いい女よりもいい男の数は少ない

男の恋愛ブログです。
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美しいものだけを見て生きていく

2016-03-24 10:09:55 | 日記
23歳の時にゲイデビューをし、自分が何者で、一体何がしたいのかも分からないまま出会い系サイトで人と会い続けた。ヤリ目的の人は相手にせず、ただひたすら真面目そうな方と会ってはみたものの、どうしても続かなかった。誰かと出会って友達になりたい。誰かと出会って恋愛がしたい。でも、その誰かが分からなかった。

水泳をしていたとはいえ体は細かった。髪もセミロングでおじさんにはモテたがマッチョなお兄さんには全く相手にされなかった。たまにカッコいい人からメールが来たと思えばただのやり目的で、自分はゲイの底辺にいるのだと実感させられた。

25歳になっても状況は変わらなかった。25という若さは全く武器になっていなかった。かたや掲示板で見る人達は皆カッコよくて、お店で手に取ったフライヤーで微笑んでいる同い年のゴーゴーに至っては神にも等しい存在だった。彼はバディの表紙を飾ったことで全国区に知れ渡り時の人となっていった。彼がいるようなクラブのイベントに参加したらどんなに楽しいだろうか。そうは思ってもどこか自分のような容姿の人間は行くべきではないのだと思い諦めた。

真面目な出会いも頭打ちだったし、思い付きでわずかな期間だけヤリ目的もいいかなと思ってきた。結論だけ言えば1年半ほどで足を洗って再び元の「純愛路線」に軌道修正するのだが、ここでは大きな武器を手に入れる事になった。

ブサイクはブサイクなりに生きていくしかない事をデビューしてからの2年で学んだ。出会いで高望みをしてはいけないということと、イケメンに相手にしてもらうためには色々と譲歩をしなければならないことも知った。周りはそこそこのマッチョに相手にしてもらう為なら薬や生も厭わず何でもやるようなブサイクが沢山いたが、自分はごめんだった。そこまでするくらいならゲイの世界から身を引いたほうがましだ。自分も底辺だとは言えプライドもあるし、夢も希望もまだあるのだ。そもそもSEXにそこまで自分は重点を置いていない。恋愛面で多少の譲歩を強いられても構わないが、危険なSEXを強要されてまで相手にしてもらいたいとは思わない。それくらいの自尊心だけは持ち合わせていた。

真面目な出会いからは得るものはなかった。だったらエロい出会いからは何かが得られるかもしれない。ゲイとして挫折していたが色々と諦める前にまだやっていない事があるのだと思うと少し元気が出た。そう決断してからは、ほとんど毎日知らない男とSEXした。週末は夕方と夜に1人ずつやりたかったので4人とやれるようにスケジュールを調節した。筋トレもしたかったし、友達とお茶とかもしたかったので、忙しい毎日だったように思う。誰も調達できなかった時は発展場に行って2人か3人とやってはいたが、誰ともやらずに帰る事の方が多かった。SEXするだけの相手に妥協する気にはなれなかった。

筋トレは楽しかった。やればやるほどマッチョになってきて、Mサイズのシャツがパンパンだった。当時は格闘技をやっていたのもあり、髪をばっさり切って筋肉の塊のような体に傷だらけで街を歩いていたせいか、ビデオのスカウトマンによく声を掛けられた。2丁目では後を付けられたり声を掛けられたりはザラだったし、バディの表紙モデルのオファーや下着メーカーの方からも連絡を頂いていた。そのようなメディアに出る事はなかったが、この1年半はとにかく筋トレしまくって格闘技をやってSEXをした。

ゴーゴーや売り専スタッフ、ビデオモデル、その他20代、30代の鍛えたウケから様々なコンタクトがあったと思うがよく覚えてはいない。恋愛でイケメンと出会う事はあんなにも困難だったのに、ただやるだけであればこうも簡単にマッチョなイケメン達と出会えることに驚いた。そんなヤリ目的の世界に身を置いていながらどこか距離を置いていたので、SEXにハマることもなかったし、相手がどんなにイケてても好きになる事もなかった。

何があったという訳でもなく、1年半くらい経った後、自分はエロから完全に引退した。元に戻ったと言った方がいいだろうか。遠い昔の出来事のような気もするし、他人の話のような気もする。何を得たのかは改めて書くことにするが、純愛だけでは何かが足りないのかなとは思う。やり目的は勧めないが、ただ真面目に出会っているだけだと相手は退屈なのかもしれない。

そして27歳の時、本当に好きな人が出来た。