室内楽の愉しみ

ピアニストで作曲・編曲家の中山育美の音楽活動&ジャンルを超えた音楽フォーラム

オニの撹乱

2010-05-29 13:00:38 | Weblog
先週までの異常な元気さがウソのように、今週は『オニの撹乱』にみまわれ、ぐすぐす、ゲホゲホ、ダラダラしております。

「明日は元気になるでしょう!」と毎日宣言している割りに、一向に変わりませんなー。

そもそも遅めの花粉症が来たか・・とずっと思っていたのですが、今週月曜日あたりから咳が出たりして、昼間だらだらしている割りに、夜もよく寝られるのです。先週までの睡眠不足(不足と思ってはいなかった)を一気に解消するかのようです。

時々咳き込むので、しょっちゅう『リコラ』を舐めています。はじめはガマガエルみたいな声でしたが、今は淡谷のり子調になりました。「アナタ、早くよくならねばー。気合いが足りないんだべさー」

皮膚は過敏になっているような気がするし、背骨もギクシャクするのですが、熱が大したことなくて、高くて36.6℃。その後は35.8℃。さらに34.8℃(シチズン体温計、壊れてないかい?)

誰かのせいにしたくて、よーく思い出してみたら、先週の日曜日の銅鑼でのLIVE の時、ものすごく寒かったのでした。きっと銅鑼でエアコンの冷風の直撃を受けたせいでしょう。


閑にあかしてTV を見ると、首相が「お詫び申し上げます」と謝っています。
しょうがないなー、『県外移設』なんて出来そうもない事を出来るかのように言っていたんだから・・。

でも、「決断力が無い」とか「優柔不断で言動が分かりにくい」とか、マスコミも、マスコミに煽られた一般市民も言いたい放題だけど、じゃあ、代わりに方策は有ったの? 

米軍を100% 排除するとなると、日本は国防を完全自立しなければならくなる。→平和憲法の放棄。→戦前の軍国主義への回帰。

「いまどき、そんな方向に行くわけないでしょう?」と自民党のオエラ方が以前言っていたけど、付和雷同、マスコミに一斉に踊らされる日本国民が、そっち方向に突っ走らない保証が無くなる事態が生じるわけでしょう?


方策を色々と画策した挙げ句に「見つかりませんでした。ごめんなさい。」とオープンに見せることそのものが《民主主義》じゃないですか? インパクトの強い、センセーショナルなものを常に探しているマスコミは、すぐに《決断力》《指導力》と言うけれど、田中角栄が良かったんですか? 小泉純一郎が良かったんですか? 石原慎太郎のどこがいいんですか?

私は音大でだったけれど、「真の《民主主義》は只の多数決ではなく、少数意見にも耳を傾け、その旨を何らかの形で記録に残して進むものである。」と学びました。


国民総出で「ダメな首相」と大合唱するのでなく、代替案を述べたらどーなの?

私の個人的な意見は、辺野古への移設に反対です。普天間の方々には申し訳ないけれど、基地のすぐ側の危険を排除する方策をとる事にするべきだと思います。余所の基地では基地と一般住宅地の間に『クリーン・ゾーン』を1km 位は取っているそうです。それなのに、普天間では本来『クリーン・ゾーン』であるべき所に小学校や、保育園が建っているそうです。

小学校や保育園を移設する訳にはいかないの? 

それと、北マリアナ諸島のテニアンが「米軍基地を受け入れたい」とニュースで一時言っていたのはどうなったの?


確かに、民主党の期待はずれは否めません。『戦略室』なんてより積極的な政策のビジョンが有りそうな機関を創ったのに、何の機能もしていない。政権の移行による混乱はある程度は仕方ないでしょう。でも、沖縄問題ばかりでなく、国民に夢を見せて、大きく落胆させたら落とし前はつけないといけないでしょう。

でも、国民も無責任にマスコミに煽られるだけでなく、案を考えるべきじゃないの?


