また三重県立美術館に行ってきた。今回の展示は『未来への贈りもの 岡田文化財団寄贈作品展』。
簡単に言えば、ジャスコ/イオングループで有名なお金持ちの岡田さんが文化財団を作って三重県立美術館に作品寄贈などを行なってきたのですが、それが30周年ということで、寄贈作品を一同に展示するという企画。
最も有名な作品は、マルクシャガールの『枝』(カラー作品)という油彩画。たしか三重県立美術館のオープン時の目玉作品で、何もない三重県ですから(笑)、当時結構にぎわっていたという記憶があります。これも今回、展示されていました。
シャガールについては、この作品以外に『サーカス』という版画が数十点展示されていましたが、独特のタッチと色彩は、一目でシャガールと分かる画風。モノクロの作品も何点かありましたが、カラー作品のほうが気持ちが明るくなっていいですね。
ほか超有名どころではルノアールの『青い服を着た若い女』。これを見るとモデルが吉永小百合では?と思ってしまいますが、いかがでしょう。
日本の画家では三重県ゆかりの曾我蕭白や宇田荻邨、日本近代洋画家の藤島武二や村山槐多らの作品があります。
なかでも曾我蕭白のふすま絵『松に孔雀図』はモノクロでありながら孔雀が生きているようで、凄い筆致。しかもすぐ後ろの松は濃い墨で力強く描いてあるのに主役の孔雀は薄墨で描かれており、何とも奇妙。でもそこがまた面白い作品です。
常設展も見てきましたが、いきなり色々な画家の自画像が何点も展示されていて興味深かったです。なかでもレオナール藤田(藤田嗣治)の『猫のいる自画像』は傑出。 藤田氏独自の繊細な線、色彩で本人と猫を描いているのですが、猫の憎々しげな表情がサイコー!
もちろん、ほかにもたくさんの絵画や陶磁器なども展示されていました。
前回、『元永定正展』に行ったときは一般900円でしたが、今回は企画展、常設展併せて500円。さすがに自前(所蔵作品)ばかりの展示なので安くできるのでしょう。これは超オトク!
今回の展示は7月20日(月)までで終わりますが、分かりやすい作品ばかりなので、行ける方にはオススメします。