アイデアリズム idealism daydream

被害者は反故される刑事裁判 その3

その2から

「閲覧したいんですけれどどうしたら良いのでしょうか」
「1Fに"記録係"があるのでそちらで申請して下さい」
「コピー取っても良いのでしょうか」
「そちらも"記録係"で"謄写(読み:とうしゃ)申請"する必要があります」

また検察庁へ行かなきゃいけないのか・・・
っつーか、コピー(謄写)取って郵送かなにかで送ってくれればそれでいいのに・・・気の利かぬ奴めがっ!

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 そういうわけで仕事が終わると掃除もソコソコに脱兎の如く退社し、急いで検察庁へ赴く私であります。

ここ一体何回目だろう・・・

 厳重な警備の中、もはや顔なじみの私はまるで自宅に帰る風に車を停め、受付へと急ぎました。

ここに慣れてるって事自体がダメじゃん

 受付で"記録係"の場所を聞き出しました。"記録係"はどうやら受付の隣のようです。何回も訪れているにもかかわらず全く気づきませんでした。
 まぁ、検察庁の廊下は照明が少なくて薄暗く壁も暗い色の板でできており、部屋の表示も15cmくらいの物差しのようなパネルなので見過ごしも無理無いか・・・と思いつつ(部屋の中に入ると一変して明るいのですが)。

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「あのー、刑事訴訟の判決を閲覧謄写したいのですが」
「それではコレとコレ(閲覧謄写申請書2枚)と、あとコレ"弁護士協同組合への謄写委任状"を書いて下さい」
「えっ・・・弁護士協同組合?!」

 話を聞いてもよく分からなかったのですが、どうやら「裁判所」と「検察庁」「弁護士」は"それぞれ何ら関係がないですよと証明するため"にワザワザこういう煩雑な手続きが必要のようです。

そんな事言ったって、裁判所も検察庁、弁護士会の建物は地理的に全部隣同士じゃん

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 あまり納得のいかぬまま、言われるままに書類を書く私。収入印紙も渡してハンコもつき・・・

「謄写閲覧理由の欄なのですが・・・ご自身の謄写閲覧理由は何ですか?」
「(刑事訴訟)判決を持ちたいからです」
「持ちたいからっていうのは理由にならないのですが」
「は? 持ちたいという要求はどうして理由にならないの?」
「(動機が)弱過ぎます。持ちたいだけでは申請が通らないでしょう」
「アンタ、何言ってんの!! 私は被害者(原告)なんですよ!! 事件の結末を知りたいとか形として手元に置きたいのは"人間として自然な欲求"なんじゃないンですか? 私、何か間違ったことを言っていますか? どうなんです?」

「そうは言われましても・・・」
「そうもこうも無いンです。
 私がこの間、検察庁へ電話を入れるまでこの事件の結末を知らなかったんです。おかげで約一年間も無駄な時間を過ごしてしまいました。罰金を科すだけで足掛け3年ですよ。判決が確定した時点で電話の一本でもくれればこんな事にはならなかったのです。
 その間にも私は精神的苦痛で病んで苦しみ、民事訴訟では"財産開示命令"にも従わないどうしようもない被告だし。
 アンタたちに仁や義など、そもそも正義と言う言葉は無いのですか!!」

 検察庁の一介の記録係の人にギャンギャン八つ当たりしてもしようがないとは思いつつ感情が溢れ出て止まらなくなってしまった私。

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「うーん・・・そうですねぇ。では、あまりゴチャゴチャ書かず"民事訴訟のため"とお書きください。ただし・・・」
「ただし、何ですか?」
「どんな理由であれ、事件に直接関係ない被告のプライバシーに関わる事柄が黒線で削除される可能性がありますので予めご了承ください」
「そうなのか? 罪人(=被告だが刑事訴訟が確定しているので)にプライバシー云々とは世も末だな。コッチは(民事訴訟もやってるから)どんな些細な情報も知りたいというのに」

「検察官がお決めになる事ですので、私どももどうする事も出来ないのです。また、判決が確定した時点での情報ですからその点もご了承くださ・・・」
「そんな野暮な事は散々聞き飽きました。被告は少なくとも過去4回も居場所をかえています」
「そうですか・・・」

「以前、検察官に散々お話ししましたが、この一連の事件や結果は"国の判断、国の意思"だと私は思っています。
 もし国が私を反故する(見捨てる)ようであれば、私も国に対して膝を折らず(=従わない)、私自らの手で最後まで戦い抜く覚悟です」

その4

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