどうやって仕事に活かせるかがキーポイントだな、という思いを抱かされたセミナーではあったからです。


スマートフォン以前ーーー今から思うと、ビフォースマートフォンとかアフタースマートフォンとか名づけてもよいぐらい、スマホの出現は画期的でしたーーー携帯電話はまさしく読んで字のごとし、モバイルな電話機でした。たしかにそれはインターネットにはつながるし、メールという形式で電子データ化したテキストメッセージをやり取りすることはできた、そしてカメラとしても使えるという画期的なものではありましたが、それらはすべて、電話という主機能に付属するものとして存在するにすぎませんでした。

その機能が大幅に拡張されるキッカケとなったのがiPhoneの登場です。インターネットへのアクセス、地図アプリなど様々なアプリケーションの利用、カメラ機能の向上などが進み、ユーザーはデジタル情報をより多くあつかえるようになりました。やがて、テキストや画像の双方向コミュニケーションが、メールでのやり取りからSNSに移ると、コミュニケーションツールとしての活用が進み、「いろんな機能が付属した電話」は、「電話もできる超小型PC」へと変貌を遂げました

そこに至ってスマートフォンは、単なるデジタルツール以上の存在となります。モバイルバンキングやモバイルペイメントが普及し、相当数の銀行業務が店舗からスマホに移行し、オンラインショッピングの普及によって消費者行動が大きく変わるなど、あらたなビジネスモデルが次々と生まれてきました。社会全体がデジタル化へとシフトする過程での主たるツールがスマートフォンだったと言っても過言ではないでしょう。


キングオブDX

さて、その進化にとって重要な位置を占め、欠かすべからずものであったインターネットの場合はどうでしょうか。というより、そもそもインターネットの存在がなければ、「ケータイ」がスマホには成り得なかったのは自明のことです。

インターネットの初期段階もまた情報のデジタル化からはじまりました。紙の書類などのアナログ情報を手紙やFAXでやり取りしていたものが、電子データ化されたものを、メールなどインターネットを介した手段で情報を迅速かつ広範に送受信することが可能となりました。
その後、回線速度が向上すると同時にウェブサイトが一般的となると、オンラインショッピングやバンキングが誕生し、クラウドストレージやSNSなどのインターネットを活用したサービスが普及しました。オンライン書店で販売された電子書籍を端末で読むという読書スタイルが広がり、音楽や映画もデジタル配信されるようになるなど、消費者はデジタルプラットフォームを通じて商品やサービスを利用できるようになりました。

その結果(というか未だに途中経過なのでしょうが)、eコマース、サブスクリプションモデルの台頭など、あらたなビジネスモデルが生まれ、SNSの普及により友だちや家族、あるいはビジネスでのコミュニケーションの方法が大きく変わり、コロナ禍があいまって、オンラインコラボレーションツールによるリモートワークで働き方も教育も変わりました。

あらためてこう列挙してみると、まさにザッツ・DX、DX's DX、キングオブDX、てな感じで、事ほど左様に、ぼくたちの暮らしやビジネスなど、社会全体に大きな変革をもたらしたのがインターネットなのです。

(なんだカタカナばっかりじゃん)
(と徐々に気分がふさぎ気味になるぼくなのですがつづけます)

とはいえ、インターネットをその対象として考えていくと、あまりにスケールが大きく広範になりすぎてしまうようです。なので、上に挙げたデジタルテクノロジー(ツール)から2つほどを例にとって、デジタル三段跳びになぞらえてその進化のプロセスを見てみることとします。


DXへと至るパターンは一様ではない

まずひとつめにeコマース。平たく言えばネット通販です(じゃあ最初から平たく言えよ、というそこのアナタ、おっしゃるとおりです。単に呼びなれない言葉を使ってみたかったんです。あやまります。ゴメンナサイ、)。
第1段階として従来の紙ベースのカタログと電話注文が、デジタルのオンライン注文システムに移行しました。そのあと、複数の支払い方法、商品レビューシステム、ワンクリック購入などが導入されて、プラットフォームが成長していきます。そして現在、たとえばAmazonは、たとえばぼくがどのページを見て何を買ったかという膨大なデータを分析し、ぼくへのおすすめ商品を表示し、Amazonプライム会員であるぼくには、特定の商品がすぐに届いたり、映画や音楽を楽しめたりするという特典があるよ、というビジネスを展開しています。それによってぼくは、人口1200人ほどの山村にいながら、自分の欲しいものを必要なときに手に入れることができる(あくまでも持ち金との相談ではありますが)という、かつては想像もつかなかった環境にいます。その是非はどうとるかは人それぞれでしょうが、ぼくはそれをまちがいなく恩恵だと感じて暮らしています。

次にリモートワークによる働き方の変革です。
まず、オフィスで使っていた紙の文書や資料がデジタル化され、インターネットを使ってGoogleドライブやDropboxなどのオンラインストレージに保存・共有されるようになりました。それは、キャビネットに入れていた紙の書類を、PCを使ってインターネット上の棚に置いているようなものであり、利用者は、インターネットにつながってさえいればどこにいても同期するそのデータを、どの端末からでも取り出せるようになりました。
さらにその後、リモートワークのためのツールが導入され、ビデオ会議を行ったり、さまざまなアプリケーションによってデジタル化したプロジェクト管理ができるようになりました。ここまでは、けっして特殊なものではありません。さすがにフツーとは言いませんが、ちょっと進んだ企業の現在地です。そこから先は、ぼくにとってはまだ未知の領域ですが、今の先端企業がそうであるように、仮想現実の世界で会議をしたり、AIがプロジェクト管理の手助けをしたり、というようになるのかもしれません。


こう見ていくと、どれもがまず、デジタル化がスタート地点にあるのは言うまでもありませんが、それが劇的変化を遂げるパターンは一様ではないようです。
たとえば「ケータイ」から「スマホ」へ。これは変化というよりは「変態」と呼んだ方が適切でしょう。変態=様態をすっかり変えてしまう=メタモルフォーゼです。
しかし、たとえばeコマースやリモートワークがそうであるように、斜め上を行く発想であったり、また、異なる切り口からのアプローチであったり、あるいはパラダイムをシフトすることで変革をもたらしたような例もあります。

ということで、次回はそんな切り口から攻めてみようと思います。



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