室内楽の愉しみ

ピアニストで作曲・編曲家の中山育美の音楽活動&ジャンルを超えた音楽フォーラム

公開編曲”メリー・ウィドウより” 其の一

2007-08-28 01:22:25 | Weblog
12月のコンサート用に”メリー・ウィドウ”の美味しい処を抜粋してメドレーにする編曲を引き受けました。
この写真は、ドブリンガー(ウィーンの出版社)のオリジナル・スコア。厚さ3.5cm。重いです。買うと3万円位するというので、学校の図書館に貸し出し予約して、着払いで送ってもらいました。音資料として、メラニー・ホリデーがハンナ役のハイライト演奏CDを購入。事務所からも別のハイライト版CDが送られて来ました。それと、オペラ・ファンの知人がカラヤン&ベルリン・フィルの全曲版CDを持っていたことが分かり、ダビングして頂きました。ただ、よくある事ですが、自室の大きいCDラジカセでは聴く事ができず、先ずMACでCDをダビングし直し。

さて、昨日はまず、オリジナル全曲CDを聴きながら、スコアを全ページ目を通し、”美味しい”箇所の位置、ページをチェックしました。カラヤン先生の素晴らしい名演ですが、全体を聴くだけで90分。実際には、途中であちこち止めながら、或は戻しながら、小節番号やページをメモしたらするので、倍以上かかりました。
 それから、今度は2枚のハイライト版を、スコアと照らし合わせながら全部聴きました。それぞれ商品としての特徴の違い、選んでいる箇所の違い、演奏のタイプの違い、そして録音技術の違いなど聴き比べは面白いものです。やはり、カラヤン版は「最高のモノを残してやろう」という意識があり、演奏も録音も抜群に素晴らしいと思いました。私はカラヤン・ファンではありませんが(カロヤン・ハイってのもあったな、何だっけ?)こういう、いくらでも格調を下げられる可能性のある作品を、格調高く、美しく、素敵に作り上げていました。歌手も素晴らしい。事務所から送られて来たCDは、バイエルン放送管弦楽団の演奏で、録音のせいか、ミキシングのせいか、クリアな音質に聞こえず、演奏表現も個性の強いものには聞こえません。もう1枚のハイライト版は、メラニー・ホリデーがハンナ役という当たり役の録音。良く見ると、ウィーンでの3回録音と、東京文化会館、カザルスホールでのライブ録音も混ざっていました。でも、音質もクリアで。オペレッタの”お楽しみ”サービスの意図がありありと分かり、オッフェンバックのフレンチ・カンカン「天国と地獄」まで含まれていました。(レハールのスコアには、書かれていないんですねえ・・ スコアと順番を変えて抜粋している箇所もあり、照らし合わせるのは、結構時間がかかりました。とりあえず、それぞれのCDの何処を必要とするかをメモして、この日は終わり。

 そして今日は、メモを見比べてスコアの中の必要なページを確認して、コピーを取りに、コンビニへ行きました。
フル・スコアは、菊倍サイズより更に一回り大きいため、見開きでのコピーは不可能で、95%に縮小して、A4サイズの真ん中に入る位置を1ページ1ページ丁寧にコピーをします。200枚くらい、重たいスコアをひっくり返しひっくり返し、小節線が切れないように注意しながら、コピーを続けました。慣れてくると、コピー紙がペローッと出てくる前に「原稿を入れ替えれます」の表示が出てすぐに、ページをめくる事ができるようになり、途中からスピードアップができましたが、それでも、1時間半くらい掛かりました。

 次は、全体の構成を決めなければなりません。まだ1音も書いてないけど・・、今日のところは、これくらいにしといてやろー。