んー、ゴマメの歯ぎしりしてたら、体温上がってきたか? 36.4℃ 大したことないか・・。







雨の月曜・ミントンハウス

2010-05-26 12:35:12 | Weblog
このところ一日おきに、雨→快晴→雨→快晴をくりかえしていますね。

一昨日の月曜日。雨の中、西荻窪のミントンハウスへ《阿部寛トリオ》のLIVE を聴きに行きました。

いつもの生ギター阿部さん(この日はGibson L5 1934年製 17inch)ベースの小林真人さん(雨なのでハウス楽器の”酒トラディバリ?)に、ゲストは小林淑郎さん。



常に飄々としていて、枯れているかに見えて、実はなかなかに艶っぽい、独特の個性です。

『鈴掛の径』・・小林さんのは初めて聴いたと思いますが、良かったです。決して力むことなく、ここぞという場面でキッチリ主張して気がつくと世界ができている・・。そんな感じの演奏です。

『白い渚のブルース』も小林さんの演奏は初めて聴いたと思いますが、波際のまぶしい映像が思い浮かびました。



無形文化財・・的な存在です。           

70代になった時に、自分の気に入った活動の場を持ち、自信なりある程度の自負を持って演奏し続けていられたらいーなー、と思います。それこそ”素晴らしい人生”です。


先日の新宿ジャズ・フェスティバルでの小林淑郎さん、清水万紀夫さんの共演を楽しみにしていたのですが、時間的に見られなくて残念でした。ところが、それを「見てました」という方が、この日のミントンに来ていました。

小林淑郎さんのファンで、ご自身もバンジョーを演奏するという関さんという方です。お見かけした事がある、と思ったら《バンジョー兄弟》というグループのメンバーでした。そして、横須賀在住。私より遠くから来る方は少ないのでビックリ! 一緒に湘南新宿線に乗って談笑しながら帰りました。




本日の上げ膳

2010-05-25 23:54:14 | Weblog
華麗なる饗宴・・子持ちガレイ & カレー。



ワタシが考えたんじゃないってば。だから『上げ膳』だってば・・。


ご飯は十五穀米。おつゆはシジミのおみおつけです。ごっつぁまでした。






週末レポート・つづき

2010-05-25 17:27:22 | Weblog
翌、日曜日は、新宿三丁目の銅鑼で《田部フレンズ》がLIVE に出演する日でした。

まあ、一般的には《哲楽団》の出演する日、と言った方が分かりやすく、《田部フレンズ》は《哲楽団》のタイバンでありました。

銅鑼LIVE のメインバンドである《哲楽団》が13時からスタート。《田部フレンズ》が13:45からスタート。40~45分ずつ交代でやって、最後は《哲楽団》が16:30までやって終わり、という仕組みです。

《田部フレンズ》については、こちらをどうぞ。→ http://homepage.mac.com/masayoshitabe/TradJazz.htm



近頃、ますますMarty Grosz やPeter Ecklund のレパートリーが多くなって来ました。もっぱら、リーダーの田部さんの好みの曲を並べていますが、私にとっても、Marty Grosz と彼の周辺のプレイヤーのコンボのサウンドが、最もなじみもあり、いくら聴いてもあきない、つまり自分にとっての理想の一つの形です。

でも、バンドとしては特徴も変化も出さないといけないので「Tiger Rag をやって下さい」との命が下ると「ラジャー!」と言って、鍵盤ヒジ打ちでトラの咆哮を弾いております。


さて、タイバンの《哲楽団》  お楽しみバンドと違って、これでシーメを食っている方々の出演でございます。

前日から、リズム、ビート感、発音の形など、タイミングに関して大きな悩みを抱える私としましては、「皆さん、どうやってるんだろう?」と興味津々であります。

クラシックの演奏家は「プロのジャズ・プレイヤーは完璧にテンポをキープして演奏する」と信じているところがありますが、ジャズ・プレイヤーも歌わせている以上、テンポキープ至上主義ではなく、走ったり遅れたりもします。でも一番肝心なところは、聴き合って協調しながら”スウィング” することです。

