どうでもいいこと

M野の日々と52文字以上

本年度のまとめ2続き

2011-12-27 23:47:35 | インポート
最も問題なのは、世界経済だろう。
ここに資本主義経済の最大の弱点が現れる。
経済は成長し続けるという基本条件があるからだ。国債がこの意味では大きい。
成長を前提に国債が発行されていた訳だが、それが難しくなっている。しかしこのような問題は70年代にすべて現れている事なのではないのか。なぜ今更これが問題になるのか?それは冷戦というムダ使いがあったからゴマかされていただけかもしれない。
確かに家計簿のように世界経済を見るのは間違いだ。パワーバランスがある。しかしそれがわずかにずれただけでユーロの問題は拡大した。
成長を前提とした資本主義モデルはどうもうまく行かなくなっている。なので新興国を食い荒らすのが前の話しだった。今ではかなりそのへんは我慢しているように思える。
しかしこのユーロ危機で、実態経済が弱体化しているのが本当に良く解った。国家は実体経済に依存しているのでこの辺は余りにも大きい。
そもそもギリシャの問題は、ギリシャを信じられない事ではない。ギリシャの帳簿が問題である。国家が企業と同列に扱われているからだ。
国家は貨幣に換算される。そこにある歴史から意味まですべて換算された結果が今回だ。
そこには成長するという信任があったはずだ。
すべての経済モデルが瓦解する可能性を持っている。今後世界は成長しない。この命題に対してだ。


昔宴席で、地球温暖化に対してまあ当たり前の熱だけはあるクダラナい議論が酔っぱらいであった。そこに私が「WTOだと思うんですが、現在のアメリカ人の生活をして地球が温暖化しない人口は2億人と聞きました。」といってしまって宴席の空気を凍らせた事があった。
凍る程度の議論であった。その程度の人しかいなかった。でもそれは曖昧で空気のような話しだった。だがそれが今目の前にある。確実に見えている。
成長しない経済という次の世界を考えなければ行けない。これは少なくとも20年続く。次世代エネルギー源が成立するまでの話しだ。


善意について

2011-12-27 21:24:54 | インポート
以前盛岡で行われた哲学カフェでチラっと引用された記事全文を出す。
とはいっても、このまとめ記事をメールで確かにこの薪に関わったNPOに出したのだが、返事が無かった。それ以外にも岩手大学の教授にはプリントアウトを出していたが、いったいどこがどうなって、引用されたのかはよくわからない。



「善意」について
~錯綜した陸前高田・高田松原の松薪~

 この件はネットを含めてかなりの騒ぎになった。初めは善意からはじまったものが、悪意に近い結果になり、それに対してのネット上の反応が大変な事になった。ここでは岩手日報上での記事を中心に、部分的に産經新聞を用意した。当時聞いた伝聞なども挟みながら簡単にまとめる。このため岩手日報の記事は、岩手日報と書いていない。
 なお当初いっぱいあった新聞記事だが、重要と思われていない記事はかなり削除されている。ネット上ではこれら記事をスクラップしているものもあるとは思うが、それらは参照しなかった。

報道記事

5/14

津波で流された松、まきに再生 陸前高田で福井のNPO
東日本大震災で白砂青松の景勝地「高田松原」が壊滅的な被害を受けた陸前高田市で、福井県坂井市のNPO法人「ふくい災害ボランティアネット」が流された松の木や倒壊家屋の木材などをがれきの中から回収し、まきに加工して販売するプロジェクトを立ち上げた。収益は陸前高田市に寄付する方針だ。
 松は震災前、市の海岸線約2キロにわたり約7万本が並んでいたが、1本だけ残して津波で流され散乱。3月下旬から現地でボランティア活動をしている同ネットの東角操代表(53)が「住民が親しんでいた松を機械的に処分するのはもったいない」と発案、市に提案し了承を得た。
 流された松の総量は10万立方メートル以上とみられ、滝沢村のまき販売会社「D’STYLE」の橋本大治社長(37)が加工方法を指導。1立方メートル8800円で販売する予定で、まきに加工するボランティアも募集している。


