京のおさんぽ

京の宿、石長松菊園・お宿いしちょうに働く個性豊かなスタッフが、四季おりおりに京の街を歩いて綴る徒然草。

京の水

2015-01-25 | 京都案内

京の街にはあちこちに湧水があります。私どもでお豆腐を購っております、嶌本豆腐店さんもこの水を使ってお豆腐を作られており評判です。伏見のお酒もこの水があるからこそ美味しいお酒ができるのかもしれません。千利休の茶の湯にも使いました。京の文化、産業を育み、千年の都を支え、今に水に因んだ地名を残すこの清き水、地下に伏流水が流れてそこから湧いてくるのですが、実は京都盆地の地下に琵琶湖に匹敵する貯水量を持つ「京都水盆」と名付けられた地下ダムが存在するからと言われております。この清き水の文化、次の世紀へも残したいですね。

今の京都の水を賄うのは伏流水だけではありません。関西の水瓶、琵琶湖からも恩恵を受けております。明治になって、琵琶湖から水を引く事を計画。まずは第1疎水が、次いで第二疎水が完成し現代の京都の町の基礎ができました。蹴上で合流した疎水は岡崎を抜けて川端へ出ます。ここから南へ伸びて墨染へ出た後放水路を通って伏見濠川、新高瀬川へと流れ込み、これらの川は宇治川へと流れ込みます。また、この琵琶湖から導かれた水は疎水分線を使って北は松ヶ崎浄水場、導水トンネルを使って南の新山科浄水場、西の山之内浄水場へ運ばれ、人々を潤わせます。

疎水沿いには桜が植えられており山科疎水沿い、岡崎の疎水沿いは有名です。伏見墨染ダム周辺、北白川疎水分流沿いは桜の穴場かもしれません。哲学の道の横を流れる川も実は疎水分流。また蹴上にはインクラインが形態保存され、南禅寺にあり、現在も使われている煉瓦造りの水路閣が、観光ポイントなっております。
 

  

さまざまに水の恩恵を受ける京の街は、水の都と言っていいかもしれませんね。この春は水の京都をお訪ねください。


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