どうでもいいこと

M野の日々と52文字以上

12/21の雑感

2011-12-21 16:51:02 | インポート
まず北朝鮮でのあの慟哭について。
確かにあの泣き叫ぶ姿は異常だ。これを見て洗脳国家というのも理解は出来る。ただ一つだけ押さえておかなければ行けない事がある。
北朝鮮は共産主義国家でもあるが、儒教思想に基づく王国でもあるという点だ。ここを忘れて洗脳だというのははやとちりだろう。
死者に対して泣くのは礼であるのだ。礼であるからこそ、大声で大げさに振る舞う必要がある。このため葬式のときになき女を用意する風習もあったという。つまり泣き役のアクターを用意するのだ。
この習慣は、ちょっと理解出来ないかもしれない。そう思ってよくよく映像を見て欲しい。すこし儀式張っているのがよくわかるだろう。更に日成と正日との泣き方の違いもよくわかるだろう。日成の場合本当の国父だった事もあり、お父様と叫ぶ姿が見られる。それにあわせてドラマティックだ。正日の場合、叩頭の姿が目立つ。神に対する様式だ。儀式張っているのはそのせいだろう。
その上で、映像そのものの問題がある。これらがやらせだとは思わないし選ばれた人たちを集めた結果だとも思わない。結局そういった場しか撮影されずに報道されないだけの問題だ。こういった状況でも冷静に振る舞っていなければ行けない人はとても多い。大体カメラマンが泣いていたらこういった映像はないのだ。
実はこの騒ぎの影で、長男の正男がどうなるのかが注目されている。北朝鮮に戻るかどうかなのだ。儒教世界では父の葬儀に出ないという事は、最大の親不孝だ。出ないという事は、よほどの政治体制の変化が無ければ北朝鮮に絶対戻れないという事だ。正当性を完全に喪失するのだ。それでは葬儀に出席したらどうなるのか。幽閉される事は目に見えている。場合によっては暗殺もあり得る。
今一番泣いているのは、正男だろう。ディズニーランド大好きな人の良さそうな彼の胸中はいかばかりか。



次の話題は、日本の次期戦闘機。
F35に決まった。これはある意味妥当な事だが、私はどうかと思っている。ロシアのことわざに「袋の中の子猫を買う」というのがある。この決定は間違いなくそう。
実験段階の戦闘機だ。国内生産出来るかどうかもよくわかっていない。納入価格も不明だ。大体の所量産出来るかどうかも解っていない。納品時期に間に合うかどうかはもっと不明。アメリカが自国用を一気に確保して日本向けを後回しにする可能性すらある。
強いて言えば先行予約割引はあるかもしれない。いま導入予定している国とあわせて生産量がまとまるからだ。
しかし、軍人が最新鋭を求めるのはよくわかる。負けると解っている機材に命を預ける気は起きない。まだ可能性のある期待の方がマシだ。特に中国がステルス機を開発している以上、F18は古すぎた。ユーロファイターはちょっと弱かった。
中国がこの決定を非難している。これはよくわかる。なにしろ中国本土を攻撃出来る機体だ。この件はF15を導入したときもそうだった。ただここには厄介な問題がある。先守防衛のための戦闘機ってどうゆうものかという事だ。圧倒的な馬力で、敵の戦闘区域に敵より早く到達しなければ行けないのだ。このためオーバースペックな機体が要求されてしまうのだ。F15導入の時も論争になったのだが、隣国を脅かさない航続距離や、戦闘性能ではF16のほうが圧倒的に上だった。そして安くて運営費も安かった。それが高価なF15になったのはその瞬発力だった。
しかしだ、今回震災で自衛隊の装備品が貧しい事がよくわかった。無線は装備が古すぎて逆にうまくいったとか、古すぎて故障していた無線機が多くて携帯電話を使っていたとか。寒冷地に派遣されるのに、セーターが支給されずに、派遣される隊員は自腹で購買部からセーターを購入していたとか、その貧しさが多く伝わった。経費削減のために炊き出しを民営化していたのだが、その民間が震災で動けなくなってしまったというオチまでついた。
自衛隊については憲法問題以外にも、一杯考えなければ行けない事が多い。特に費用対効果についてだ。そして一人一枚のセーターくらいは支給出来るようになるべきだろう。予算のGNP1%条件も少し考え直した方が良いだろう。