注)陸前高田は林業の街でもあるので、当初このプロジェクトは一旦仕事を作るという意味でも注目された。


6/3

【陸前高田】がれきの松、まきに加工 滝沢の業者
滝沢村のまき販売業D’STYLEの橋本大治社長らは2日、陸前高田市高田町の浸水域で白砂青松の景勝地、高田松原の松をまきに加工する作業を始めた。
 高田松原には震災前、約7万本の松があったが、1本を除き津波で流失した。がれきの中から回収した松をまきに加工し1立方メートル8800円で販売。収益を陸前高田市に寄付する。まきへの加工プロジェクトは、福井県坂井市のNPO法人ふくい災害ボランティアネット(東角操代表)が主催。橋本社長らが加工作業を担っている。
 橋本社長は「松をまきとして再生することで生かしたい」と語る。4、5の両日、まき割りを手伝うボランティアを募っている。問い合わせはD’STYLE(019・699・1123)へ。


注)この薪のプロジェクトは、薪の皮からセシウムが検出された事から現在中断している。ホームページ参照の事。


6/18
高田松原のマツでかがり火 京都の「大文字」
 津波の被害を受け、まきとして再利用されている高田松原(陸前高田市)のマツが、「大文字」で知られる京都の夏の風物詩「五山送り火」に使われることになった。東日本大震災で家族を亡くした遺族らが、かがり火をともす割木にメッセージなど思いをつづり、犠牲者の鎮魂を祈る。
 高田松原のマツの使用を企画したのは、大分市の絵画教室主宰藤原了児(りょうじ)さん(60)と次男俊太郎さん(31)。
 了児さんが自宅のストーブに使うまきを探していたところ、高田松原のマツが販売されていることを知り「自分にも何か支援できないか」と思い立った。
 「大」の文字を管理するNPO法人大文字保存会の松原公太郎理事長(58)に電話で協力を依頼したところ、不思議な縁もあった。
 五山送り火は火力の強いアカマツを使用しているが、高田松原のマツも同じ種類。松原理事長は観光で陸前高田市を訪れたことがあり「朝日に照らされた美しい高田松原は鮮明に覚えている。送り火で被災者の心が少しでも安らいでくれればうれしい」と快諾した。ほかの保存会にも協力を呼び掛けるという。
 藤原さんは同市に5日ほど滞在し、長さ約50センチ、幅7センチ程度の割木を約200本作った。「岩手とは縁もゆかりもないが、何かしなければ一生悔いると思った。きちんと供養できない人も多いはず。思いを自由に書いてほしい」と呼び掛ける。
 メッセージの書き込みは、同市矢作町の鈴木旅館で7月末まで受け付ける。


 注)メッセージ入りの薪は、屋根の下で特別に管理されていた。



8/6
陸前高田の松、送り火取りやめ 京都で汚染不安の声
 京都市で16日に行われる「五山送り火」の一つ「大文字」の護摩木として、東日本大震災の津波で流された岩手県陸前高田市の松を使う計画が、放射性物質の汚染を不安視する声を受け、取りやめになったことが6日、関係者への取材で分かった。
 大文字保存会は京都に松を運ばず、陸前高田市で迎え火として使う方向。代わりに、遺族が祈りの言葉などを書き込んだ松の護摩木を写真撮影して別の木に書き写し、大文字で燃やすよう調整している。 送り火は盆に迎えた先祖の霊を送り出す伝統行事で、大分市の美術家藤原了児さん(61)が「被災者が松に思いを託し、心の整理がつくのなら」と発案した。


注)大文字焼保存会の中で、かなりな議論になったらしい。多数決で決定したと聞いている。



8/7
産經新聞
被災の松での京都の「送り火」 放射性物質不安の声で中止
2011.8.7 21:42
 京都市で16日に行われる伝統行事「五山送り火」の一つ「大文字」の護摩木として、東日本大震災の津波で流された岩手県陸前高田市の景勝地「高田松原」の松を使うことを大文字保存会が計画したところ、放射能汚染を不安視する声が京都市などに寄せられたため、急(きゅう)遽(きょ)中止となった。
 用意していた護摩木は約400本あり、遺族の名前や祈りが書き込まれたが、保存会は京都に運ばず、8日夜に陸前高田市で迎え火として使う。さらに護摩木をすべて写真撮影して別の木に書き写し、京都の大文字で燃やす予定。
 送り火は、盆に迎えた亡くなった人の霊を送り出す宗教行事。陸前高田市の鈴木繁治さん(66)が中心となって護摩木を集め、7月下旬に当時集まっていた約300本を京都市と保存会がすべて検査。放射性物質は検出されなかったが、「子供に後遺症が出たらどうなるのか」「琵琶湖の水が飲めなくなる」といった声が京都市などに寄せられ、保存会は8月に入って中止を決めた。
 保存会の松原公太郎理事長は「少しでも被災者の方の思いをくみ、16日には心を込めて送りたい」と話している。




