アイデアリズム idealism daydream

金融会社社長達人事件

おつかれっすぅ!

1万円を10日当たり1万1千円で売る。

訳の分からない、でも間違いなく儲かってしまいそうな販売形態である。

ちなみに、商品としてお手元に渡るのは9千円だけだという。

利子分は天引き。

コンクリ詰めになって呉港に沈むのは時間の問題だ。

社長に相談する前に打てる手は打つべきである。

動産を売り、不動産を売り、労働力を売り、とにかく売れるものは何でも売ッたらンかィ!

だが。

子供を売るのはいかがなものか。

子役デビューで第二の安達夕実を、とか、無垢なハートの一番素敵な時を生まれたままの姿で写真に残し多くの人に伝えたい、とかいうような頭のネジが左巻きな話じゃなくって。

ズバリ、子供に値札を付けて売り飛ばすケースだ。

現場はアメリカ合衆国アーカンソー州リトルロック地方裁判所。

正義を司る判事は悩める子羊と化した。

そもそも、ミズーリ州セントルイスのとある家庭に玉のような双子の女の子が生まれたところからこの物語は始まる。

お母さんは大喜びで言いました。

「早速ネットに載せなきゃ!」

インターネットでは自殺も扱うけど、養子縁組も扱う。

どンな事情があったかは計り知れないが、とにかく養子縁組サイトにアクセスしたのだ。

どういうものかと言えば、世の中には養子に出したい人がいれば、養子が欲しい人もいる。

そこで両者の仲立ちをして、双方の条件を刷り合わせてベストマッチを選ぶ。

想像してみて欲しい。

メ一杯可愛さを演出した子供の写真をデジカメで撮ってエントリーし、そこに希望者は金額を提示し、最高額を示した人が落札。

ネット・オークションな訳だ。

あーキミキミ、「人身売買」とか人聞きの悪い事を言わないよーに。

これはァ、飽くまでもォ、困ってる人を助けるための一種のボランティアみたいなものだから、ハッハッハッ!!

合理社会で生きる人々とのセンスの違いをヒシヒシと感じさせてくれる。

そして、制限時間内で最高価格を出してくれたのは、カリフォルニア州のあなた、

落札金額6,000ドル!

おめでとー!

「ワーッ、パチパチパチ」(やらせ)

ちなみに日本円では、何と約70万円なンですねネェ!

「エーッ!! ガヤガヤガヤ」(仕込み)

通販だけにおトクなお買い物なのだ。

これだけなら売買契約成立、振込み確認出来次第宅急便で送れば以上終了。

人道上の問題は売りに出した段階で無視されてるからもう知らん。

ところがオークション終了後に横槍が入った。

それもイギリスはウェールズから。

スゴイやインターネットって。

「オレは8,200ポンド出すぜ」

日本円に直すと140万。

倍だよ倍。

お金が欲しくて子供売るンだもの。

こンなおいしい話はないよね。

セントルイスはカリフォルニアとの話をあっさりほごにし、コンビニで新しい配送伝票もらってサクッとイギリスに送ってしまった。

ネット上売買のルールは寡聞にして知らないが、取り合えず子供を売り買いしようという段階でとっくの昔にルールもへったくれもなくなっているのだ。

これだけなら「ネット・オークションのちょっといい話」で済む。

しかし、セントルイスの母は思った。

「ああ、あたしの可愛い娘達! あたしの赤ちゃン達を返して!?」

そう、母の愛は海より深い。

子供には親の愛情が不可欠なの。

それがヒトってものだろう?

ネット・オークションに掛けた当たりでド畜生になってる以上手遅れのような気もするが、そこは自由と訴訟と弁護士の国アメリカ。

セントルイスの母は訴えた。

「マイ・スィート・ベイビーを返してッ!!」

ウェールズの母だって黙っちゃいない。

「てめー、やりやがったなッ、愛する娘をあンたなンかに返せるかッ!?」

カリフォルニアの母まで加わった。

「やられたらやり返すッ! 先に競り落としたのはあたし! 愛してるのもあたし!」

1組の子供に3人の母。

アーカンソーの大岡越前状態。

「では、その方等、これなる赤子の手を引いて見よ。見事引き勝った者こそ真の母じゃ!」

実の母なら痛がって泣く子供が不憫で、真っ先に離すだろう、というまさに深謀遠慮。

いよッ、名奉行ッ!

しかし加藤剛を知らないアーカンソー判事は悩むしかない。

アーカンソーは悩みに悩んで、ついに決断した。

「そーゆー事はウチじゃなくッて、赤ちゃんが生まれたミズーリ州でやって」

他人に振るだけ!?

「よろしっくぅ!」ッて感じッスか!

全ての局面で、何か、根源的に重要な事が欠落している。

取り合えず判事だけでも「機動警察パトレイバー」を読んでみてくれないか。

関係者のどいつに任せても子供達にとって良くない環境を備えている。

波瀾の幕開けでドラマは始まる。

it時代の世界名作劇場はその第一歩を踏み出した。
名前:
コメント:

※文字化け等の原因になりますので顔文字の投稿はお控えください。

コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

 

  • Xでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

最新の画像もっと見る

最近の「掲示板のバックアップ (ロアノーク氏の達人事件)」カテゴリーもっと見る

最近の記事
バックナンバー
人気記事