JOEは来ず・・・ (旧Mr.Bation)

なんの役にも立たない事を只管シコシコと

「哀愁のサーキット」

2013-02-16 | 映画(DVD)
「日活映画の100年 日本映画の100年」

「哀愁のサーキット」1972年 日活 監督:村川透

満田和郎はプロレーサーとして、今や、若者のアイドル的存在であった。ある日、和郎は、朝焼けに染まった渚で、歌手の榊ナオミが、自分のレコードを海へ投げ込んでいるのに出会う。レーサーと歌手が、失踪事件を起こしての海辺でのつかの間の恋と終焉。

主演の若かりし峰岸徹(峰岸隆之介)
その美貌と肉体美は敏腕レーサーモテ男というヒーロー像として申し分無し。
お相手の木山佳という女優さんはあまり馴染みが無いが出演作を見るとちょいちょい脇役で仕事をされていたよう。
峰岸の相手として決して美男美女というほどの美貌では無いが許容範囲。最初のうちは濡れ場の喘ぎ演技も良さそうだったが、これがいつまでたってもワンパターンで退屈極まりない。
青春ラブラブ映画で浜辺でのいちゃいちゃやり取りを延々と見せられても白けるばかり。
もちろんつかの間の恋、激しく燃え上がるものの長続きはしない。
急激に冷め行く男であるが、機嫌が悪くなるのは実は逃避行資金が底をついてきたからなんじゃないの。
たいしたストーリーも無いけど、初期ロマンポルノの貴重な上映というだけで良しとしましょう。

本作は石川セリの歌が沢山使われているというので期待していたが、実は石川セリの曲はあまり聴いた事が無く、実際に聴いてみるとそれでほど自分の趣味に合うものでもなかったので、そっち方面もガッカリ。
歌ではラストの「海は女の涙」の峰岸ア・カペラが一番Good。
石川セリご自身もゴーゴー喫茶の歌手として登場。
この店でのアフロ・ヌードダンサーが先日見た「かぶりつき人生」の殿岡ハツエじゃないですか。

音楽は樋口康雄。なるほど低予算ロマンポルノ、劇伴はけっこう使いまわしてたのね。
このソフト・ロックはいつ聴いても良いです。からみシーンでの妙に明るい劇伴が時代を感じさせてくれる。

友人(満田和郎と自分の女を賭けてのバイクレースに敗れた)との国会議事堂前でのボディブロー応酬というベタベタ青春展開だとか、ストーリーに直接関係ない、今回はロングの映像のみだった絵沢萌子の着物芝居なんかが良かった。

結末は多くの皆さんが想像したであろう、そのままの展開ですからご安心。

何でもレーサー・福澤幸雄と歌手・小川知子との恋がモデルとなっているんですってよ。そんな事ありましたね。

京橋フィルムセンター

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2 コメント

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日活を退社した、その後の村川透監督の活躍 (マイケル村田)
2013-06-22 12:50:54
村川透は日活ロマンポルノで「白い指の戯れ」、「官能地帯 悲しみの女街」、そして「哀愁のサーキット」でポルノ映画3作品を撮りましたが、ポルノ映画に嫌気にさした村川透本人は、「哀愁のサーキット」を撮ったのを最後にアッサリ、日活を退社し、故郷の山形に戻ってしまう。 4年後、恩師の舛田利雄と当時の日テレのプロデューサー山口剛の計らいによって、石原プロのTV業界の処女作品『大都会 闘いの日々』で監督復帰。この時に松田優作と知り合い、1978年、『最も危険な遊戯』で映画監督としての本格復帰も果たし、それ以後の村川透はポルノ映画を切り捨て、刑事ドラマ、アクション映画の監督となった。
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Unknown (imapon)
2013-06-22 19:01:21
マイケル村田様、コメント感謝
村川透監督作は松田優作がいけ好かないと思っていた頃に無理やり知人に3本立てを付き合わされ、松田優作を認めざるをえなくなった事を思い出します。
アクションではないけれど「白昼の死角」を見てみたいと思ってます。

ポルノ映画に嫌気がさして・・・
この辺の詳しい事情がちょっと気になりますね。
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