注)松原光太郎理事長は、中止が決定した時も陸前高田にゆき、陳謝している。個人的にはキッチリとしている。坊主頭になったという記事もあったと思う。
なお大文字焼保存会では、事前に放射能検査していた。結果計測限界値以下であった。計測部位は、薪本体であって皮ではなかったようだ。それでも保存会内で反対があったという。




8/9
被災松、祈り夜空に 陸前高田で迎え火に涙
 陸前高田市矢作町の下矢作多目的研修センターで8日、高田松原の松が「迎え火」として燃やされた。当初、京都市の五山送り火の一つ「大文字」で使用されることになっていたが、放射性物質の汚染を不安視する地元住民の反応を受け、取りやめになった。
 帰省者や住民ら約50人が集まり、高さ約1メートルの井型に組まれた333本の松に火をともした。
 犠牲者への哀悼の言葉などが書き込まれた松を全て使った迎え火は高さ4メートルほどまで激しく燃え上がり、火の粉が夜空に吸い込まれるように昇った。住民は合掌したり涙を流しながら思いをさまざまに炎を見つめた。
 同市出身で帰省中の女子学生(22)は祖母と親戚、同級生を亡くした。「京都の対応は残念だったが、直接手を合わせられて良かった。思いが天国まで届けばいい」と見守った。京都での中止を受け、地元で松を燃やすことを呼び掛けた鈴木繁治さん(67)は「みんなの思いを絶対に無駄にしたくなかった」と思いを語った。
注)ここで燃やされたのはメッセージを手書きした薪である。その後京都に送られた薪はメッセージは入っていない。

産経新聞
五山送り火被災松使用中止 抗議・非難の電話殺到
2011.8.9 01:23
 京都市内で16日に行われる「京都五山送り火」の一つ「大文字」で、東日本大震災の津波で流された岩手県陸前高田市の名勝「高田松原」の松で作った護摩木を燃やす計画が放射能汚染を不安視する声を受けて中止となったことに対し、京都五山送り火連合会の事務局がある京都市文化財保護課に非難が殺到している。
 計画の中止が報じられ、休日が明けた8日朝から同課では電話が相次ぎ、約100件に上った。その大半が「被災者の気持ちを無駄にするのか」「京都のイメージダウンにつながる」などと計画中止を抗議、非難する内容だった。
 さらに市政情報総合案内コールセンターにも7日に45件、8日に166件(午後5時まで)の電話とメールが寄せられ、9割以上が中止反対の意見だった。
 今回の中止について、福島県飯舘村職員の杉岡誠順さんは「放射能汚染を恐れる気持ちをもつ人がいるのは致し方ない。ただ、今回のことで東北の人々は大変ショックを受けた。中止反対の声もあると聞くと励みになったが…」と話した。
 被災者に犠牲者の名前や祈りを書き込んでもらった護摩木は約400本集まった。京都市などの検査で放射性物質は検出されなかったが、汚染を心配する声を受けて大文字保存会が中止を決定。護摩木は8日夜、陸前高田市内で迎え火として燃やされた。
 保存会のメンバーは現地で護摩木を写真撮影しており、京都市で別の護摩木に書き写したりして16日の送り火で燃やすという。
 被曝医療に詳しい鈴木元・国際医療福祉大教授(放射線疫学)は「放射能を怖がるレベルが極端になりすぎている。護摩木から放射性物質が検出されていないのに、中止を求めたりしたことは過剰反応に間違いない」と話している。



注)京都市が中止に至った市民の声は、数十件だった。20件とも言われている。中止決定後の報道、そして陸前高田でメッセージ入りの薪を迎え火に使ってからの報道で、中止反対意見は最終的に2000件集まった。




