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Re=response=応答、感応=物事に触れて心が動くこと。小田和正さんの大好きな曲からいただきました。

第四十五回記念 吉例顔見世 

2009-10-19 | 観る、聴く

10月もはや半ばにして、ようやく観劇の日がやってきました!

今年の御園座吉例顔見世はすごいんだから~~♪♪♪
43年ぶりに御園座で上演される『仮名手本忠臣蔵』(そもそも忠臣蔵が
大好きなわたし♪)
松嶋屋三兄弟、さらにそのご子息たちまでもが揃い踏み~!
第一報には思わず舞い上がりましたっ。

今年は観劇数をここまでずいぶん絞ってきた甲斐があったというもの(笑)
ただ、せっかく御園座でこれだから・・という気もちは山々なれど
諸事情により回数はぐっと限られてしまって。
この際、この日の昼夜通しの観劇はえいやっ!
奮発の一等席だっ!(それにしてもたっけ~、笑)

大奮発した甲斐があったわ~~(涙)
昼の部11列ほぼセンター、夜の部6列花道すぐ横。
(歌舞伎は不思議と花道すぐ近くによくよくご縁がありまする♪)
ほどよく舞台全体も役者さんの表情もよ~く観えました。いい眺めだ~~。
そして花道からは今日も視線が降る降る~~(きゃあ♪)

なにより、初めて生で通しで大好きな役者さんで観た忠臣蔵、
素晴らしかったです!
昼の部は、時代物・侍社会の様式美や歌舞伎の、そして演目独特の
ユニークな演出の数々がとても興味深く、楽しかったです。
一方夜の部は一転して世話物に。侍社会に翻弄される男女、親子、兄妹が
見せるそれぞれの忠義の心に涙が止まりません。
お目当ての役者さんたちの熱演に心が震えました。


1日まるっと御園座に預けて、大満足の観劇となりました♪♪
御園座さん、こんなの名古屋で見せてくれてほんとにありがとう~~!

本日の「きゃあきゃあ♪」を思いきり書きまくりたいところですが、
今週は特に時間が取れません・・
(仕事はヤマ場だし、水曜日には「蛮幽鬼」マイ初日だしっ♪)
土曜日にもう一度夜の部だけ観るので、そのあとになんとか・・。

美しい~~♪♪♪

2009-09-28 | 観る、聴く

お初に訪れたのは、大阪の国立文楽劇場。
「いつかはここで文楽を♪」とあこがれの場所ですが、
今日は残念ながら文楽ではありませ~ん。

「勘吉郎の会」 藤間流の舞踊の会です。

愛ちゃん&亀ちゃんが「二人椀久」(夜の部は「蝶の道行」)と「かさね」を
踊るというので、駆けつけないわけにはまいりませぬ。
愛之助さんは先週の巡業から、たったの1週間ぶりです♪
(そして、この次は3週間後の御園座!なにげにスゴイ、この頻度)

もうね~~~
ただいま、愛しい松山を想い花道をふらふらと入ってくる
椀屋久兵衛の気分ですわ。。

椀久の愛之助さん、きれい~~~♪♪
またまた超良席に恵まれ、花道からせつな~~い視線が落ちた時にゃあ
・・・・・(自粛)
亀ちゃんの松山もすてきでしたが、今回は愛之助さんの椀久にう~っとり!

そして「かさね」
与右衛門の愛之助さんが、また素敵なこと素敵なこと♪♪
黒の羽二重を端折ったおのこはなぜあんなにかっこいいんでしょう~~。
鎌を口にくわえて花道に駆け出し、七三の位置でバンッ!!!と見得。
ひゃあ~~~、かっちょえ~~~!!!(特におみ足!爆)
そしてクライマックス、かさねの怨念に引き戻される与右衛門。
必死に逃れようと暴れる与右衛門、纏った菰からばっさばっさと藁が飛ぶ~。
うっひゃ、与兵衛の油(水糊)の次は藁の粉か~~♪♪
愛ちゃんもスゴイが、鬼気迫る演技の亀ちゃん@かさねもものすごい!!
シビレマシタ・・・。

ほぅぅ・・ご両人に魅了され尽しました。
椀久のように、夢のなかでまた楽しく美しく舞う姿に会えるかしら~♪
でも、目覚めたときあんなにせつなく悲しいのは・・いやだなあ(涙)


もちろん、おふたりのほかの舞踊もとても素敵で、
思いのほか楽しむことができました。
詳しいことは全然わからないけど、やっぱり舞踊を見るのは好きだなあ♪
と思いました。


明日以降いつ感想を書けるかわからないので、
とりあえず・・・本日の感動を、叫んでみました(笑)

愛之助さん、今週なかばにはいよいよ御園座ですね~。
わたしは3週間後に観劇です。 次も楽しみだ~~!

