京のおさんぽ

京の宿、石長松菊園・お宿いしちょうに働く個性豊かなスタッフが、四季おりおりに京の街を歩いて綴る徒然草。

3月3日は耳の日

2012-02-26 | インポート

 

 

 いや、もちろん、3月3日といえば、雛祭り。

 男の子にとっては、嗚呼憧れの雛あられ。

 あのぱふっととした、ほんのり甘いあられを食べるのが、楽しみだった。

 「ぱふっとした」って言葉、あるだろうか。

 

 まあ、要するに、花より団子。

 お飾りなど、大して興味がない。

 お内裏様とお姫様の顔がどうだとか、無関心。

 たいていの男の子は、そんなもの。

 

 大人になってみると、何かしらの意味があるのだな、と、まあ思ったりもする。

 雛祭りの歴史に思いを馳せてみる。

 雛祭りの発生は、一説には、穢れを移した人形<ヒトガタ>を川に流したことが始まりともいう。

 これがひいな遊びといわれた女の子の人形遊びと結びついたのが、今の雛祭りと言われている。

 まあ、そんな歴史よりも、やはり団子だ。

 京都では雛祭りにばら寿司を食べる習慣がある。

 引千切<ヒチギリ>という和菓子を食べる習慣もある。

 蛤を食べる習慣もある。

 蛤は、夫婦円満の象徴で、つまり、将来女の子が良き伴侶を得るための縁起担ぎというわけだ。

 

 食べ物の話ばかりでもなんなので、雛祭りの行事の話を一つ。

 宝鏡寺というお寺がある。

 それほど大きくない、普段はひっそりとした、というか非公開のお寺。

 そのお寺が、年に2回、春と秋に一般公開される。

 春はこの雛祭りの時季にあわせて公開される。

 その理由は、この寺の別名の聞けばすぐに分かる。

 宝鏡寺は人形寺とも呼ばれているのだ。

 古くなった人形を引き取り、人形供養をしてくれるお寺である。

 もともと尼門跡のお寺、つまり、皇族など、偉い人たちの御息女などが住職を勤めたお寺である。

 人形と結びついたのも、そんなところに理由があろう。

 毎年春の一般公開では様々な雛人形が展示される。

 皇族由来のもの、地方独特のものなど、古今を問わず、人形を展示している。

 なかなか壮観である。

 三十三間堂の千体仏像にも匹敵する、といえば大袈裟か。

 そうそう、三十三間堂といえば、3月3日は無料で入れる。

 三十三はアラビア数字で表せば33で、なるほど、というわけだ。

 その日、女性には桃のお守りが授与もされる。

 ぜひお訪ねになられてみてはいかがだろうか。

”あいらんど”

 

 

 

 

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