”スウィング” するには、後ろ髪を引かれていくようではダメで、むしろ前髪を引っ張っていく感覚があります。

メロディを担当する管楽器は、ピアノ、ギター、ベース、ドラム等のリズム隊に乗っかって行く形なので、絶えず引率、牽引している訳ではありません。リズム隊は、ドラムがいればやはりドラムに支配されます。

この日の《哲楽団》のドラム、日高さんをじっと見ていました。日高さんは、決して「オレが一番」というタイプではなく、全体のサウンドに気配りしつつ、やる時はビシッとやることで評価の高いドラマーです。

その日高さん、ブラシをスネアにペシッ、ペシッと、実に何のためらいもなく叩いていました。”美音” を創ろうとか、ビートの間隔のすきまにあるサウンドには目を(耳を)くれることもなく、ひたすら自分の感覚に何の疑いの余地もなく、頭より身体が反応している、といった感じでした。

その辺が、クラシック系の演奏家との違いかなー。頭で確認したり反芻する事なしに、『じかに』刻んでいる。Running Wild という曲があるけれど、まさにそんな感じ。

私は、どっちがどう優れているとかを言っているのではなく、立場の違いから来る感覚、表現方法、の違いの話をしています。ただ、クラシック系の演奏者でも、レパートリーの中にジャズっぽいもの、ロックっぽいものがあるなら、それを専門にやっている人たちはどうやっているか、それくらいは興味を持って知っていて欲しいな、とは思います。


本当は、その辺りの事を《哲楽団》の皆さんにじっくりと聞いてみたかったのですが、この日は両親の結婚記念日。時間ぎりぎりまでいて、お先に失礼しました。このテーマに関しては、またの機会に皆さんに伺ってみたいと思っています。


急いで帰り、予約したレストランへ。

   

カニ、豆乳ブタしゃぶ、石焼きステーキ・・盛りだくさんコースを両親とたいらげました。みんな元気でありがたい!

一応お揃いで着ようと思って、用意しました。




結局、何が濃かったのかよく分からなくなりましたが、私にとっては『濃い』、よくあるバタバタした週末でした。




週末レポート

2010-05-24 16:12:39 | Weblog
先週末の土日も濃い時間となりました。

土曜日は東京室内管弦楽団コンサートの仕事で鴻巣へ。裕美ちゃん先生お手製『衣装バッグ』に衣装を入れて     

せっかくのJR東日本のお得な切符『ホリデーパス』をにぎりしめて GO!


《音楽でめぐる世界の旅》・・バイオリンの奥村愛さん、アコーディオンの桑山哲也さん、チェロの溝口肇さん(登場順)に、”世界の車窓から” のナテーター石丸謙二郎さん、という豪華ゲストに、こちらは指揮者が菅野宏一郎さんで迎え撃ち・・じゃなくて、ゲストの皆さんと友好的にステージを創ります。

      

ホントにどのゲストとも、曲も演奏も素晴らしく、お客様にはきっと楽しんで頂けたことと思います。

プログラムの何曲かは、すでに何度か演奏している私の譜面が入っていましたが、この日の為に、アコーディオンの桑山さんのオリジナル曲『哀愁のミュゼット』オケ伴奏バージョンの編曲を依頼されていて、週の前半ばたばたと夜なべしていました。弦楽四重奏の資料があったので、ゼロからのスタートではなかったのですが、思いの外小節数が多くて、スコア(指揮者用の譜面)は53ページにもなりました。ゲネプロまで遠慮がちに吹いている木管楽器奏者に「オケが出てきたと分かるように、遠慮せずにやって下さい」とお願いして、まあだいたい想定した感じで行ったと思います。

指揮者の菅野さんは、いつも良く準備をして来てくださるタイプです。この日の『オペラ座の怪人』の解釈は素晴らしかったと思います。「前にこの編曲者の他の曲もとても素晴らしくて、良い編曲家なんですよ」とおっしゃっていました。私もそんな風に言われる身分になりたーい!・・が、まだまだです。