松竹大歌舞伎 西コース 近松座公演 

2009-09-23 | 観る、聴く

西コースはいちばん近いところで豊川市、それが幸い日曜日の公演ということで、
7月の東コースに続き今年2つめの巡業公演を観に行くことができました。
豊川といえば豊川稲荷で有名ですが、子どものころに一度行ったきり。
県内といえどまったく知らない土地の会場に、
電車を乗り継ぎ乗り継ぎ、さらに地図見て歩くのは、
遠征で大阪東京に行くのと同じようなわくわく感があって楽しいです♪

松竹大歌舞伎 西コース 近松座公演
9月20日(日)12:30 豊川市文化会館 1階13列

一、坂田藤十郎お目見得ご挨拶
裃姿の藤十郎さんがおひとりで粛々とご挨拶。
近松座や上方歌舞伎にかける思いや、孫にあたる壱太郎さんが今回
『封印切』にて恋人梅川を演じることへの感慨などなど、、
口滑らかに(笑)お話しになりました。

二、恋飛脚大和往来 
  玩辞楼十二曲の内 封印切 新町井筒屋の場

  亀屋忠兵衛  藤十郎   丹波屋八右衛門  愛之助
  傾城梅川   壱太郎   槌屋治右衛門   彦三郎
  井筒屋おえん 秀太郎

映画「Beauty」の劇中劇にも出てきた梅川・忠兵衛、やっと観られました~。
実はこの有名な「封印切」続く「新口村」を未だ観たことがなかったので、
「梶原源太はわしかしらんてなあ」という忠兵衛の台詞を聞いたときには、
「これか~~♪」と、ひとりプチ感動(笑)

初めて観た「封印切」とっても楽しかったです!
物語的には悲劇に繋がってゆくわけで「楽しかった~!」と言ってしまう
ことに少なからず憚りを覚えるのですが・・。

これまた女をめぐる男たちのしょーもない話なわけですが、
歌舞伎でこう演じられちゃうと、なんやしらんごっつ好っきやなあ~!
上方歌舞伎サイコーやん!・・と思えてくるのです(笑)
はいはい・・観るごとに大すきになってます♪

なんとも楽しくて夢中になって観入ってしまったのが、
藤十郎さん演じる忠兵衛と愛之助さん演じる八右衛門の見栄の張り合い。
ま~ったく、大の男がふたりして子どもの喧嘩やんか~(笑)
というより、これは漫才か?!ってくらいの面白さ。
八右衛門の口からとめどなく飛び出す悪態やら大嘘やら強がりやらも、
ここまでくると、なんだか憎らしいというよりかわいらしくて(笑)
アブラムシのはっつあんだろうが、ゲジゲジのはっつあんだろうが、
総スカンのはっつあんだろうが、
「わたしははっつあんが大すきだよ~~~♪♪」と言ってあげたかった(爆)
イヤホンガイドでは、愛之助さんもいずれ忠兵衛役を期待されるとされ、
たしかにいつかは観てみたいなと思いますが、少なくとも今は
このはっつあんの方がいいな~~と思いました。
愛之助さん、大奮闘でした! ぱちぱちぱち♪

