ポエ活

村田活彦 a.k.a.MC長老のブログ。ポエトリー・スラム・ジャパン代表。ラップスクール2期生。

『六ヶ所村ラプソディー』もしくは、暮らしの中で原発を考えるということ。

2013年06月11日 23時23分45秒 | 映画・アニメ・動画

先週のことなんですが、
ずっと気になっていた映画
『六ヶ所村ラプソディー』観て来ました。
使用済み核燃料再処理工場のある
青森県六ヶ所村の人々に取材したドキュメンタリー。
公開は2006年3月ですから震災、原発事故の5年前です。


監督の脱原発、持続可能なエネルギーへの転換というメッセージは
明確に打ち出されています。
ただ、この作品の軸になっているのは
声高な主張というのではなく、
六ヶ所村の人々ひとりひとりの話に真摯に、
優しさを持って耳を傾けていることだと思います。


好むと好まざるとに関わらず、
六ヶ所村に生きることは核と共に生きること。
たとえば日本原燃の下請け会社で働きながら
3人の子どもを育てているシングルファーザーの
「子どもに飯食わせるためなら何でもやる」というひと言は、
子どものいない私にさえ重く響きました。

そこから浮かび上がってくるのは、
彼らがそれぞれの生活のなかで
ギリギリの選択をしているということ。
そしてそれは観ている私たちも人ごとではなく、
原発、核燃料の問題を自分自身の問題として
向き合い、考え、選択すべきだろうという問いかけ。


(いや、取材された人のなかでひとりだけ、
「人ごと」としてしか考えていない人物がいた。
東京大学工学系大学院教授・班目春樹。
そう、原発事故当時の原子力安全委員会委員長だ。
放射性廃棄物の最終処分場について
「最後は結局金でしょ」
「2倍払います、10倍払いますということで決まる」と
笑いながら言い放った、その軽薄さを私は忘れない)


私が観たのは、溝ノ口近くの
小さなコミュニティスペースでの自主上映会でした。
近所のお母さん方が中心になって企画したそうです。

1~2歳の子どもらと一緒に床にすわって、
たまにじゃれたりしながら(笑)この作品を観る、
そのシチュエーションはまさに
「暮らしの中で原発問題を考える」ことを実感できて、
貴重な経験でした。


今週末まで、各地で
『六ヶ所村ラプソディー』自主上映会が集中的に企画されています。

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