高橋靖子の「千駄ヶ谷スタイリスト日記」

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11月3日 秋のこぐれさんち

2005-11-08 | 千駄ヶ谷日記
秋の美しい日、こくれひでこさんのお宅にうかがった。
70年代表参道のイラストマップを描いていただくため。
今度出る私の本に、「若い読者のために、その頃のマップをつけたら?」と、大学でファッションを教えている先生にいわれて、「そうしよー」と即座に決心した次第。
そしたら、ひでこさんのお顔がこれまた即座に浮かんで、お願いにあがったのだ。
こぐれさんちは、新築になってからは初めて。
本やテレビで拝見していたけど、うかがいたいなと密かに思ってから、もう7年半も経っていた。
秋の陽射しがなくなるまで打ち合わせをして、あわてて撮ったけど、おっ、雑誌の取材には決して映らない洗濯物なども後方にあるぞ。
帰りには、下のスタジオで撮影中のこ小暮徹さんにご挨拶をし、高所恐怖症も忘れて、スケスケの階段を降りた。
季節が部屋の内外にゆったりと流れるように存在している家。
住んでいる人に大切な事は健康でいることだけど、その健康を家が運んでくれている。

都会でそういう生活が成立してるのがうらやましいな。

そこで、我が家のはなしですが、うちも都会にはめずらしく、季節と共存しているけど、共存の仕方が、時々しんどい事態となる。
そろそろ老齢に達してきた我が家は雨が続いたとき、事務所側の部屋が、ものすごい雨漏りで、停電の繰り返し。
これは大家さんが修繕してくれた。
今は住居側のバスタブに蟻の集団が出現する。地下の水道管がどこかずれていて、蟻の住宅と接しているらしい。
最初は数匹だったので、見つけるとつまんで、そっと庭に放していた。
次第に数が増えてきて、地面に返す作業も、大変になってきて、ある日ついに百匹、二百匹近い蟻が続々と現れた。
お風呂が使えないので、申し訳ないけどその時はシャワーで流しました。
私って、やさしいのか、残酷なのか、、、
昨日、お風呂場に近い庭の一角に蟻塚を発見。
蟻さん、私みたいにいつまでも働いてないで、早く冬眠しておくれ。

写真 (撮影・貝瀬裕一)