「グラスワイン1ツ!」
そンな時代もあったねと、いつか笑える日がくるかしら、と思っていたら割と早く来たので、これはもう笑うしかない。
回る回るよ時代は回るのだ。
1度は人の目から隠されたとしても、再びギャラリーの前に現れる日はやってくるのだ。
奈良県明日香村のキトラ古墳での壁画発見は、
「あるに違いない!」
と、いう揺るぎ無い確信のもとに調査が行われた末の発見だったという。
なにしろ、既に玄武・白虎・青龍の画が見つかっていたそうな。
これはもう、専門家ならずとも期待してしまうでしょう!
これで見つけたのが偶然居合わせたちょっぴりお茶目な女子中学生だったら劇的だったのだが、今考古学会において「演出」の2文字は危険過ぎるので、期待するだけ気の毒とも言える。
朱雀、満を持しての発見。
この大発見の周りにも他に画が描いてあったらしい、という。
しかし、朱雀の画と比べて保存状態が悪い上に、どうも曖昧な画だとか。
ヘタ、ッて事でしょうか。
朱雀はセンセイが描いたンだけど、周りはアシスタントとか、事によるとシロウトが描いた、というような事は無いだろうか。
当時のセンセイが腕を振るう場といったら、こういう墓のカベやら宮殿のカベやら王の部屋のカベやら、全面的にウォールアート態勢であったりした事だろう。
他に描くとしたら、板だの布だの粘土板だの、ゴツいツールばかりで、紙などという高級品が売り込まれるまでにはまだまだブランクがあったと思われる。
センセイは王様の墓に描くからいいけど、他の人はどうしたのだろう。
頂点に立つ者が現れる裾野には、大勢の絵描き志向が付き物だ。
王様の墓に描いたりする程じゃなくても、とにかく画を描くのが楽しい人が、まあそれで生活は出来やしないだろうが、いたりはしたのではないか。
また、立派な画なンてェものは王様の墓の中に描くくらいだから、庶民とまでいかなくてもちょっとした小金持ちくらいでは見る事も出来なかった事だろう。
そンな双方のニーズが合致して、王様の墓ならずとも、画の交歓が行われていたとしたら。
同人のルーツ!
まさに同志ッ!!
「板子お願いしますッ」とか言われて、杉板にディフォルメの効いた朱雀描いてたりしてはいなかったか。
原始のコミケ。
「こみっくパーティー」。
娯楽と欲望が渦巻く世界は、時代が回っている証左。
そして現代のコミケを知るならばここは見るしかない。
諸君の中には或いは行った事がある者もいるかもしれないが、私も昨年夏、東京ビッグサイトでのコミケに行った経験がある。
娯楽と欲望の聖地だった。
熱気、異臭、人だかり、行列、皆あった。
美少女との偶然な出会いは、無い無い。
「偶然の出会いから始まるストーリー」の同人誌は売っていたけど、ドキュメントとしてのそんな風景はありゃしない。
イザ、行ってしまえば脳はドーパミンに支配されて、そんないけずうずうしい事にまで回るハズも無い。
同化しちゃってます。
こんにち、改めて本編を見て、「えッ、そンな人間ドラマがあったりするの!?」と驚愕一頻りである。
もうびっくり。
冷静な人間にはそのクールさに相応しい展開が用意されている、という事でしょうか。
現場に行くと押さえ切れない血の熱さにたちまち目が吊りあがる人間には見る事が出来ない世界かもしれない。
ここはブラウン管の前で、客観的にイベントとそれを取り巻く人間模様を見つめ直すべきだろう。
人の振りして我が振り隠せ。
これはコスプレの要諦とは言えまいか。
さあ、オープニングから目を離すな。
会長の面影を脳裏によぎらせながら注目だ。
曲は「君のままで」!
キミのぉままで、変わらーないでッ!!
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