室内楽の愉しみ

ピアニストで作曲・編曲家の中山育美の音楽活動&ジャンルを超えた音楽フォーラム

”のだめ”Part1.終了

2006-12-25 23:54:18 | Weblog
”のだめカンタービレ”TV 版ドラマが終わった。
9月のドラマ開始前にすでに全巻読んでいた私としては、原作のマンガチックな動きと、虚構でありながら、クラシック音楽の専門家をブレーンに置いて、極力知識上のウソを排除する姿勢とを、どのようにTV で表現するのか、という点に興味があった。
 原作を読んで一定のイメージを持っている視聴者を納得させるのは難しいだろうが、配役も良く、かなり原作に忠実に再現され、読者が一番肝心なポイントと思う箇所を丁寧に創ってあった。演奏のシーンも、指や演奏者の動きの映像と音がかなり合わせてあったし、主人公達の演奏の音の方も実際に素晴らしいものだった。千秋役の玉木宏の指揮ぶりは、初めの頃はかなり酷かったが、最終回では、見られるものになっていた。只一点、あらっと思ったのは、ステージ上にいた人数ほどの弦楽器群の音がしなかった事だ。映像上は1stバイオリンだけで10人位はいたように見えたが、聞こえてくるのは5~6人程度の音だった。これだけは残念だった。
 原作にある”青春グラフィティ”も充分表現され、結構泣かされた。若さの良さも、「10年後、どうなっているか分からない」現実も盛り込まれていた。記憶に残るドラマになった。
ところで、”留学編”は作れるのかな?パリ・ロケ、字幕大会・・。より専門的な内容になるし、難しそうだけど、見てみたい。

心のつながり

2006-12-21 12:49:42 | Weblog
先週末の中野ゼロでのオーケストラのクリスマス・コンサート。お客様達から喜ばれ、細かい部分は兎も角、一応はまあまあ行ったかな・・。しかし、自分としては、何か満足の行かない、満たされないモノが残った。
 その1週間ほど前に、恒例の下妻でのコンサートのアンコールで、ゲストのコロラトゥラ・ソプラノの崔イェングァンさんの独唱の伴奏を一人でした時は、彼女の透明感のある美しい声を際だたせる事に細心の注意を払いながら、曲の雰囲気作り、透明で純粋な”生命”の風景を描くイメージで弾いた。ソリストご本人に大変喜ばれ、手招きされて、舞台の上手端のピアノの位置からソリストのいる前方中央まで呼ばれて拍手を受けた。そんな目立つシーンを持った事が喜びなのではなくて、本番中に”共に一つの作品を創った感覚”が持てたという事が最高の喜びなのだ。本番直後に楽屋で会った時は、彼女もまだ興奮していて、二人で手と手を取り合った。これが音楽上の”心のつながり”だ。
 中野ゼロでのゲスト「世界の車窓から」で有名なチェロ奏者(検索されて一発ヒットになると厄介なのでお名前は避けます)は、我々プロの目から見ても、常に音楽的な雰囲気を漂わせた、大変に素敵な方だ。作曲家としても素敵なメロディを書き、編曲もちゃんとした仕事をして、表情豊かな表現のできる楽器で、説得力のある演奏をし、ケチの付けようが無い。何よりも、素材の良さと相まって、自分というブランドのプロデュースが巧く行っている。その点が、私も含めて、そこらの演奏家との最大の差だと思う。この非の打ち所の無いソリストとも、ピアノだけで伴奏する曲が2曲入っていた。1曲は日本題”白い恋人たち”(原題は”フランスの13日”)もう1曲は、彼の最新CD のタイトルにもなっている”おぺら?”という曲だった。実はこの日のコンサートの準備として、このチェロ奏者のリサイタルを聴きに行ったのだが、共演者のピアニスト、ベーシストは、全くの”黒子”扱いの印象だった。
 一方、私の立場は微妙だ。オケ事務所からは「良いと思われる範囲で、思い切り主張して下さい」といつも云われている。この日のコンサート用にソリストとの協演の編曲もしている。それだけに、私の中でも重要なコンサートと位置づけしてきた。そんな中でのデュオ・シーンだった。当初、私は”黒子”に徹しようと思っていた。しかし、前日のリハーサルから続けて接しているうちに、多少何か、仕掛けてみたい気にもなった。と言っても、特別な事をする訳ではない。モノトーンに多少のパステル・カラーを塗った程度だと思う。しかし、結果は、何も無かった。
 ここで、ひとつ新たな発見があった。共演とは互いに心を向き合わせて”心のつながり”を持つ事なのだ。その為には、双方から触手を差し延べ合って、心を開き合う事が前提となる。”心のつながり”無しでは、只の”仕事”になってしまう。そんなに失敗だったとは思わないが、隙間風が吹いたような後味だった。

新特技

2006-12-20 23:47:06 | Weblog
生まれて初めて出来るようになった”新特技”それは、耳を動かせるようになった事です
子供の時に、弟は耳を動かせたのに、私は出来なかった。それが、出来るようになったのです
「愁眉を開く」と云うけれど、ついつい寄せてしまう眉間のシワを何とか広げたい、と思い、文字通り、眉毛を左右に広げるようにしたら、耳まで動いたのです。このコツを掴めば、アナタもできる、カモよ。 それにしても、退化してしまって出来ないと思っていた事が、出来る事を発見するなんて、子供に返ったみたいで、愉しい。
 来年は、どんな発見があるかな?

ゲボ風邪

2006-12-07 00:08:22 | Weblog
鬼の攪乱でござる
一昨日の午後、お腹が重いような気がしていたら、次第にムカムカッ(ゴメンあそばせ)
う~む、お腹に来る風邪なんてあったかしら・・?日頃、超タフと自他ともに認める私だが、一旦具合が悪くなっちゃうと、このまま一生具合悪いような気がしてしまう。とにかくげろっぱは、かなり苦しく、恐怖だ。お茶を飲んでも、胃腸が動くとげろっぱが来ちゃうので(ゴメンあそばせ)とにかく何も口にせず、ひたすら安静にしていた。手足が冷たく、貼るカイロを布団に入れた。熱は36.6度。私にとっては微熱かな。背中がドキドキするし、なかなか眠れない。それでもやっと眠ったらしかったのだが、激しい物音で目が覚める。恐る恐る起きて電気を付けて見ると、壁の掛け時計が落ちたのだ。チェストの上の棚に横たわっていた。床まで落ちずに済んで、壊れず助かった。梁に付けたフックが折れてしまったのだ。それにしても、そんな事まで起こるなんて、何という日だ。
 昨日は、朝、ウーロン茶を飲めるくらいまで回復した。ずっと寝ている訳にもいかないので、寝間着のまま、保育園の歌を仕上げた。夜は、おうどんを少し食べた。10時に寝た。眠れた。
 今日は、保育園に歌を1曲届ける約束だったので、起きて、昨日のおうどんの残りを食べた。お昼に保育園へ行った。「今日、わたし具合が悪くて・・」と云ったら、「ゲボですか?ゲボ風邪って呼んでるんですけど、今、すっごく流行ってるんですよ。保育園中で、かかってないのは3人位です。」と云われた。なんだ”ゲボ風邪”だったのか・・。世間で流行っていたんなら仕方ないか・・と妙に納得して、それからドン・キホーテへA4紙買いに寄って帰った。