8/12
「大文字」も一転、受け入れ 陸前高田の被災松
 京都の「五山の送り火」に陸前高田市の松を使うかどうかの問題で、運営する五つの保存会のうち、受け入れ中止をいったん決めた「大文字保存会」が11日、方針を転換し、同市から新たに運ばれた松の薪(まき)を燃やすと表明した。放射性物質による汚染への懸念に端を発した混乱は、五山すべてで陸前高田市の松が燃やされることで決着した。
 大文字保存会の松原公太郎理事長は取材に「陸前高田市の人たちに大変迷惑を掛けた。振り回してしまい、心よりおわびする」と陳謝した。
 11日午後、陸前高田市から薪500本が京都市役所に到着。放射性物質の検査をして安全を確認後、観光客らに被災地への思いを書いてもらい16日の送り火で燃やす。一部の薪は15日に市役所前の広場で開く平和関連のイベントでも燃やす。


注)五山送り火はそれぞれの自治会が行っている行事である。なので決定権は自治会にある。この中止決定の件で、京都市に苦情が殺到したが京都市は、当初自治会の決定なので市は関与出来ないと言っていた。しかしあまりもの苦情になんらかの関与をしたと思われる。全面的に京都市長が会見するようになり、まず大文字焼以外の自治会が、受け入れを表明した。これに対して大文字が受けたことになっている。




8/13
京都での送り火再度中止 松の表皮からセシウム
 京都市で16日に行われる「五山の送り火」に関連し、陸前高田市の松を使う計画がいったん中止になった問題で、京都市は12日、新たに取り寄せた松の薪(まき)の表皮部分から放射性セシウムを検出したため、使用を断念すると発表した。
 京都市によると、民間の検査機関で同日、500本の松の表皮を少しずつ切り取ってまとめて検査した結果、1キログラム当たり1130ベクレルのセシウムが検出された。セシウム134が542ベクレル、セシウム137が588ベクレルで、松の中心部分からは検出されていない。
 門川大作京都市長は使用断念の理由について「放射性物質が検出されるかされないかが判断基準だった。野焼きについて国の安全基準はなく、市が独自に判断することはできない」と話した。
 その上で「断念せざるを得ないのは残念な結果であり、陸前高田市や被災地のみなさんに心からおわび申し上げる」と陳謝。「今回のことが被災地の産品に対する誤解につながることがないようご理解をお願いします」と述べた。



8/16
陸前高田の松、千葉・成田山へ 9月に「おたき上げ」
 東日本大震災の津波で流された陸前高田市の景勝地「高田松原」の松の木が、震災で犠牲となった人たちの供養のため、千葉県成田市の成田山新勝寺に送られることになった。9月25日の「おたき上げ」で、祈願成就のための護摩木と一緒にたかれる。関係者が14日明らかにした。
 以前から交流があった陸前高田市の金剛寺が松の木を送る。新勝寺は、表面の皮をはいだ松を受け入れる予定で、放射性物質の心配はないとしている。
 金剛寺の小林信雄住職は「京都の問題もあっただけに、本当にありがたい。地元の人たちの心の癒やしになると思う」。新勝寺企画課の小林博之さんは「震災で亡くなった人の供養を一番に考え、受け入れることにした。被災した人の癒やしにもなればうれしい」と話した。

産經新聞
成田山に抗議電話100件 陸前高田の松、おたき上げ
2011.8.16 18:02
 東日本大震災の津波で流された岩手県陸前高田市の景勝地「高田松原」の松の木を、9月25日のおたき上げで燃やすと決めた千葉県成田市の成田山新勝寺に、抗議の電話が約100件寄せられたことが16日、分かった。
 新勝寺によると「放射性物質が心配なので、燃やさないでほしい」などといった健康被害を不安視する匿名の抗議が大半。「供養のため」と受け入れを支持する意見もわずかにあった。また、成田市と千葉県にも抗議の電話やメールがそれぞれ約20件ずつ寄せられたという。
 松は、表面の皮を剥いだ角材の状態に加工され、陸前高田市の金剛寺から届く。新勝寺は2カ所の検査機関に依頼し、微量でも放射性物質が検出された場合は、おたき上げに使わない方針。新勝寺は「こういうことで大げさになるのは残念」と話している。




