寒に入り、京都もグッと冷え込んできました。
冬本番といったところでしょうか。
そんな冬のさなか、毎年催されるのが、京の冬の旅キャンペーン。
普段は非公開の寺院や寺宝などが、この機会だけお目見えするとあって、毎年盛況のようです。
今年は、大河ドラマの主人公が坂本龍馬ということで、主に幕末の史跡などの特別公開を行っています。
当館も木戸孝允ゆかりの宿ですが、京都には幕末の史跡が多くあります。
江戸幕府の開府以来、日本史の主舞台は、江戸でした。
幕末に至り、ようやくそれを京都に取り戻したのです。
幕末というのは、2010年という現在においては、遠いようで、近い歴史。
黒船の来航から150年ほどしか経っていません。
私たちが先祖をさかのぼっていって、人物を確定できる範囲の話です。
それだけに、確定できる史跡の数も多いわけでもあります。
その多くは、京都随一の繁華街である河原町の三条や四条の周辺にあります。
龍馬がらみでいえば、暗殺の地である、近江屋の跡や、海援隊の京都での拠点であった材木商・酢屋。
後者は、今も材木商を続け、その名を残しています。
一方前者は、今は石碑が残るだけで、 コンビニエンスストアとなっており、面影はかけらもありません。
行ってみると残念な気持ちになったりもしますが、これも時の流れというものなのでしょう。
他にも、池田屋跡や、土佐藩邸跡、長州藩邸跡などが、この辺りにあります。
しかし、どれも石碑などが残るだけで、今はその面影をほとんどとどめておりません。
寂しい話ですが、これもかつて都だった京都の宿命といえるのではないかと思います。
歴史の流れに逆らわず、新しいものを取り入れ続け、今に至るわけです。
幕末の史跡などは、場所を確定できるだけ、まだマシといえるかもしれません。
少なくとも、この場所がそうだったのだと、想像を巡らす手助けになるでしょうから。
そうやって想像を楽しむことが、京都観光の真髄かもしれません。
もちろん、河原町周辺ではないですが、新選組の駐屯した八木邸など、当時のまま残っているものもあります。
それほど時を経ていないので、それ以前の時代よりは、その数も多いです。
それはそれで、身に迫るものを感じさせてくれるので、良いものです。
”あいらんど”