Vijay Iyerは色々とユニークな音楽性を取り上げることも出来るピアニストですが、
それよりなによりこの人はもっと根っこのところの地力が凄い。
「Human Nature」はずいぶんキャッチ―に寄せてきた?と思わせますが、
言葉を失ってしまうのがMonk的なアプローチで迫る「Darn That Dream」と「Black And Tan Fantasy」で、
ここまでの美しさと緊張感と黄昏感(そんな言葉はないか)は、実はそんなに求めてないよ、と言ったって実際聴かされたら胸が熱くなります。
Bud Powell的な狂気の音世界とでもいうのか、音に塊感や立体感、ねじれ感などを引き連れている。
だからフリーから牧歌的な展開まで色々やっていますが、音の強さについての印象が一番です。
すべての音に重みと意志を感じますし、結構ハードなようでうるさくない。
トリオも所有していますが、ソロで十二分に持ってしまっていますね。
この人の中で一番聴いている作品です。
Mehldau以降の~、という話だったらこの人がダントツかな、と個人的には思っています。
Vijay Iyer/solo
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1.Human Nature
2.Epistrophy
3.Darn That Dream
4.Black And Tan Fantasy
5.Prelude- Heartpiece
6.Autoscopy
7.Patterns
8.Desiring
9.Games
10.Fleurette Africaine
11.One For Blount
Vijay Iyer-piano
2010年録音