さて、八右衛門にさんざん悪態つかれ大嘘つかれて飛び出してきた忠兵衛。
いいたい放題の八右衛門を前に、プライドと見栄と良心の間で大葛藤。
最後まで「公金に手をつけてはならぬ」という良心にギリギリ踏みとどまって
いたにもかかわらず、ふとしたはずみで思いがけない転落。
金の封印は「切れた」のでした。
しかしいったん落ちたからには、もはや男の意地を通すのみ。
忠兵衛は梅川を得るために、封印を次々に「切った」のです。
最初の封印が「切れた」のか自ら「切った」のかで、
成駒屋型と松嶋屋型に分かれるのだそうですね。今回のは成駒屋型。
もちろん、そういう流れが自然と納得できるような忠兵衛像を
藤十郎さんが最初から造形しているわけでしょうが、
この日観た藤十郎さんの忠兵衛なら、ちょっと情けないようでも
封印切の最初のきっかけが自らの意思でなく不幸な事故であっても納得、、
むしろそのほうが「らしく」ていいなあと思いました。
藤十郎さんの忠兵衛の魅力は、男気というより素朴で人好きのする人柄
とお見受けしましたから♪
とはいえ、その藤十郎さんでも松嶋屋型を演じられるのかしら。。
なんだか想像がつかないのだけど(笑)
松嶋屋型はやっぱり松嶋屋さんだからこそ・・と思えてしまう(笑)

それにしても、藤十郎さんという方はやっぱりスゴイですね!
藤十郎さんを生で初めて観たのは、昨年の大阪松竹座での『伽羅先代萩』
乳人政岡で、そのときも感じたことですが、役が全身全霊にすっかり
染み付いているようで、それゆえにすばらしく柔軟であり自由であり、
そこには観ていて心地よさすら感じられる瞬間があり、思わずため息が漏れます。
いわゆる「当たり役」ともなると、そういう境地に至るものかもしれませんね♪
あるいはそういう境地にまで至ったものこそ「当たり役」となるのでしょうか。
そういえば、おえんを演じた秀太郎さんにも同じような感じを受けましたね。
やはりさすがだなと思わされます。

そんなスゴイ忠兵衛(笑)を相手にする恋人・梅川が、
藤十郎さんのお孫さんである壱太郎くん、若干19歳、今回初役。
今年二月花形歌舞伎では『毛抜』でのお姫さま役にきゅんきゅん♪でしたが、
今回もなんとも初々しくかわいらしいかったですね~~!
梅川は下級遊女で、治右衛門やおえんが娘のようにかわいがるくらいだから、
このくらいの初々しさや垢抜けなさが、逆にいいな♪と思いました(笑)
ただ以前も感じたのだけれど、壱太郎くんはお声がいまいち残念。
まだまだ若い、お声も成長途中なのかな~。
今はまだ学業のほうが優先のようですが、将来を期待してます♪

それにしても、この初々しい19歳を恋人として相対してまったく違和感を
感じさせなかった藤十郎さんには、本当にびっくりです!
御歳77とは、信じられません~~!!
現代劇はもちろん時代劇だってそんなのまったく想像できないんですけど。
これは藤十郎マジックなのか、歌舞伎マジックなのか・・(笑)

初めて観た『封印切』を思いのほか楽しめて嬉しかったです♪
続けて『新口村』まで観てみたかったです。
それに、松嶋屋型の『封印切』もぜひ観てみたいし、
藤十郎さんの近松座のお芝居ももっといろいろ観てみたい。
あらあら、大変だこと(笑)


二、連獅子  

  狂言師右近・親獅子の精  翫 雀
  狂言師左近・子獅子の精  愛之助
  修験者  亀 鶴    村娘おこま  壱太郎

舞踊を観るのはわりと好きなのですが、そのなかで松羽目モノは・・
楽しいものも中にはあるけど、ちょっと苦手だったりします(笑)
『連獅子』は一度観てみたかったので楽しみにしていたけれど、
う~~ん、あんまりわからなかった・・というか
最後までその世界がうまく自分のなかに映ってこなかったです(汗)
なので、、なにも書けません~(笑)
厳かな雰囲気や、初めて生で観る毛振りは素敵だな~と思いましたけど。
親子獅子の毛振り、良し悪しはわかりませんが、
翫雀さんが豪快にまわしていたのに比べ、愛之助さんのほうは
丁寧だけど若々しい強さが感じられないかなあと思いました。


