「生駒市病院事業推進委員会」にかかる条例修正議案が否決されたことは先日の記事の通りです。今日は、議会、審議会や諮問委員会等における民主主義についてもう一度原点に立ち返ってみたいと思います。
条例修正議案の主旨は、特定の委員(=医師会代表委員3名)にのみ拒否権を持たせる条例は改正すべき ということでした。私はもう少し突っ込んだ話をします。
医師会代表は拒否権を有しており、その他の委員との不公平さを生んでいるということは当然のことですが、それがどういう影響をもたらすかという点こそが最大の問題点なのです。即ち、拒否権を有する委員がいつ何時 辞任という最強カードを切ってくるのか、もしそのカードが切られたらせっかくの委員会が開催不能の事態に陥ってしまうということを心配し、他の委員は拒否権を有する委員に対しての舌鋒が鈍るもしくは言いたいことも言えないことになります。”物言えば唇寒し”です。
そこには民主主義は全く存在しません。
民主主義では、少数意見の尊重が大事です。しかし参加メンバーが自由に発言できる保障があることの方がもっと大事です。よって、一委員が他委員の議論を封じてしまうところに、民主主義の観点からこの条例に致命的欠陥があると考えます。条例自体が憲法違反であるという意見もある識者から聞いたこともあります。
民主主義を否定するような条例を作った市議会は、改めて条例を全員一致で早急に修正しなくてはなりません。議会としての最低限の良心もしくはモラルの問題です。
もし仮に生駒市議会に拒否権を持った議員が1名居たら、その他議員はどうするのでしょうか。議会も市行政も絶対成り立たないでしょう。自らのこととして考えてください。推進委員会も同じことなのです。
会議体というものは、賛成・反対はあるでしょうが、それぞれの意見を徹底的に戦わせることこそが原点です。これを保障できないような条例は、そもそも推進委員会を否定していることに他なりませんし、当然の帰結として推進委員会は崩壊してしまいます。
市長のやり方が強引だとか、議長の推進委員会の進め方が強引だとかの 愚にもつかない表面的な反論はそろそろ止めた方がよい。推進委員会でも議会でも、手続論に明け暮れるのではなく、今こそ本筋論を戦わせるべき時なのです。議会や医師会は、こうした愚行を何年続けていますか。
生駒市議会議員の各位におかれては、もう一度胸に手を当ててよく猛省のうえ、条例修正を決断頂きたいと願うものです。市議会議員として最低限ではあるものの良識を示せる最後のチャンスです。市議会議員改選もあと1年に迫っていますよ。