腐った林檎の匂いのする異星人と一緒
34 ゲーム(STAGE43 ふりむくと)
夜道の風雅
ふりむくと そこには
溜息が ひとひら 止まっていました
昨日までは 泣いて 駆けた 夜の小道よ
みつめると そこから
春風が 瞳を 襲ってきました
明日からは まろく かろく まろく かろく まろくか
ちかづくと そこでは
思い出が ひとりで 踊っていました
今夜だけは許す 許す きみを許そう
いつか そんな日が来ると
おねえさんが 言っていました
腐った林檎の匂いのする異星人と一緒
34 ゲーム(STAGE43 ふりむくと)
夜道の風雅
ふりむくと そこには
溜息が ひとひら 止まっていました
昨日までは 泣いて 駆けた 夜の小道よ
みつめると そこから
春風が 瞳を 襲ってきました
明日からは まろく かろく まろく かろく まろくか
ちかづくと そこでは
思い出が ひとりで 踊っていました
今夜だけは許す 許す きみを許そう
いつか そんな日が来ると
おねえさんが 言っていました
腐った林檎の匂いのする異星人と一緒
34 ゲーム(STAGE42 無足歩行)
あなたはおばあさんのミシンに潜り込む。体を左右に揺らすと、ミシンは浮き上がる。
海を越え、虚栄の町に近づくにつれ、ミシンは徐々に重くなり、やがてただのミシンに変わる。
ストン。
ミシンから出る。
あなたの視線は低空を舐めるように移動する。あなたに足はない。しかし、あなたは歩いている。
どこからともなく、おばあさんの声がする。
「おまえは何のために帰るのかい? 帰って、どうするのかい。あの虚栄の町にいて、許せるのかな、あの人を? あの人を許せなければ、また同じ退屈な不満だらけの日々を繰返すことになるんだよ」
許せなければ、あなたは戻ります、水曜日の昼下り、あるいは木曜日の遅い朝へ。
「あの人って?」
「さあね。私はあなたじゃないからさ」
「あの街路樹の下で私を見つけられなかった人……」
「あるいは、もう一人のあなた」
おばあさんの声は哀れむように徐々に細くなり、やがて諦めたのか、聴こえなくなる。
あなたは考える。考えるふりを続ける。
長い間。
振り向いて、誰にともなく、ゆっくりと頷くあなた。
腐った林檎の匂いのする異星人と一緒
34 ゲーム(STAGE41 おばあさんの歌)
しじま
朝 まだき しじまの中を
昇る朝日は あなたの寝顔に
何が変わったの あなた
変らないあなたに 変わったのね