京のおさんぽ

京の宿、石長松菊園・お宿いしちょうに働く個性豊かなスタッフが、四季おりおりに京の街を歩いて綴る徒然草。

新緑と沙羅双樹(夏椿)の鹿王院

2021-06-25 | 京だより

右京区嵯峨にある鹿王院(ろくおういん)。
開基(創立者)は足利義満、開山(初代住持)は春屋妙葩(しんおくみょうは)の臨済宗単立寺院。
山門には義光の筆になる「覚雄山」の扁額がかかります。



境内には客殿、茶室、本堂、舎利殿が回廊で繋がっています。
金閣寺そっくりの舎利殿は工事中で残念ながら雄姿を見る事ができません。
鹿王院は天龍寺や竹林などの嵯峨・嵐山人気スポットとは少し離れた場所にあるためあまり観光客が立ち寄らない隠れた新緑、紅葉スポットです。
今は山門から中門にかけての参道は青もみじや新緑が美しく、訪れる人も少ないので静寂感に包まれます。



今回訪れたお目当ては沙羅双樹(夏椿)。
回廊の近くには小さな沙羅双樹がありますが、やはり客殿前の枯山水庭園の奥で咲き誇る沙羅双樹。

 

 

客殿の廊下に座って眺めますが、運良く許可を得て普段は入れない場所でこの大木を見る事ができました。
沙羅双樹(夏椿)は朝咲き夜に散る一日花。



ところで、沙羅双樹とは仏教において三大聖木と呼ばれる樹木の一つで、インド原産。
高さ30mにもなる熱帯常緑樹で耐寒性が弱く日本では自生しません。
日本で見る事が出来るのは「草津市立水生植物公園みずの森」だけだそうです。
京都府立植物園の観覧温室にもありますが一度も花が咲いたことが無いそうです。
日本で沙羅双樹というのは夏椿の事。
京都で沙羅双樹(夏椿)で良く知られている寺院はほかに、妙心寺塔頭東林院、真如堂があります。
東林院では「沙羅の花を愛でる会」という催しがあります。
当館から鹿王院へは、地下鉄で京都市役所前乗車、太秦天神川で京福電車に乗り換えて鹿王院駅下車すぐです。

京都好き男 細木