今年の巡業は2つのコースを観ることができて嬉しかったです♪
秋の澤潟屋一門もそそられるのだけど、観に行けそうもないので残念。
来年の巡業も楽しみです!
さて、今週末は大阪で『勘吉郎の会』を観ます。
愛之助さんが亀ちゃんと踊るというので、飛びついちゃいました(笑)
というわけで、なんと2週続けて愛ちゃんですよ。嬉しいな~~♪♪
そして月が変われば、いよいよ御園座吉例顔見世です!
もちろんこちらにも喰いついてます(笑)
『仮名手本忠臣蔵』昼夜通しで観ちゃいます~。
ああ、楽しみ、楽しみ♪♪
そしてそしてそれも終わると、いよいよいのうえ歌舞伎『蛮幽鬼』!
10月いっぱいは愛ちゃん♪仁左さま♪と浮かれることでしょうが、
ちゃんと帰りますからね~、かの君のもとへ~♪(爆)

松竹大歌舞伎 東コース 春日井公演(2)

2009-08-04 | 観る、聴く

二、義経千本桜 
「下市村茶店の場」
   いがみの権太 仁左衛門  女房小せん   秀太郎
   主馬小金吾  愛之助   若葉の内侍   高麗蔵

あの有名な『義経千本桜』を、実はまだほとんど観たがことありません(恥)
段ごとに名場面のいくつかは映像で見たことがありますが、
今回の「すし屋」はまったくもって初めて。
忙しくてあらすじすら目を通さずに来たので、まっさらな状態で見ました。

「通常、巡業の場合は『すし屋』だけ上演することが多いのですが、
 この場だけでは感動が伝わりにくい。そう思って、権太と家族の姿を
 描いた前の場から上演することにしました・・」と仁左衛門さん(パンフより)

昨年の巡業で、当地ネタや思い出話が面白く、また嬉しかった口上。
巡業にはこうした口上があるものとその時思い込んでしまったわたし。
名古屋にはお久しぶりな仁左さまや、名古屋には今やずいぶん縁深い
愛之助さんなどなどが、どんなお話をしてくださるか、実は実は大変
楽しみにしておりました・・(爆)そういや、今年のチラシなどの演目には
「口上」の文字がないじゃんね。。
観劇後「口上、今年はないのね(涙)」とちょっぴり残念だったのですが、
パンフのコメントを読んで納得。この場を上演することで、口上の時間は
とれなかったのね・・と。いやいや、これはあくまでわたしの勝手な憶測
ですけどね~(笑)結果として、楽しみにしていた口上を聞くより、
この場からたっぷり見せていただけてむしろ良かった~!と思いました♪
「とにかく初めてご覧になるお客様にもわかりやすく、楽しんでいただける
ものにしたい」と、巡業前の会見でも熱心に話していらした仁左さま。。
まさしくその通りでございました。お気持ち、嬉しゅうございましたよ~。

さて、その「下市村茶屋の場(=木の実~小金吾討死)」
権太の悪たれぶりと妻子への屈託のない愛情。演じる仁左衛門さんが、
実に活き活きとして見えました。ほんとうに楽しそうでしたね♪
小金吾をいじめ倒す勢いなんてサイコーです(笑)
こういう言いがかりって、めちゃくちゃ腹立ちますね~。
つい最近映像で見たばかりの『伊勢音頭恋寝刃』では、そういう理不尽に
はらわた煮えくり返る思いの福岡貢、真逆のお役でサイコ~~♪でしたが、
この権太、まるでそのうっぷん晴らしみたいで、密かに大ウケでした(笑)

哀れなのは小金吾。
平家滅亡の混乱で元服もできずいまだ前髪立のまま独り、内侍と六代君を
護りながらの逃避行、苦労はいかばかりか。そしてこんな小悪党の言いがかり
にも血涙を呑み、最期は追っ手に囲まれ惨死。
愛之助さん、つらいお役の熱演でした。
そうそう、小金吾討死の場、縄を使った立ち回りには目を見張りました!