今度は韓国との件。
北朝鮮問題があるので、韓国とは密接にならなければ行けないのだが、ちょっと前から従軍慰安婦問題が頭をもたげている。この問題は非常に深い。
まず法的な問題だが、国交を正常化させたときにこの問題は収まっているという日本の立場だ。これは正しい。その上超法規的にお見舞金を出した事もあった。更に日本側の調査では、軍が慰安所を民間委託していたという事。そして朝鮮人の売春婦を集めた。この民間団体は終戦直後に無くなった。このため国の関与がどの程度なのかはっきりしていない。
さてここまで読むと、怒りだす人もいるだろう。ただ私の認識はもう少し違う。
売春婦には人権が無いのか?ということだ。売春組織そのものが現在では人権蹂躙の組織だが、そこはまず置いておこう。でないと話しが進まない。
まず拒否出来ない状況にあった。どんな売春婦でも拒否権は本来ある。その上その労働が苛酷すぎた。そして逃げられなかった。この時点で人権を無視した労働ではなかったのか。当時はそんな認識が無かったという人もいるが、慰安所という組織の中で行われていたそのものが問題なのだ。
個人的な考えだが、集められた女性の中には騙されてつれてこられた人も一杯いるのではないのか。その上終戦で軍票は全くの紙くずになった。そして韓国内で、慰安婦という事で差別を受け続けた。
ここを考えない議論は、嫌いだ。
韓国はこれらの件を含めて、学者の間で歴史資料の擦り合わせや共同研究をしようという動きがあるが、日本は拒否している。ここには更に厄介な問題がある。戦争中の資料を終戦時にかなり焼いてしまったのだ。これがかなり祟っている。書類を焼きまくった時点で、悪い事を隠したという証拠になるからだ。軍事機密だったから焼いたというのは、あまり説明になっていない。なぜシビリアン部門まで焼いてしまったのかはの説明にならないからだ。
ただ残念な事に、B級戦犯の裁判で、軍が占領地の一般人のオランダ人を慰安婦にしようとした事件がある。この事件は証言者が真っ当なので精度が高い。これでもう軍が何を考えていたのか解りそうなものなのだが。
右も左も怒りそうな中途半端な議論だが、問題があるのは確かだ。これをどうするかは国家賠償をどうするのかという話しではない。ドイツのように、歴史研究を共同で100年かかろうが進めるしか無いのだろう。
でも、どうしてもこういった事で勝ち負けと考えてしまいがちだが、歴史は作られるものである。この点を忘れては行けない。
しかし、今の時点で問題になっているのは両国にとって全く良い事ではない。



最後だが、今回の北朝鮮への政府の対応を自民党が遅いと非難している。確かにこの件に関しては自民党には多くの専門家がいる。意識の違いがあるのは解る。
だがここは非難していれば済む問題なのか?逆にこの問題では与党と協力体制を築くべきではないのか。そういった事態だ。
確かに現在の防衛大臣には資質の問題がある。だがこの急な事態では、変えられないだろう。変えるとすれば今週中だが、難しいだろう。現実的には副大臣を中心に超党派の極秘チームを作るべきだ。イザという時のために。
こういった対案も作れない自民党は、本当は何をしたいのだろうか。


八時の芝居小屋・クリスマス

2011-12-21 15:12:12 | インポート
Dsc_0254_2


盛岡は演劇の盛んな街なのは前にも書きましたが、八時からの芝居小屋という企画があります。仕事帰りでも芝居が見れる時間帯に上演して、時間も1時間前後、長くても1時間半までで終わるようになっています。
ずいぶん長く続いている企画なのです。12月21から23日まで沼邉茂希作の「サンタクロースはいる・いない・こない」が上演されます。これのゲネプロを撮影してきました。
沼邉君のこの本なのですが、岩手大学劇団かっぱにいた頃、冬期公演のために書き下ろされたものです。盛岡でも一度上演された本が再演されるのはわりと珍しい事なのですが、学生の本で再演は極めて珍しいものです。これで沼邉君は「レジェンド・オブ・ジャパン」に次いで二作再演された、かなり珍しい例になりそうです。
中身は、極めてオバカです。元々がそうなのですが、この再演では社会人がかなり入ってますので、深みが加わった分更にオバカになっています。この公演ではキャスティングがかなり優れています。それが物理的に濃厚に舞台上に展開しています。まず見応えは十分です。
震災・原発・ユーロ含む社会経済状況・北朝鮮問題などで疲れた心には、ピッタリかもしれません。
詳しくはhttp://8siba.com/modules/pico/index.php?content_id=7こちらまで。



Dsc_0406


本公演での注意点があるとすれば、客席と舞台が近すぎる事でしょうか。かなりの迫力です。特にオカマサンタがすごいです。
あと八芝としてはちょっと長い芝居です。ご注意ください。