JOEは来ず・・・ (旧Mr.Bation)

なんの役にも立たない事を只管シコシコと

「女高生飼育」

2013-09-07 | 映画(DVD)
「復活!東映ニューポルノのDeepな世界」

「女高生飼育」1975年 東映 監督:本田達男

4本のポルノに出演し引退した朝倉葉子が同姓同名の17歳という役柄。なぜ少女は逃げなかったのか……実話をもとに撮影所の技術を駆使した奇妙な密室劇はやがて飛躍しジャンルの壁を突き破る。配置転換によりプロデューサーとなった本田達男、最後の監督作品。

もう、朝倉葉子の女子高生がとても良かった。この女優さん初めて見たけどこれは良い発見でした。台詞が少ないため粗も隠れて。
拉致監禁される冒頭の台風での電話ボックスのシーン。江角英明に首筋にナイフを突き付けられ名前と年齢を聞かれる。苦悶と恐怖の表情がとても印象的。
「電車で見かけてどうしても自分の物にしたかった」という犯人の男の拉致監禁動機に妙に納得。
台風に吹き飛ばされ路上を画面奥にツツツと滑って行く傘の映像、これがまた美しい。

犯人は優しい一面があって、エッチな事は当然するんだけれど、いきなり自分の物にしたりはしない。ベッドに拘束したまま下宿のおばちゃんと長話していて、帰ってみると小水を我慢しきれなく冷や汗にまみれて失禁している少女を発見。「オレがもっと早く帰ってくれば・・・、辛い思いをさせてしまった、すまない」と優しく愛撫。変態には違いないが意外とまともな男。
そんな犯人なので被害者のストックホルム・シンドロームはかなり早い段階で生じている。

同棲のような奇妙な生活が続き、朝倉葉子が一人留守番をしているとテレビで蒸発亭主を探す番組をやっている。
そうそう当時、この手のワイドショーが多かったですね。親が好きなのか良く見ていましたが、私は家庭の悲惨な不幸がいたたまれなく苦手な番組でした。今でもちょっとトラウマです。
その番組で犯人の男が妻子持ちの蒸発夫だと判る。朝倉葉子の「なんか、しらけるなぁ」の独り言に観客の当方も至極同感!

犯人はもうちょっと偏執的な変態野郎であった方が好み。かつて、幸せな家庭を持っていただなんて・・・

でも仕方が無いのです。これは実話を元にした作品なのですから・・・。
なぜ、少女は逃げなかったのか・・・。
幸福そうな家庭に育っていても思春期の彼女には何か「違う」感覚があったんでしょうね。

朝倉葉子の表情と傘でもって見る価値ありの作品でした。

ラピュタ阿佐ヶ谷

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