どうでもいいこと

M野の日々と52文字以上

アメリカ自爆

2011-07-24 14:37:21 | インポート
やっちゃった。国債限度額引き上げ失敗!
もうすごい駆け引きだったな。相手を助ける代わりに毒を飲めと迫る交渉、共和党はメディケアなどの福祉政策の削減を突きつけ、民主党は高額所得者への増税を突きつけた。包括的交渉と言いつつ、互いに絶対飲めないポイントを忍ばせてくる。互いに財政の均衡については同意しているのに、互いの政策の譲れない点を攻撃し合って自爆してしまった。
途中参加の格付け会社の警告、FRBの最後通牒としか言いようの無い勧告も消えてしまった。いまFRBは対策を練っているようだ。突然アメリカ国債を大量に購入すると言い出している。明日の市場をにらんだ対策だ。
一番唖然としているのは、大半のアメリカ人ではないだろうか。特に海外にいるアメリカ人にとってはドルの暴落の可能性におびえているだろう。大声の人種差別論者や無邪気な自由経済主義者、能天気なネオ・コン2世代目、来年の大統領選の準備で舞い上がっているお祭りやと違い、サイレント・マジョリティはアメリカが画期的な方法で、この困難を解決出来ると信じていただろう。
21日に飲み屋であったアメリカ人に、明日どうなるんだと質問した所サッと表情が変わり「アメリカは大丈夫だ、きっと解決する」といったが、次に弱く同じ言葉をつぶやいた。
アメリカの財政は、8/9まで持つという話しがある。しかしそれでも日本時間で7/25未明まで解決出来ないと本当にデフォルトが起きてしまう。
これは他山の石ではない。日本でも菅直人が悪いという側面が大きいから目立たないが、自民党と民主党が互いに妥協出来ない点でいがみ合って、政策論争すらまともに出来なくなっている。そして口では被災者の気持ちを唱えながら、震災復興にストップをかけている。
それも明日までだ。日本の国会が明日もいがみ合っているようなら、この津波の直撃を食らうだろう。
そして、日本は直撃を受けると私は予想している。
7/26追記
市場は以外と落ち着いている。円高が進行しているのが気になるが、ドルは暴落に至っていない。ありがたい事だ。
8/6追記
S&Pがアメリカ国債の格付けを下げた。円高も激しくなっている。


地熱発電

2011-07-24 13:01:34 | インポート
大学のときに地熱発電の講義があった。メインは温泉の話しなのだが、この地熱発電の時は妙に歯切れが悪かったのを思い出す。教授は将来性の無い技術と捉えていたようだ。
そのせいか脱原発で注目を浴びている地熱発電、私も少し疑問がある。
まず地熱発電のプラントを日本が輸出しているという事で、すぐにでも国内に作れるのではないのかという議論だ。これが実はちょっとなのだ。地熱発電のためには地下1000メートル以上から温泉蒸気を取り出さなければいけない。地盤沈下や有害物質の放出を防ぐため、冷やした蒸気をまた地下深く戻さなければいけない。戻す地盤も安定しているところで、地下水脈に流れ出さない場所が必要だ。
しかも大深度の井戸なので出来るだけ一発で掘り当てないとコストがすごい事になる。また井戸の寿命もある。永遠に井戸から蒸気が出続けるかと言えばそうではない。10年程度と言われている。そこで井戸は常にどこかで掘り続けられなければいけない。地下探査技術が進んでいても、未だもってバクチ要素は残っている。
実はこの井戸を掘る技術が、地熱発電のカギなのだ。地下探査技術こそが地熱発電を支えている。日本もこの技術は進んでいるが、複雑な地下構造を持つ日本では一筋縄ではいかない事が多いのだ。
地下の熱源に水を送って蒸気を取り出す完全循環システムも研究されているが、地下探査の化け物なので実用化されていない。とにかく地下探査、特に大深度地下探査は難しいのだ。
プラントを作るのとは違う技術だ。
次がもっと大変な事。蒸気を冷やすのに冷却水が必要なのだが、内陸部に多い温泉ではこの冷却水が足りなくなる。これがあって冷却棟を小さく作れない。そして廃熱の問題。原子力発電所が海に面しているのは、冷却水の問題もあるが、温排水の問題もある。海だと影響を少なく出来るからだ。それが地熱発電は川に流す事になる。冷却水を多くとって温排水を川に流すと自然環境を壊してしまう。バランスが難しい。あと下流域の水利権もある。
この廃熱をビニールハウスに使っている例があるが、どうしても山奥に発電所があるので、そこまでパイプラインを引く経費と維持管理が利用者にコストとして重くかかってしまう。
そんなこんなで、ポコポコ作れるものではない。無邪気な議論が多いと感じている。
ただ、あるとすれば温泉地で源泉の温度が100度とか高く、沢水で埋めたりしている場合はバイナリ型の地熱発電が使える。温泉でフロンなどの低沸点の液体を沸騰させ蒸気を作り、タービンをまわすシステムだ。この間に源泉の温度を風呂に最適な温度に下げれる。これはポコポコ作れるだろうが、あくまでも地域発電程度の出力しかない。
地熱発電の可能性とポテンシャルは高いが、景観の問題や硫化水素やヒ素などを排出する可能性、地滑りを起こす可能性、近隣の温泉地との問題をクリアしても、高いハードルがある。