室内楽の愉しみ

ピアニストで作曲・編曲家の中山育美の音楽活動&ジャンルを超えた音楽フォーラム

車内バトル

2007-08-19 22:43:53 | Weblog
昨日の電車内での出来事。
そんなに混んでいない湘南新宿線に新宿から乗った。大崎から横浜まで止まらない電車なので、渋谷までに座れるかどうか、渋谷駅が勝負の分かれ目になる。その渋谷駅で、目の前の方が席を立ち、降りたので座れた。私の左隣に立っていた20代前半のスポーツ系のオネーチャンも、目の前の人が立ったので、当然座ろうとお尻を是席に向けた瞬間に、左側から来た男に横取りされてしまった。

オネーチャンが「ナンダ、このオヤジ!」と呟いたのがハッキリ聞こえた。当然、オヤジにも聞こえている筈だけど、無視して文庫本を読み始めた。オネーチャンは気が済まなくて、縦に大きいスポーツバッグのポケットを開けるような仕草をしながらしゃがんで、オヤジにガンを飛ばしているが、オヤジはシカト。 さて、どーなるんでしょ、この続き

いつの間にか、周りの人々も気がつき、座っている人も立っている人も、遠巻きに見ていた。オネーチャンは、背は大柄で髪は短めのオシャレなおかっぱで、ツッパリ丸出し。オヤジの方は、60手前くらいのやや小柄で、短髪、メガネ、頭小さめの意地っ張り系の印象。

オネーチャンは溜息をつくと立ち上がり、自分のスポーツバッグをオヤジの足元に段々近づけて行った。一方オヤジはガムを取り出し、紙を剥いて口に入れると、紙を座席下の足元へ投げた。オネーチャンは、またしゃがんで「落とし物ですよー」と嫌みに言うけれど、オヤジ無視。

オネーチャンはまた溜息をついて立ち上がり、少しずつ少しずつスポーツバッグをオヤジの足元に近づけ、とうとう完全に足に凭せ掛けていた。 フツーそこまで、やらないでしょう? 私ならとっくに違う車両にでも移動しただろう。よっぽど、オネーチャンに席を替わってあげようか、とも思ったけれど、介入はやめようと思った。ただ、万一、暴力沙汰にでもなった時の覚悟をしたのは私だけではなかったのか、変な緊張した空気が流れた。

オネーチャンのバッグを押しつけられたオヤジは、じきに本を閉じて寝たふりを始めた。オネーチャンの方もバッグから文庫本と携帯を出して、本を読んだりメールしたりしていた。
 さて、電車が横浜に着いた。オヤジが降りようとしている。ああ、無事何事もなく済んだか・・と思った瞬間、オヤジはオネーチャンのバッグを突き飛ばして立ち上がった。何しろ、オネーチャンのバッグは縦に大きく、転がされると通路に大きく横たわった。オネーチャンは唖然として、声も発しない。オヤジは、まるで”してやったり”で悠々と網棚に置いてあった小さいリュックを下ろして背中に背負うを降りて行った。

オネーチャンはオヤジが去ったあとの席にドッカと座ったが、まだ憤懣やるかた無しの様子だった。(私だったら、そんなオヤジの体温がまだ残っているような椅子に座りたくもないが・・)オネーチャンは、バッグを開けて、中の物を引っ張り出し始めた。バドミントンのラケットが出てきた。オネーチャンの大きなバッグはバドミントンのラケット用だったのだ。 ラケットのガットが傷つけられていないか、また別の1本を出して点検している。そんな大事な物が入っているバッグなら、あんなオヤジに凭せ掛けるなよー、と心の中で言ってしまった。

オネーチャンの気の強さは、バドミントンの試合でこそ活かされるべきであって、あんな下らない、しょーもないオヤジになんか、エネルギー使ってやるなよー、と言ってやりたかったが、オネーチャンの若さが、ちょっぴり懐かしかった。

オマケですが・・・
家に帰ったら、また”ヤモリさん”が出ました。ベッドの上に脱いだ服を、たたんで仕舞おうと持ち上げたら、服の裏側にアニエス-b のロゴの様なモノがくっついていた。
ヤメテ~ あわてて床に着地するとヤモリはコソコソとチェストの裏に・・。ヤダモー。
前回は、チェストの引き出しからホコリが落ちた、と思ったらヤモリだったのだ。同じチェスト。まさか、チェストが巣だったりして・・ 攻撃的な生き物ではないことを信じて、とりあえず寝て、今日、恐る恐るチェストの裏を覗いてみたが、ヤモリと同じ色のホコリが沢山あるだけだった。掃除機できれいに吸った。チェストの背中側に穴や隙間は見あたらず、とりあえずチェストが巣ということはなさそうだ。

車内バトルと家内バトル、”バトル”2題のお粗末でした。