8/19
箱根は夏祭りに「そっと燃やす」 陸前高田の被災松
 京都市の「五山の送り火」での使用中止が決まり、陸前高田市に残っていた松の一部を神奈川県箱根町の箱根強羅(ごうら)観光協会が引き取り、16日に主催した「箱根強羅夏まつり」の大文字焼きで燃やしていたことが18日、分かった。
 同協会は「供養のために引き取り、検査で放射性物質は検出されなかったので燃やした。事前に公表すると被災地や京都に迷惑を掛けると判断し、公表しなかった」と説明している。
 同協会によると、燃やしたのは表面を削った長さ約30センチのまき約50本。もともと京都で使う予定だったが中止が決まり、大半のまきは8日に陸前高田市で「迎え火」として燃やされたが、一部が残されていた。
 箱根の夏まつりでは例年、箱根産の竹を燃やすが、陸前高田市にボランティアに行った夏まつりの関係者がまきの引き取りを提案し、12日に箱根に届いた。
 横浜市の検査機関で測定した結果、放射性物質は検出されなかった。同協会は「供養のためなので、そっとやりたかった。苦情は来ていない」としている。




9/16
高田松原の松、おたき上げ 千葉・成田山で復興祈願
 千葉県成田市の成田山新勝寺は25日、東日本大震災からの復興祈願と、津波による犠牲者の供養のため、陸前高田市の景勝地「高田松原」の松の木をおたき上げで燃やした。
 山伏姿の僧侶たちが、松や杉の木で組んだ壇に火を放つと、炎と煙が高く上がり、参拝者たちは手を合わせ般若心経を唱えて復興への祈りをささげた。
 松は長さ90センチの角材30本に加工されており、陸前高田市の金剛寺から譲り受けた。検査で放射性物質は検出されなかった。





論点
 まず善意ではじまったプロジェクトだったが、失敗に終わっている。
 この原因はNPO法人「ふくい災害ボランティアネット」、 大分市の絵画教室主宰藤原了児さん、大文字保存会松原公太郎理事長の見通しの甘さであった。
 この5月時点で放射性物質問題は大きくなっており、北関東でもかなりの汚染が見つかっていた。これに対して陸前高田は安全だという誤解をしていた。薪を販売していたNPOも検査するという方針を持っていなかった。結果この件でクレームが多数発生し販売中止になっている。
 次に重要なのは、この件で悪意を持っている人は誰もいないという事だ。確かに京都市役所にクレームをつけた人の中には、行政に対する悪意を持った人もいると思う。特に京都というシンボル的な都市に向けられたものなので、かなりきついものが多かったのではないかと推測している。だがほとんどが善意ではなかったのかと思う。
 付け加えて、強羅と成田山の件を入れた。これらは京都の話しに対する対応の違いだが、これらは善意であろうか。疑問がある。





私見
 この件に対する私見は、実は無い。状況としてあまりにも面白すぎるからだ。このまま丸投げするのがベストと考えている。
 それでもといえば、善を行おうとすれば洞察力が必要になっているという事。その次に情報をどう広めるのかがポイントになる。ここが初期から無かったのではないのか。
 次が善を行う人たちが個人プレーをしていた、というのもある。大文字焼会理事長はまさしくそうだったのだろう。
 本来は別項目でキッチリしたいのだが、グーグルの取り組みとかクロネコヤマトの取り組みなど、企業による社会貢献が今回目立っている。その中でこの件を考えると、企業がシステム的に取り組む善意と、無力な個人の善意に差が出ている。
 その上で、企業が行う善は偽善なのだろうか。例えば阪神大震災のとき、搬入ルートをいち早く確定したローソンは、それでもギリギリな搬送ルートで絶対必要な必需品を品目10点だけを配送した。考えようによってはウハウハな状態なのだが、彼らはこれこそが必要なものだからこれだけをいったん売ると決めた。
彼らは確信を持って言った。「これが本当のコンビニです。」
クロネコヤマトは今回、「届けるのが使命」と言い切った。
 今回の件であまり触れていないが、ネットによる反響というものがある。例えば京都の件では20件のクレームが2000件になった。東海テレビの件は100倍返しを超えて企業存亡の危機になった。これは例えば京都市の人口に対する全国からの対人口比で考えれば当たり前なのだが、この件も果たしてどうなのか。
善を語るとすれば、もしかすると仁義礼智忠信孝悌に分けて語らないと難しいかもしれない。ただ解っているのは、善と正義は違うという事だ。
 善とは右往左往するものなのかもしれない。












まあ引用されたときには右往左往が出てしまったのだが、私の本意としてはこのグルグル感を共有してもらえればうれしい。ただ解っているのは、善というのは形容詞でしかないという事だ。絶対「善」という概念は、神様に置いておくべきだ。
その神の善意は、旧約聖書のヨブ記のようにあまりにも気まぐれな事だけは、肝に銘じよう。


