囲碁ファンとしては、若手の台頭は大いにうれしいことです。
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囲碁ニッポン、復権なるか 「打倒中韓」へ若手特訓
朝日新聞 2014年4月14日15時59分
囲碁の世界戦で中国と韓国に後れをとっている日本が、巻き返しに本腰を入れ始めた。江戸時代の黄金期、時の名人が「国技」とまで称し、長く世界に君臨してきた日本の復権は成るか。カギは若手の育成だ。
毎週火曜、東京・市ケ谷の日本棋院の一室に若手棋士が集まり、碁盤を囲む。盤上の黒と白の配石は、そこから唯一絶対の正解手順を求める詰碁(つめご)の問題だ。「やるなら、今」の思いで命名した「今(いま)研究会」には10~20代を中心に約30人が参加。世界戦を意識して研究メニューを作り、詰碁のほか1手20秒の早碁(はやご)も重視する。
日本の主要タイトル戦は持ち時間8時間だが、世界戦は3時間が主流。考慮時間が乏しくなる中終盤のミスが勝敗を分ける。「中韓の棋士は速く、正確に読む力がすごい。日本もそれを意識して訓練する必要がある」。会を主宰する張豊猷(ちょうりゆう)八段(32)は言う。
世界戦はかつて日本の独壇場だった。しかし1990年代半ばに韓国が台頭。近年は中国が急伸し、昨年の主要7棋戦のうち六つを制した。
片や日本は、昨年のテレビ囲碁アジア選手権で井山裕太六冠(24)が優勝したが、他の棋戦は最高で8強止まり。今年3月の百霊杯世界囲碁オープン戦ではアマ3人を含む17人全員が予選で敗退し、本戦シードの結城聡十段(42)ら3人もすべて初戦で敗れた。
中韓と日本の際だつ違いは、主力棋士の年齢層だ。昨年の世界戦で優勝した中国の6人は16~23歳。一方、日本の挑戦手合で井山六冠が年下と戦った例はこれまでない。
「『かなわない』という相手はいない。しかしすべて勝ち抜いて頂点に立つのは容易でない」と井山六冠。海外には井山クラスの打ち手が何人もいるのだ。
世界に対抗すべく日本棋院と関西棋院は昨年5月、ナショナルチーム「GO・碁・ジャパン」を発足させ、井山六冠ら実力上位30人を選んだ。ポイントは、別に10代の棋士ら24人の「育成枠」を設けたことだ。有望な棋士を集め、重点的に鍛える。
週末の夜、普段はなかなか対戦もかなわないトップ棋士とインターネットでぶつかり稽古を重ねる。棋士の拠点は東京、大阪、名古屋に分かれるが、ネットならどこでも対局できる。
昨年12月27~30日には、年末の休み返上で浜松市で合宿した。約20人が参加し、チームのコーチ兼選手の元名人、張栩(ちょうう)九段(34)らとともに、朝9時から夜10時まで囲碁漬けの時を過ごした。「負けてばかりですが、トップ棋士と打つのは、すごい刺激になります」と、藤沢里菜二段(15)は話す。
今年に入り、若手の急伸を示すニュースが相次ぐ。一力遼七段(16)は史上最年少で棋聖戦リーグ入りを果たし、本因坊戦では伊田篤史八段(20)がリーグ優勝し井山六冠への挑戦を決めた。一力七段はナショナルチームのメンバー、伊田八段は育成枠でトップ棋士に鍛えられた。
七大タイトルで初めて年下の挑戦者を迎える井山六冠は「今の10代は自分の世代より層が厚い。全体が強くなれば、日本勢の優勝もねらえる」と言う。
400万人といわれる日本の囲碁ファンの世界戦への関心は高い。日本棋院と関西棋院が昨年4月から呼びかけた応援募金には、これまで約1500万円集まり、世界戦の遠征費用などに充てている。(村瀬信也)
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井山六冠を筆頭に、いまはものすごく強い若手がゾロゾロいます。この流れを活かして、世界棋戦で中国・韓国の選手を粉砕してもらえれば、日本の囲碁ファンの溜飲は下がります。しかも、その実現はかなり早そうです。
こうした若手の台頭にベテランも奮起してくれれば、日本の囲碁界はさらに面白くなります。大いに期待したいところです。
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