下市村茶屋はまた、権太という男の違う一面をしっかり印象づける場でも
ありました。よそでは悪さに明け暮れる一方、家では子煩悩で奥さんが大すき。
秀太郎さんの小せんがまたいい感じでした。姉さん女房風でいてお茶目な
かわいらしさも。
父親に勘当されたことで失った家族のかたちを、ここで新たに築き大切に
育もうとしているんだなあと、しあわせそうな権太の表情に思いました。
この家族の愛情や絆が、よもや次の場の悲劇をいっそう大きなものに
することになるとは、このときまったく予想もしませんでした。
仁左衛門さんのおっしゃるとおり、この場を見るのと見ないのとでは、
「鮨屋」での権太に対する思いが大きく異なったことだろうと思います。


「釣瓶鮨屋の場」
   いがみの権太 仁左衛門  
   女房小せん・弥助実は三位中将惟盛     秀太郎
   弥左衛門   竹三郎   お米      家 橘
   お里     孝太郎   梶原平三景時  愛之助

前半はまだまだ見ていて楽しかったですね。。
一部で力自慢の勇ましい姫様を好演の孝太郎さんが、今度はおきゃんで
かわいらしい町娘、権太妹のお里、これがまた良かったです。
婿となる奉公人・弥助と、夫婦ごっこ(笑)、
父の居ぬ間に嘘話で母親に泣きつき金をせびる権太、
まんまと騙されどこまでも甘い母親、、
しょ~もな~い家族模様がおかしくて、大いに笑わせていただきました。
役者さんたちもこの場はさすがに楽しそう。

しかし父弥左衛門が帰ってきて弥助とふたりきりになってから、
ぐっと空気が引き締まった感じになりました。
初めて観る(そのうえ予習もしてきていない)わたしには、
ここからがとにかくあっと驚く展開の連続!!
あとから思えば「わたしって相当鈍い?(笑)」と思うところもありますが、
これだけ素直に驚きまくる客がいれば、役者さんたちも本望でござい
ましょう(爆)
確かに、途中から権太の様子がちょっとおかしいなと思うこともあったし、
内侍と六代君が鎌倉方に連れて行かれるとき、景時から褒美にもらった
陣羽織を引っかぶって号泣しているのもなぜだろう・・と不思議に思った
のだけど。(←←いい加減気づけよっっ!!ですよねええ、恥)
わたくし、権太が父に真相を話すまでわかりませんでした!
父が思い余って権太を刺したことに「ひょえ~~~!」
権太が痛みを堪えながら語る事の真相にまた「ひょえ~~~!」
これまでの行いを悔い改め父の許しを乞いたいと思い続けた権太の思いと、
そのためにかえがえのない家族を犠牲にすることへの葛藤と、
そんな思いに揺れた息子、そして顔を見ることも叶わなかった嫁と孫への
父母の思い・・
権太親子の胸のうちがつぎつぎ思いやられて、今度は涙がじゅわじゅわ~!
なんというやりきれないお話じゃ・・と感傷に浸っているとさらに!
鎌倉方梶原景時は、なんとすべて承知で(!)惟盛に出家を促すための
数珠と袈裟を入れた陣羽織を権太に与えたのだと。さらにさらに、それは
頼朝が重盛の旧恩に報い、その子惟盛の命を救おうという意思によるものだと。
またまた「ひょえ~~~!景時、すごすぎ」
最後までドラマチックすぎる展開にしばらくドキドキ。
惟盛はすべてを悟ると、重盛の大恩に深く感謝し(たらしい)、出家の決心を。
権太は景時に見透かされていた己の愚かさに気づき、まもなく母に抱かれ絶命。
こんなことなら、権太も小金吾も死ぬことはなかったのに・・と涙涙。
そのときイヤホンガイドからこんなひとことが。(大意です)
「この権太も、政のために尊い命を落とした千本桜の1本なのかもしれません」
そこで「なるほろ~~、千本桜ってそういうお話だったのか~~~」と妙に納得!
そして「すし屋」の幕が降りました。


時間ばかりかかって、たいしたこと書いてないな~~と、今苦笑。。
あといくつか、、思いつくまま。

観劇後、ご一緒したムンパリさんとお話したなかで、勘三郎さんの襲名披露で
この『すし屋』が上演されたこと、それがテレビで放映されたことを
聞きました。うちに帰ってDVDの山をあさり、発見!!
一部の『身替座禅』は観た覚えがありましたが、そのあとの『すし屋』は
観ずじまいだったんですね~。そのままお蔵入りになってました(笑)
で、さっそく鑑賞。思うところはた~~んとありますが、、