本年のまとめ2

2011-12-27 20:36:46 | インポート
重大事ばっかりだった年だ。
それに対して今年の漢字一文字が「絆」というのはよくわからない。その気分はよくわかるが、絆が壊れている事がさらされた年でもある。システム的にありとあらゆる事が難しくなっている。これがはっきりした。
わたしはこれに「曝」といいたい。
まあそこまですべてがさらけ出されてしまった年だ。
まずは原発だ。これに対してはいかにだれもが無知であったという事を証明した。まずプラント管理の人間以外は相当無知だった。未曾有の災害ではあった。でも無知であったからこその未曾有だ。
その後の放射性物質の拡散とその影響に関しても、すべてが無知であった。
この局面で、無知の知を訴えた人は明らかにいない。極端にみんな走った。
なぜ無知だったのだろうか。これは簡単だ。情報が実はゴロゴロしていたからだ。しかも科学的に正しい情報があるにも関わらずだ。それに対して右往左往した。大体スピーディのデーターは正しい。だがあの爆発の直後で政府・行政もそれを信じていなかった。なぜ信じられなかったのか、これが今後の問題だろう。
そして過去のデーターからすべてが公表されていた事だ。私は原発問題については意識はあったつもりだが、ここまで情報が公開されているとは思わなかった。ただし見つかりにくい所にはあった。
この問題に関してはいろいろ一杯あった。ただ何が問題だったかはいくらでも明らかになった。
次が、健康保険や年金そして財政問題だ。
20年前からいろいろ言われているのに、よくもまあここまで放置出来たのかとあきれかえる。
しかしこれらを無視して暮らしていたのは日本人だ。その辺を忘れているように思う。
絆という言葉はきれいだ。しかし現実には政府と国民には絆が無い。銀行と被災者には絆が無い。ギリギリ保っていた地域が物理的に破壊されれば、絆という言葉がいかにむなしいかが。


世界で見てもなにかがカチっと壊れた年だ。これをアメリカの謀略というのはいかにもとても単純だ。


すべてが解りやすく市民に降り注いでいる。しかしその市民にはその意味がよく分かっていない。そしてエリートたちはそれを伝える手段が、なぜか無い。
放射能より恐ろしいのが、自分である事を誰もが解っていない。
今年はそんな年だった。


盛岡私的観光案内・盛岡駅番外編

2011-12-27 18:35:47 | まち歩き
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久しぶりのまち歩きシリーズですが、単に駅前のイルミネーションを見に行くだけなので番外編としました。
盛岡市内のイルミネーションは、クリスマス時期でもかなり押さえられていました。不景気というのもありますし電力不足もありますが、やっぱりその気がなかなか起こらなかったのが一番大きいようです。実際クリスマス1週間前からフツーの民家でも思い出したように始めていました。
まずは開運橋に向かいます。ここの上流にある四十四ダムの放流などの情報を出す電光掲示板ががんばろうといっています。個人的にこういったシステムは有効に働かないのでムダだと思います。
あと電光掲示板にがんばれといわれても…。



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駅前のタワーマンションが見えます。盛岡の景観を破壊すると物議のあった物件です。私は駅前の醜悪な景観が改善されたと思ってますが、どうも高い建物が嫌いなだけな人が多いのかとも思います。ただこのマンションの最大の問題は、投資のために購入した人が多く実際に住んでいる人が少ない事です。明かりのポツポツと灯ったタワーマンションは、見ていて気持ちのいいものではありません。本来なら盛岡市民がもっと一杯住んでいい物件です。




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さて盛岡駅です。この情緒のかけらの無いビルですが、私は好きです。昔は南側に古汚いビルや倉庫があったのですがそれらが無くなって、駅のまっすぐに伸びる感じが出てきました。



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さて駅前のイルニネーションです。今年はショボイです。とはいってもこれは仕方が無い事です。何しろ東北も電力事情が逼迫しています。女川原発停止が大きいです。その上秋の大雨で東北電力の水力発電が大きく壊れてしまったからです。もう電力供給は98%とかギリギリです。いつパンクするのか。
とはいえ青色発光ダイオードですが、やっぱりこの色は嫌いですね。暗いんだけど目に刺さるような感じがします。