エルガーの『威風堂々』に関しても、ご自分のイメージをくっきりと示して下さるので、今までにない演奏ができたと思います。(私は、オルガンの32小節くらいしか弾かないんですけどね) チェロの溝口さんをフィーチャーしたバージョンの『ニューシネマ・パラダイス』も、菅野さんは恐らく初めてだったと思いますが、私の意図した編曲のあちこちを良く解釈して下さったと思いました。

しかし、いつもながら、大きいホールでの演奏は大変です。”時差” が生じるのです。上手(かみて・・客席から見て舞台右寄り)にいる金管族、コントラバスより更に端っこにピアノがあります。一方、打楽器群は下手(”ヘタ” ではない。しもて・・舞台左寄り)にいるので、かなり遠いです。しかも途中に木管、金管、ビオラなどを超えて聞こえてくるので、距離以上に遅れて聞こえるのかもしれません。

しかも、しかもクラシックの演奏家というのは、ダイレクトにブッたたく事をしないので、オブラートに包んでから音を出します。ますます遅れて聞こえてくるのです。そして、速めに滑るように(時には息を節約して)吹きがちな金管群と、低音ゆえに先出ししたいコントラバス。はるか彼方に聞こえる第1バイオリンの旋律。こういう状況の中で、ある部分はブレンド役に徹し、またある部分はソリスティックに弾くことを要求され(コントラバスのカーテンの奥から)、またある時は、ゲストの呼吸に合わせる為に息を殺し・・。

どの線で弾くか・・は、結局自分の判断で”勘” を頼りにやるしかありません。もう少し、指揮者が”点” を出してくれると楽なんだけどなー、と思う箇所も何カ所かありましたが、こちらも譜面と鍵盤を見ないと弾けない箇所があちこちあるし、首を右に向けないと棒は見えないので、そうそう頼りにしてもいられません。かーなり、チビしい状況です。それでも、あんな『オペラ座の怪人』が演奏するステージ上にいられるのは、得難い《至福の時》と言えます。かなり以前、故・いわくぼさんの時代に何度か有って以来かもしれません。

好感の持てるビジョンのある音楽のパワーと、”時差” に悩みじくじたる思いと、オーケストラの本番ならではの思いを再確認する日となりました。


翌、日曜日はジャズのライヴの日です。
前日、オブラートに包んで叩くクラシックの演奏家のビート感に悩んだ私は、まだそれを引きずりながら新宿三丁目の銅鑼に向かいました。

・・んー、続きはまたこの次。






銀座・おのぼりさん?

2010-05-21 21:43:28 | Weblog
久しぶりに銀座へ行きました。特に三丁目、二丁目方向は相当な”久しぶり”です。
ずいぶん、変わっていました!

 服部時計だけは変わりませんが・・。 

そう言えばアップルが、あんな所に・・。    

何と、シャネルのビルはガラスがスクリーンですわ、皆さま! 映像が動くんですのよ! 

完全に”おのぼりさん”です。



さて、この日の目的はお食事会です。二丁目の裏手にある、和食とワインのお店です。

まずはシャンパンで乾杯!  繊細な泡の動きが見ていて飽きません。

お料理、美味しいでっせー。  お豆の下に焼き茄子。


  右の小鉢はクリームチーズの上にアンチョビ。


出た~! 鱧のお椀。冬瓜の切り身と夏の定番、ジュンサイ。ごーじゃす! 

ワインはサンネール。個人的には懐かしい響き。美味しいけど沢山は飲めない体質が悲しい。でも、気がつくと1度継ぎ足されてた分も飲んでいました。

続いてのお料理は、ハマチとアオリイカ。ハマチ、ハウマッチ?(しつれい・・。)  アオリイカ、最高!


  スズキ。炭火焼きでしょうか?


他にも、薄い葉っぱのてんぷら(何だったかなー)小さいお魚を煮含めたお料理が出て、ゆかりが載った白いご飯とおみおつけ。最後にデザートが夕張メロン切り身と、冷やし羊羹だったんですが、美人熟女グループの会話についていくのに忙しく、あとの写真は諦めました。

お番茶に至るまで、すべてを美味しく頂きました。ごちそうさまでした。


こんなに良い思いができたなんて、三連ちゃん夜なべのご褒美かな? 

