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組み込まれたエンジニア

我輩は石である。名前はまだ無い。

タッピングトーンの調整

2005-09-26 09:35:35 | バイオリンキット
昨夜、バイオリンの表板のタッピングトーンの調整を行った。
まだバスバーはつけていないが、つけるとスクレーパーで削りにくいので、
つける前の音を概略合わせるのである。

ただ、問題は板をたたいても音程なんて聞き取れないのである。
特に5度違いの音程は難しい。

表板は3mm厚くらいに一様に削るとモード1のタッピングトーンは
大体Aの音(110Hz)近辺になるらしいという情報だけを頼りに探すが、
B♭なのかFなのかは聞いても分からず、どちらにも聞こえる(笑)

この厚さでFになっているわけないと想定し、少しずつ削っては
音を確かめる。確かに、剛性を減らすように削ると音は下がるねぇ。

まだあまり削っていない気もするのだけれど、なんとなくFになってきた
ように聞こえるので、とりあえず、ここで削るのをやめる。
(削りすぎた裏板のこともあるし)

リムについた裏板もたたいてみたが、こちらはF#みたい。
リムがついているから本来の音とは違っているはずなのだが、
どこかにリムについた裏板のタッピングトーンを記載している
情報があったらいいのにと、勝手なわがままを言う。
(そもそもキットを買う人はこんなことしないだろうし、
全部作る人は普通にタッピングトーン調整ができるので、
こういった特殊な情報など得られるとは思えないよな)

裏板をたたいたら、どこからかビビリ音が聞こえるので、隙間が空いているらしい。
昨日はどこに隙間があるのか分からなかったが、今朝見たら
裏板の接着が外れている場所が見つかった。
ボンドをスクレーパーにつけて隙間に塗り、クランプで押さえ中。

こののんびりペースでいつになったら完成することやら・・(笑)

バイオリン裏板削りすぎ

2005-09-24 11:11:05 | バイオリンキット
彫刻刀での板削りをやめて、スクレーバーで引掻くように削り始めた。
スクレーバーってのは、要するにエッジが立った鉄板なのであるが、
これが思いのほか良く削れる。

で、調子に乗って彫刻刀で削ったリム付近の側面を滑らかにしたり、していたのだ。

使っているスクレーバーは幅10cm程度の結構大きめで持ちやすいが、
細かな作業はやりにくい。
リムに近いところをエッジを立てて削っていたところ、
裏側に何かいやな感触が・・・

実は、エッジ付近を削っている途中か、センター付近を
表の傾きにあわせて削っていたときかにスクレーバーの歯が
必要外の部分を削っていて、その部分だけ削りすぎてしまったのだ。

削り足りないのは削ればいいのだが、削りすぎた板はどうしようもない。

う~ん、どうしよう・・

考えても、削りすぎた板は戻ってこないので、このまま組み立てるか、
それとも、裏から楓の薄板をニカワで補強すれば大丈夫かな・・

削りだしバイオリン

2005-09-20 00:33:34 | バイオリンキット
写真は製作途中のバイオリンと使用している冶具類である。
バイオリンの上に乗っているのは今日作った板厚測定冶具である。

バイオリン裏板の下のほうが少し削れているのが分かるだろうか?
ストラディバリウスはこの領域を大体2.6mm程度に製作している。
ただ、この厚さ、表が大きくカーブしていることから、
裏もそれに合わせて削る必要があり、一筋縄ではいかない。

また、本来はタッピングで音を調整するのが筋だが、見て分かるように
このキットには最初からリムが接着されているので、タッピングは
できないので、厚さだけでもそろえようという魂胆だ。

最初に削る量の検討をつけるため、板厚を測ると、約4mm程度あった。
1.4mm削る計算になるが、この削りだし、思わぬほど大変だった。

まず、リムが邪魔をして思った方向からノミを入れられない。
相当削ったつもりでいても、測るとほとんど進んでいないなど
消耗戦を続けている。
今日は、もう汗だくクタクタになってしまったので、おしまい。

もう少し良いノミがほしいねぇ・・


バイオリンキット製作 続き

2005-09-13 22:13:15 | バイオリンキット
明日からの出張を前に、時間がかかるライニングの補修をしようと試みる。
前に書いたように、クランプの数は足りないので、最初は手をつけるつもりは
なかったのだけれど、ふと手持ちの工具類を見ていてピンチを使おうと思いついた。

ピンチを普通に止めただけでは下側のライニングには力がかからないので、
写真のような形にして、十分力がかかるようにする。

これで、出張から帰った頃にはボディの下側は本来キットが提供すべき
状態にはなっているはず(笑)

次の工程は、裏板の厚さ調整である。

ストラディバリウスの板厚にあわせて削っていくのであるが、
この調整にはリムが接着された裏板の板厚を0.1mm単位で
測るという難関が待ち受けている。
こんな測定のための工具は市販されていないので、
(実はアメリカにはあるのだが高い!)
自分で作るのである。
これように買ったはずの隙間ゲージがあまりに乱雑な部屋のどこかに
入り込んだらしく見つからないので、工具の製作はそれが見つかってから
ということになるだろう。

バイオリンの響版の調整の方法であるが、
本来は少し厚めに削っておいて、タッピング音で調整をつめるのである。
ところが、何しろ裏板はすでにリムに接着されていて、タッピング調整はできない。

モールドがないので、リムからはずす分けにはいかないし、
目をつむって、ストラディバリ通りに作るのが今のところ最善だろう。

表板は、タッピング調整が可能なので、どうするかは後々検討予定。

バイオリンキット製作中

2005-09-12 08:59:16 | バイオリンキット
芸術の秋である
と、何の脈絡もないが、しまい込んでいたバイオリンキットの補修にかかる。
ダイソーとホームセンターを回り、必要な材料と工具、
専用冶具を作るための材料など色々買い込んだ。

補修というと、何か失敗したのかと思われるかもしれないが、
このキット、到着時点で思い切りあちこち不完全なのである。

パーフリングの溝の深さは場所によりまちまちだし、



リブのライニングはあちこち隙間だらけだし、


極めつけは、ボディ内部のトップブロックとボトムブロックは
裏板から1mm程度浮いた状態になっている。



ライニングは接着すればいいし、パーフリングは溝を掘ればいいのだが、
トップブロックとボトムブロックは、そもそも普通のバイオリンの工程を
たどれば寸足らずのブロックなどできるはずがないので、多分、モールドなど
使わず、ブロックを個別に切り出しておいて(といっても、サイズくらい
合わせるのが普通だろう・・)、リブを裏板につけるときに一緒に
張り合わせただけなのであろう。

トップブロックはネックジョイントを支えるので、隙間が大きいと
まずいと思ったのか、ご丁寧にパテで埋めようとした後がある(笑)

というわけで、まずはトップブロックの補修である。
 まずは、トップブロックのパテをドライバーとスクレイバーで掻き出し、
表面をきれいにする。
 次に、隙間にちょうど合うように、シダー(ただの杉である 笑)の
木片をナイフで削り、収める。
 この木片の両面に木工用ボンド(本当はニカワを使いたかったが、
ホームセンターには売ってなかった)を両面につけ、接着
 クランプで押さえて、しばらく放置(写真)

という、一連の作業を行う。ボトムブロックも同じように補修するが、
木片を削りすぎて、ぴったり収まらないので、昨日はここまでで
終了。

ライニングの隙間は2箇所塞いだが、クランプの数が少ないので、
作業はスローペースにならざるを得ない。

今週は、出張続きなので、またしばらくキットは寝かせておこう。
(いつ完成することやら・・ まだまだ長く楽しめそうである)