散日拾遺

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A院長の熱中症対策

2020-09-10 08:07:53 | 日記
2020年9月9日(水)
 「真理への畏敬」の話を進める前に、ちょっと寄り道。
 地域医療の前線で精力的に活躍している、AクリニックA院長のA通信最新号から転載。A君の偉さを今年再発見するところがあった。コロナ禍で医療機関が軒並み防衛に走る中、A君は受診する患者さんをいっさい断らず選別もしなかった。彼のクリニックでできる限りの対応をし、より高度の診療が必要と判断すれば、断られ続けながら手を尽くして転院先を打診し続けた。
 彼はそれを苦とは思っておらず、毎日のランニングを楽しむのと同じように坦々と持ち場を守っている。これが臨床医の標準となるなら、日本の医療の将来に落胆する必要は少しもない。
 やりさえすれば普通にできることをA君自ら示してくれた訳だが、しかし彼の熱中症予防法は普通の人にはできないかな。その点では、普通じゃない人なのだった。

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 クリニックからの話題です。ご一読下さい。(院長A、2020年9月発行)

【コロナ第2波】
 コロナ第2波は予想通りに来ました。国はGoToキャンペーンを正当化するために「第2波ではない」と言い張っていますが感染症専門家は明らかに第2波と公言しています。最近はコロナ感染後の後遺症のことが騒がれています。コロナにかからないことが一番大切であり、自粛解除になってはいますが人混みを避けることが必要です。

【ポピドンヨード(商品名イソジン)のうがいはコロナに効く?】
 大阪府知事が「ポピドンヨードうがいでコロナウイルスの量が減り、重症化を防げる」という趣旨の発言を8月初めにTV番組で行ったところ、お客さんが殺到して薬局からイソジンガーグルさらには皮膚消毒用のイソジンまでが一時的に消えてしまいました。コロナ対応で注目されていた人気知事の影響には驚きましたが、デマのような情報に簡単に流されてしまう一般の方の動向も衝撃的でした。
 うがいが全ての感染症の予防として有効であることは確かですが、うがいは水によるもので十分ですし、イソジンが特に効くわけではありません。ましてやコロナの治療・予防に四苦八苦している現状で、イソジンのうがい程度が効くはずがありません。ガーゼがマスクの原料になるからということで、マスクが足りなくなった時にガーゼまで薬局から消えてしまったことと同様の現象に、我々医療機関側も困っています。正しい情報を選んで良識ある行動をお願い致します。

【A院長の究極の(?)熱中症予防法】
 昨年以上の猛暑で救急搬送、さらには死亡者のことが連日ニュースになっています。死亡者はクーラーをつけていなかった70歳以上に多いとのことで、クーラーを必ず使うようにと呼びかけられています。
 私自身は、熱中症予防は「暑さにからだを慣れさせる」ことに尽き、逆説的ですがクーラーを使わないことが最善と考えています。クーラーの下ではのどが痛くなったりするので、クーラーを使わないことで風邪予防にもつながる一石二鳥の効果もあります。自宅ではクーラーを使わず窓を全開にし、扇風機を回して首に保冷剤を巻いて、暑い暑いと言いながら過ごすことが私の熱中症対策です。日頃からランニングもしますが、ペースを落として暑い日中でも走ることを続けています。 
 ただし私個人の方法ですので、他の方は決して真似しないで下さい

【帯状痕疹予防に水痘ワクチンを】
 暑くなって、痛みを伴ったひどい発疹で帯状疱疹と診断される方が増えています。免疫力が落ちると帯状疱疹を発症し繰り返すこともあり、この病気で命を落とすことはありませんが、高齢者では大変にやっかいなものです。皮疹が治った後も痛みが続く帯状疱疹後神経痛もきたします。帯状疱疹の予防手段としては、自費になってしまいますが水痘ワクチンの注射が効果的であり、当院でも注射を行っています。注射による副作用はほとんどありません。当院では50歳以上のスタッフは全員注射を受けています。50歳以上でご希望の方はワクチンをお取り寄せします。

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