心リッチな気分に、志をアップさせてくれる、素敵な夜でした。



初・ランキング?

2010-05-19 10:19:51 | Weblog
私の、この細々としたブログですが、読者は、ほぼ知り合い、友人、身内の域を出ない、と思っていたら、時々ドカン!とお立ち寄りが増える時があります。まあ、ランキングなんて縁がない・・と思ってめったに見ないのですが、10000位までのランキングに順位が載っていました。まー、めずらし~



大したこっちゃないけど、1,410,000 位の中ですからねー。


・・なんて、のんきに言ってる場合じゃないッス。
明後日リハーサル、明日夕方提出の曲の譜面、まだやっとります。

「こんな事やってる場合じゃない・・」と思いつつ、知人から頼まれた譜面を作ったり、ジャズ・フェスの準備したり、仕事したり、付き合いがあったり・・。いやいや、全部必要な事なんで・・。

一番「こんな事やってる場合じゃない・・」のは、今、この瞬間か!




新宿・春の楽しいジャズ祭り、つづき

2010-05-17 00:55:37 | Weblog
ヤンネと二人っきりのステージを終えて、スーツケースを置いてある大ホール楽屋を、ヤンネが無事に見つけてくれる事を祈りながら、私は大ホール1階奥のホワイエへ向かいました。(1階でよかった・・・。3階じゃなくて助かった)



田部さんのお人柄もあって、《田部雅美フレンズ》はいつもなかなかの盛況です。

      

田部さん(ギター)永谷”大将”(テナー)菅野くん(トランペット)白須さん(ベース)須崎さん(ドラム)

菅野くんの向こう側に、朝、銅鑼で打ち合わせしたてのバイオリン・大谷さん(写真 by 阿部寛)

いつもノリノリのダンスを披露して盛り上げて下さる井坂さんと佐藤さんコンビ。

      

演奏の内容的には、練習の時に決めた順番どおりに行かなかったり、まあ色々(ジャズらしい)でありましたが・・お祭りらしい興奮に手伝われて、楽しいライヴになったと思います。田部さんのMCがあまりに短くて、1曲Diga Diga Doo を追加しました。


田部バンドが終わったら、そこに池田くんと大熊くんが来ていました。あ~、よかった。
「大変だったわね~!」「どうも、本当にスミマセンでしたー」

ハラスキーの二人をホール前のハンバーガー・ショップに連れて行き、詳しく話を聞きました。とにかく怪我がなくて良かった。おまわりさんが、手書きで作る”和解書”を書くのに手間取ったのと、相手がなかなか名乗らなかったので、ひどく時間がかかってしまったそうです。

前々日、ウチでリハーサルやって、当日もせっかく早起きしてリハーサルして来たのに、演奏できなくて、残念でした。
池田くんは、ほんとうに温厚な性格で、怒った顔など想像もできないようなヒトなのですが、いったん友達の為となると、武闘派にもなるんだなあー。二人にとって、いや、みんなにとって『タンゴ』な一日となりました。


一見落着してからは、ホール全館で繰り広げられている演奏を見せて頂くことにしました。せっかくだから、小ホールのプロ中のプロの演奏を鑑賞しました。皆さん、すばらしいです。

最後に仲間の《新宿アコギの会》の演奏を見にいきました。あちらも、《アストロノーツ》や《田部フレンズ》を応援しに来て下さっています。

大ホールの3階ホワイエという、「本当にこれが聴きたい!」と思う人しか来ない場所ですが、けっこうな人数のお客さんが集まりました。

    

出演者の人数も多くて、一番前のかぶりつきに座っていると、写真に入り切りません。(長谷川さん、ゴメンナサイ)

   

カッコイイ帽子をかぶった河野くんの後ろでシンバルで盛り上げる加藤亜依ちゃんの姿がかろうじて見えるかな~。左奥でリズム・ギターに徹する昻谷さんの姿も。右後ろで全員の下支えをする加藤人さん、ごくろー様でした。