勘三郎版でよかったなあと思ったのが、扇雀さんの惟盛でした。
この日観た秀太郎さんの惟盛、公家育ちとはいえどちょっととっぽりしすぎで、
心情の動きもうかがいにくく、残念な印象でした。
秀太郎さんには秀太郎さんのお考えあってと思いますが、
扇雀さんの惟盛は、それなりの威厳も漂い、逐一の心の動きも見てとれるので
感情移入がしやすく、よって出家の心情にも同情すべきものを感じられました。

仁左衛門版は、家橘さんの権太母・お米がよかったなと思います。
特に、権太が腹に刺さった刀を引き抜き絶命の瞬間、家橘さんの母お米は、
その痛み、苦しみを我が身に引き寄せんがごとく、息子の背を強く
掻き抱いていました。その激しさに、愛してやまなかった
あわれな息子への思いの強さを感じられて、強く印象に残っています。

愛之助さん。一部の曽我五郎に続き、梶原平三景時では雄雄しいお姿。
小金吾も好演でしたが、愛之助さんの声が活きるこちらのお役のほうが
好きだなあ♪

歌舞伎を見ていて、昔の作法や美しい趣などに感心することが度々あります。
今回も、出家を促すため陣羽織に数珠と袈裟をしのばせる趣向には
驚きもしましたが、美しいなあと感じました。
またほかの演目でも観ましたが、首実検のとき、それが目上の方の場合、
直接を避け、扇の間から間接的に検分するのが作法だということ。
敵方でも、死しても、敬意を忘れない、なるほどなあと思います。
こうした古の文化や心の繊細さ、豊かさ、美しさを感じる瞬間は、
わたしの歌舞伎を観る楽しみのひとつでもあります♪


う~~ん、なんともまとまりのない感想になってしまいました。
ふだん書くことを続けていないとダメですね、、
足掻いたわりに思うように書ききれませんでした(涙)
ここらでギブアップです(笑)

でもこれだけは。
今年の巡業もとても楽しかったです♪♪ ありがとうございました。
来年の巡業(7月25日、幸四郎さんの『勧進帳』らしい)も楽しみです。
そして、、
松嶋屋のみなさん、やっぱりステキです!
10月の御園座吉例顔見世も期待してお待ちしています。
愛之助さんは、その前にもね、うふふ♪

松竹大歌舞伎 東コース 春日井公演(1)

2009-08-01 | 観る、聴く

はや1週間が過ぎてしまいましたが、
先週25日に観てきた春日井公演の感想を少し。

昨年の東コース(亀ちゃん)は豊橋で観ました。
今年は、東コースを春日井で観、9月には西コースを豊明で観ます。
地方者にはとっても嬉しい歌舞伎巡業、
わたしも、県内とはいえ場所も知らなかったような会場をあちこち回ります♪
こういうのを呼んでくれる街っていいなあ~。
(自分が観るようになったからそう思うだけですが、笑)
わが街はこういうことにてんで関心がないのか、
かなしいかな、いまだかつてこうした巡業を迎えたことがないようです。
ひと昔いやふた昔も前の人気歌手なんかは時々来るんだけど(笑)
東隣の街は毎年(かな?)文楽の巡業が来るし、
南隣の街だって昨年は中央コース(錦之助さん)を迎えたというのに、、
いつかわが街の会館でも観られる日が来るといいなあと思いました。

今回訪れたのは春日井市民会館。
初めての場所でしたが、JRの駅と会館の間にはシャトルバス(有料)が
用意されていたので迷うこともなく便利だったし、会館やその周辺も
きれいに整備されていました。また、かすがい市民文化財団というのが
あって「友の会pipi」など、市の文化事業がとても充実しているようで
好感度大でした。
また、この春日井は、藤原佐理、藤原行成とともに「三蹟」と称される
あの有名な小野道風の出身地だそうで、びっくり~!立派な記念館も
あるようです。

