JOEは来ず・・・ (旧Mr.Bation)

なんの役にも立たない事を只管シコシコと

立川左談次追善興行 DAY1「第二部」

2019-03-09 | 落語
「渋谷落語ケッ!」の態度で2017年芸能生活50年目の記念興行を見送った事は一生の不覚。
後に、ラジオでその内容の充実ぶりを知り地団駄踏んだものだ。
「渋谷落語ケッ!」の左談次師を引っ張り出したサンキュータツオ、引き受けた左談次師は天晴れです。
晩年の左談次師は本当に「はたらく」なぁ、と思ってたら逝っちゃった。
当時の映像を見る事ができるというので渋谷落語初参戦。

前説のサンキュータツオが呼んだスペシャル・ゲストは山岡光子夫人。
左談次24歳で結婚したお二人の友達ちのような違うような、独特ないい感じのご夫婦像。
師匠がベッドに正座してお稽古する事など、貴重なお話。
サンキュータツオが「師匠は家で稽古なんかするんですか?」に「もちろんですよ~」と即返ししたのが面白い。

めくりは使わず、舞台暗幕に横書きで演者名、しかもローマ字表記付き。
映画館であった会場ならではの演出、悪くないじゃん。

故・柳家喜多八師のお弟子さんで既に真打ち、小八師。
師匠と左談次、談志家元との思いで、俺はマクラ苦手なんだと自嘲されていた。追善ならではのサービスでしょうか。
「もぐら泥」は仕方の多い噺で、仕草が綺麗に決まって気持ち良い。古典をきっちり継承されるタイプでしょうか。

若手花形落語会でも盟友だった小里ん師は左談次師同様(?)に酒癖の悪い鰻職人・金さんの噺「素人鰻」
同じ落ちの「鰻屋」は寄席などでも聴くこと多いけど、この「素人鰻」はなかなか聴かない。
落語の興味を持つきっかけとなった桂文楽のレコード「寝床」のB面なだけに、酔っていく姿をたっぷり堪能。

映像で立川左談次の「妾馬」
久々に見る師匠のにっこり笑顔。
笑いの多いこの噺。生前師匠のこの噺は聴けていないと思う。
中でも好きなくすぐりは「田中三太夫てぇ人」「人とはなんだ」「え、人じゃねぇんですか?」って奴だが、左談次師が言うと格段だな。
後半、妹と対面する泣き要素のところも軽さを失わずとても好ましい左談次妾馬

主任は二つ目立川談吉くん。久しぶり。
若手で贔屓にしていると言いながら師匠が亡くなってから見にいけてない。ごめんね。
酒癖のエピソード。お旦に奢ってもらって、「ありがとうございました」とお見送り、エレベーターの扉が閉まる5㎝くらいの処で「何だ、あの野郎は!」って師匠曰く「こういうのは相手に聞こえてないと意味無ぇんだ」って、ひえ~カッコいい!
談吉くんが選んだのは師匠が晩年好んでかけていた「阿武松」
11日には映像で師匠の噺が聴けるんだからこの挑戦は若くて良いぞ。本物はCDの方で(下記)って事だった。
でも家に帰って聴いたのはさらに師匠・談志の「阿武松」
左談次師のも聴けば三代聴き比べ。・・・って、3連続で聴く噺じゃねぇよな。あ、明日から大相撲始まる。



2019(平成31)年3月8日
渋谷落語
立川左談次追善興行 DAY1「第二部」
渋谷 ユーロライブ

前説 サンキュータツオ
トークゲスト 山岡光子夫人
柳家小八「もぐら泥」
柳家小里ん「素人鰻」
映像 立川左談次 「妾馬」
立川談吉 「阿武松」


これは買うっきゃないでしょう。



立川左談次 五十年目の五日間
3枚組CD 2,500円也
「反対俥」「浮世床」「短命」「妾馬」「阿武松」
トーク 立川流と談志師匠 「阿武松」聞き手:立川志ら乃、サンキュータツオ)


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