   

神戸からのニューオリンズ・ジャズ界の大御所、木村陽一さん「オールウェ~イズ・・」を歌われました。皆さんを撮影する田部さん。(みんな、いーな~)

こうして、それぞれの《ジャズ祭り》は終わりました。

この後、アコギの会の仲間たちと打ち上げに繰り出したのは、いうまでもありません。






波乱の新宿ジャズ・フェスティバル

2010-05-16 15:01:59 | Weblog
昨日は、《新宿・春の楽しいジャズ祭り》に一日で、新宿文化センター全館でお昼から夜8時半まで、にぎやかにジャズが流れました。               

私は、その中の片隅で、唯一毛色のちがったタンゴをやらせて頂く《アストロノーツ》と、ジャズ・ファスティバル全般の責任者の永谷”大将”もメンバーのお一人である《田部雅美フレンズ》の2つに出演させて頂いております。

バンドネオンの池田くん、ベースの大熊くんに、今回はヤンネ舘野さんが参加できるという事で、カルテット・バージョンが実現しました。実現したのですが・・


11時半には銅鑼をお借りしてメンバー全員でリハーサルを開始。1時間少々の練習の後、田部フレンズで初めてご一緒するバイオリンの大西さんと田部さんと3人での打ち合わせをしている間に、池田くんと大熊くんは先に新宿文化センターに向かったもようでした。ヤンネが片付けやシャッターを元通りに下ろすなどの手伝いもしてくれて、出遅れた私たちはタクシーで向かいました。

ホール内の受付で登録をすると、先に出たはずの二人がまだ登録を終えていない事がわかり、「どこかで何か食べてるのかな?」と思いつつ、大ホールの楽屋へ降りていきました。そこでベーシストの木村パンダさんにバッタリ会って挨拶をすると、「池田くんたち、来てる? さっきケンカに巻き込まれて、警察を呼んでたんだけど・・」

パンダさんは、池田くんのことを何でご存じなのかな・・なんてボ~ッと話を聞いていたら『ケイサツ? 何っそれ

 
池田くんは、およそ立ち回りをするようなタイプではなく、何がなんだか、よっぽどの事?

事の次第は、二人が楽器をかついでホール近くのコンビニに付近まで来た時に、何やら酔っぱらいのチンピラが誰かに絡んでいて、それから二人の方にやって来て「なんだコレは?」と聞くので、大熊くんが「ベースです」と答えたのだそうです。

大熊くんをかばおうとして池田くんが入り、回し蹴りをされて(バンダ証言による)池田くんが相手の顔を殴ったら鼻血がでた・・

池田くんは頭を殴られ、アゴも殴られたそうで、パンダさんは「警察を呼んだ方がいいよ」と言いつつ、あと少しで着くホールに向かったそうです。そしてやがてパトカーが来て、バンドネオン、ベースに4人の男が乗り込んで、チンピラはもう1台のパトカーで警察署へ連れて行かれたのです。


ホールの地下では携帯もつながり難いので、外に出て池田くんの携帯にかけたところ「今、パトカーに乗せられて警察に向かっています」と小さい声で言っています。「2時15分から本番なんで、それまでに帰らせてくださいって言ってよ!」「言ったんですけど・・。すみません。間に合わないかもしれません。申し訳ないです」


とりあえず怪我はしていないそうで、楽器も無事。ただ本人たちが和解書を書かされていて、その作業が終わらないと帰らせてもらえない・・。

ガ~ン! せっかくみんなでリハーサルして来たばかりなのに! 時計を見るとスタートまであと25分。

しかし、急にお腹が空いてきて、先ずはお弁当を食べる決心をしました。楽屋に戻り、ヤンネに《現実》を話して、「穴をあける訳にいかないから、二人で出来ることをやりましょう!」お稲荷さんをほおばりながら、手持ちの譜面の中で、二人だけで出来るレパートリーが無いか、調べました。