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がんばって飾っています。



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ちょっとマニアックに、ニコンの35㎜F1,8Gレンズの解放をお楽しみください。




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がんばって盛り上がるように撮影してみました。



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いつのまにか盛岡駅に大きなチャンネル文字がかかっていました。昔は「もりおか」と啄木の筆跡の文字だけだったのですが。この字体は味わい深かったのですが、この正面のチャンネル文字は頂けません。明らかに机上のみで決定したのでしょう。弱すぎます。こじゃれた感じを出すために右上がりにしているのも、横書きではウザイ感じです。
見上げる文字なのでなおさら変な感じです。
盛岡は全体的にこういった所でのセンスが無いまちなのですが、ないは無いなりで意味付けをキッチリしているフシがあります。なぜか愛されるとかいろいろあります。
この字体は、何も考えていませんね。



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がんばってゴージャスに見えるように。




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駅前地下道に進みます。中心には盛岡出身の現代美術家村上善男の作品があります。私は好きなんですが、世間一般の評価は低いようです。
ここは音の反射とオーディエンスの座れる階段があるので、よく無断路上ライブがあります。特に寒いこれからは目立つでしょう。
企画化して定期的にコントロールした方が良いんじゃないかとも思っていますが。



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帰りに夕顔瀬橋から、開運橋のイルミネーションを望みます。飾る明かりより人が暮らしている明かりはすばらしいものです。


おまけ

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7年前の盛岡駅の写真。やっぱり今のチャンネル文字は醜悪だ。


ラジ録Mac版

2011-12-27 15:08:53 | インポート
以外と操作が簡単だった。ダウンロードしたらアプリケーションホルダーにドロップ・アンド・ドラッグするだけ。
万が一を考えて、マックの省エネ設定からスリープモードを切っておく。ソフトを立ち上げると民放系のインターネット放送地域でないと警告が出ますが無視すると、NHKだけを出してきます。録音の設定は番組表からクリックして追加のボタンを押すと予約完了。
このとき予約時間になったらスリープモードから起こすチェックボックスがあって便利そうなのですが、β版なのかどうもOSとの間に齟齬があるようで、警告が出てきます。消しても消しても出てくるので危険を感じます。なので予約する時はパソコンのスリープモード設定をなしにして、電源入れっぱなしにしておくのが無難なようです。
完全バックグランドで動きます。ただし当たり前ですが、ラジ録の予約時間自動立ち上げモードは無さそう。予約してラジ録を終了させると予約がキャンセルになります。録音時にNHKのラジルラジルは立ち上がらないので、聞きながら録音するためには別にラジルラジルを立ち上げる必要があります。
録音形式はflvとMP3の同時録音が出来ます。他にも形式をサポートしているようなのですが、まずこれが出来れば十分か。音を聞き比べると、flvの方が再現性が高いです。ただしなぜかRealPlayerのスキップ機能が使えません。MP3は残念ながらクラシックには耐えられない音質です。スカッスカに弦の音が抜けています。しかも濃厚なワーグナーですからスカスカ感は否応にも増します。でもスキップ機能なんかはこちらが使えます。
まあバイロイト音楽祭を狙って購入したソフトですが、NHKFMは他にもすばらしい番組があります。まずジャズ・セッションライブ。内外最高のジャズミュージシャンの演奏がライヴで聞ける名物番組です。毎週聞けたら日本の最先端ジャズシーンは間違いなくカヴァー出来る番組です。あとロックライヴもありますね。これはちょっとマイナーな超実力派が出てきます。少年ナイフが出てきたときにはビックリしたな。ほとんど日本にいないバンドですから。
次はラジオ深夜便の落語とこの人に聞くでしょうか。こう考えればNHKって日中パっとしない番組をやって、夜の9時過ぎからモゾモゾと起き上がってくるのですね。
ジミーな番組ばかりですが、録音する価値はあります。
とりあえずNHKのインターネットラジオをMacで録音出来るのは、このβ版ソフトだけ。βだけど1980円です。買う価値はあると思います。まあブートキャンプ機能を使ってウインドウズをインストールしてフリーソフトを入れるよりは安いでしょう。

PS
flv形式とMP3形式ですが、MP3で最適化処理が行われた結果、クラシックでは不適切な処理になってしまった事も考えられます。よくよく考えれば圧縮形式は同じようなものなので、その違いかもしれません。