2022年6月21日(火)
北半球は夏至、早くも。
昼の長さが最長となるこの日に寄せて、先月からとってあった切り抜きを貼りつけておく。
愛媛新聞 2022年5月5日(木・祝)
宇宙太陽光発電はなるほど魅力的で目のさめるような話題だが、僕にとっては旧聞に属する。高校時代の友人 ~ ときどき思い出話のネタに使うRという異能のワカモノが、あるときこれに言及したうえで「だけどダメだ」と切って捨てたのである。
「本来地球に到達しないはずの太陽光をとりこむのだから、地球に降り注ぐ太陽光が増すのと同じことだ。必然的に大気の温度が上昇し、生態系が壊れてしまう。」
この言葉を聞いたのは1976年頃で、今は誰でも知る二酸化炭素の温室効果も専門家以外に語る者は少なかった。Rの博識と斬新な発想にはしばしば驚かされたが、この時も二歩先を行っている感じがした。宇宙太陽光発電の可能性に想到することで一歩、その問題点に気づくことでもう一歩、おそれ入谷の鬼子母神である。
念のために言えば、この件は温室効果とは別の問題である。宇宙太陽光発電によって獲得され、地上に転送された電気エネルギーはさしあたり「カーボンニュートラル」であり、それがこの壮大なプロジェクトの今日的な魅力でもある。しかし、得られたエネルギーを使用するその後の過程で熱を発生することは避けがたく、必然的に気温上昇を招くというのがRの理屈だった。
気温の問題だけでなく、地球上の物理化学および生命現象の最大のエネルギー源である太陽光入力の量が大きく変動すれば、環境バランスを崩さずにはすまない……気がする。
そのあたりはどうなんでしょうね?
そしてR君、その卓越した頭脳をキミはいま何に使ってるの?
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切り抜きを、ついでにもう一つ。「ののちゃん」で久しぶりにうなった。
朝日新聞 2022年6月15日(水)
「着いたところが 目的地」というジャブに続き、
「育った子が 育てた子」
アッパーが急所に決まって一発KO、ぐうの音も出ない。
おそれ入谷の鬼子母神、その2である。
(… 山野しげ『名言録』は実在?読んでみたいがネット検索に引っかかってこない)
Ω