本来11曲用意していた譜面の中で、7曲できそうな見込みがついたので、ホッとしました。しかし気がつくと本番5分前。地下の楽屋は複雑な行き方をしなければいけない場所で、階段を上ったり下りたりしてやっと1階のエレベーター前に着いたけれど、なかなか来そうになくて、4階まで歩いて行きました。本番前に、ヤンネをすっかり引っ張り回してしまいました。ハーハー、ゼイゼイ言いたいところをガマンして、満席の会場の真ん中を歩いて行きました。

ステージは、当然4人用にセッティングしてあります。「二人が来られない事を、やっぱり話さない訳にいかないだろうなー」
決心を固めて、なるべく暖かい目で見て頂ける調子で「間に合わないかもしれない」事情を説明し、本来バンドネオンが見られることを期待されている事は分かっているので、「歴史的にバンドネオンはタンゴでは後発である事、バンドネオン抜きでもタンゴは成立する話」をして、ヤンネと二人のステージを始めました。


幸い、お客様の反応は大変暖かく、話に大きくうなずいて下さるし、笑って欲しいところでは笑って下さるし、大変救われました。40分を7曲で持たせないといけないので、時計をチラチラ見ながら、ヤンネと初めて会ったオウルンサロ音楽祭の話もしました。そして、何とか終えました。「いやー、二人でも充分聴き応えあった。時間があっという間だった」と駆け寄って言って下さる方、「そう、そう」と同意して下さる方もいらして、ホントに有り難かったです。

しかし、5分後には《田部雅美フレンズ》が始まるのです。ヤンネに帰り道の行き方を説明しながら、また階段を1階まで駆け下りるのでありました。

ヤンネ&マルッティ

2010-05-16 13:01:32 | Weblog
金曜日に、バイオリンのヤンネ舘野さんと、フィンランド人ピアニストのマルッティ・ラウティオさんのデュオ・コンサートが、青葉台のフィリアホール内・リハーサル室で行われました。

マルッティ・ラウティオさんは、舘野泉さんのお弟子さんで、私は2001年のオウルンサロ音楽祭で彼が演奏するところを見たのが初めで、その後オウルンサロ音楽祭 in 神戸でも、また昨年夏の逗子教会でのテノール・畑儀文さんとの共演など、度々演奏を拝見しています。

卓越した技術に裏づけられた、限界の無い力強い表現力が彼の特徴であり、個性になっています。時として、激しい火の玉となったかと思うと、幻想的な霧の中に様々な色をにじませたり、強く印象に残るピアニストです。殊に、以前シューベルトの『菩提樹』の伴奏を聴いた時のことは、忘れられません。聴いたことのないような、激しく面白い『菩提樹』でした。

ヤンネとマルッティさんの二人の演奏を楽しみに聴きに伺おうと思っていたら、数日前に「譜めくりを頼めませんか?」とヤンネのマネージャー明子さんから連絡がありました。「それでは、ゲネプロから行きましょう」と4時半に着いたら、譜めくりが必要な曲のリハはもう終わっていました・・。

リハーサル中に打ち合わせをするお二人。 

  ゲネプロで独奏曲を弾くマルッティさん。


曲目は、シベリウスやパルムグレンといったフィンランドの作曲家の小品、生誕200年に因んでシューマン、リスト、ショパンの作品。お得意のスペインもの、ファリャの『ダンス・エスパニョール』 五月に因んでフォーレの『五月』有名な歌曲『夢のあとに』など、サロン風のプログラムでしたが、私が譜めくりを頼まれたシューマンのバイオリンとピアノの為のソナタ第一楽章と、ピアノ独奏のショパンのバラードはマルッティさんらしい、力強く大胆なうねりを感じる演奏でした。

ヤンネのパパであり、マルッティさんの師匠である舘野泉さんもいらしていて、泉さんのお母様、妹さんもいらして、ウチも義妹と姪も聴かせて頂いて、友人、知人の暖かい、良い意味でファミリーな雰囲気でありながら芸術性の高い、理想的なサロン・コンサートでした。


もしかしたら、11月にヤンネがリーダーの《タンゲロス・アルティコス》のコンサートがこの場所で催されるかもしれません。