前置きが長くなりました。

「松竹大歌舞伎」 
 平成21年(社)全国公立文化施設協会主催 東コース
 7月25日(土)愛知県春日井市民会館 昼の部 1階14列センター

一、正札附根元草摺 
     曽我五郎時致   愛之助 
     小林朝比奈妹舞鶴 孝太郎

初っ端から愛之助さんの登場♪
お相手は孝太郎さん。前月にはこの春日井でも1夜限りの上映がなされた
映画『Beauty~うつくしいもの』のふたりです~。(孝太郎さんは、
後藤監督とご一緒に舞台挨拶にもいらしてくださいました。)
歌舞伎の伝統的な色彩美と様式美にあふれる祝典劇。
いわゆる「曽我もの」実はちょっと苦手なのですけど、、
イヤホンガイド頼りに、なんとか楽しめました(笑)
ひと目にそれとはわからないほどのこってり紅隈、ぼってり衣装の愛之助さん。
ピンっと立てた両足の親指。これも力強さの象徴だとか。
解説でそう聞いて、ついサンダルの中の親指を立ててしまいました(笑)
どうやったら親指だけあんなふうに立つんでしょ、足が攣りそうです(爆)
女だてらに大刀を携えた勇ましいお姫さまの孝太郎さん。
孝太郎さんは、愛之助さんとのバランスがいいなと思います。
孝太郎さん、超勝ち気なお姫さまは意外や(?)よくお似合いでした。
押してもだめなら引いてみな、というわけで突然「くどき」にまわる姫さま、
ちょっと笑えます。
要は、ふたりの力くらべということで。・・それだけの話、かな(笑)
ストーリーより見た目を楽しむ演目、ということでよいでしょうか。


(2)へつづく。

映画「築城せよ!」 感想その3

2009-07-06 | 観る、聴く

映画の感想を「その3」まで続けるとは・・(笑)
明日からまたきっと余裕のない生活なので、
なんとか本日中に書き終えねば!

世に騒がれる人気映画ほどの豪華キャストではありませんが、
なかなか面白いキャラクターぞろいのこの映画、
個性派俳優さんたちがそれぞれに、い~い味出していました。

☆海老瀬はなさん(伊原ナツキ)
ナツキは、愛知工業大学で建築を学ぶ学生。最初は気乗りのしなかった
築城計画だが、ひょんなきっかけからダンボール城の設計を担当することに。
補講を受けているような女子学生がすらすらと城の設計図を引き、
頼りなげにも現場を指揮するとか、余興とはいえあのウェディング姿とか、
なんとも強引な気がしてなりませんが、はなさんの演じるナツキ像には
好印象を持ちました。
また、そのさっぱりとした明るい印象そのままに、恩大寺に対する思いも、
ありがちなベタな恋愛関係にまで発展させなかったことには、わたしは
監督に対し拍手を贈りたいです。

☆江守 徹さん(馬場虎兵衛町長)
江守さんも、よくこの映画に出てくださったなあと感謝です。
最後まで小憎らしい頑固さがサイコーでした。

☆津村鷹志さん(岩手晴彦)
ふだんはちょっとクセのある、どちらかというと憎まれ役のイメージが
ありませんか(わたしだけ?)
でも今回は、わたしのそんなイメージを覆した、とっても良い人!(笑)
もともと猿投城の復活を目指していた研究者というわけで、
恩大寺の一番の理解者であり、敵対する馬場町長(実は幼馴染)との
仲立ちにも奮闘します。
岩手さんという人、いちおうその筋の人だけに、その知識からひらめく
恩大寺相手の咄嗟の機転が、ことごとく面白かったです。
自称「岩手三河守」とか、万年筆での切腹覚悟とか、、ね(笑)
なんだか、じんわりと人間味を感じるいいお芝居を見せていただいたなと
思います。

☆木津誠之さん(ホームレスのゴン・権太夫)
いやあ、、いい味出しまくりでしたね~、ゴンさん!
彼のダンボール論(笑)が、本物の城づくりへの鍵なわけですし。
「ダンボールは奥がふけ~。・・・作っては壊し、壊しては作る・・
 紙は生を繰り返す。」
「大事なのは、中に何を入れるか、だ」
恩大寺同様、わたしも「ほぅ~~」ってうなりました(笑)
基本きっちゃないのですが、時折見せる真面目な表情や、嬉しそうな
表情が、実に人間臭くていいなあ、上手いなあと思いました。
ところで! この木津さん。
なんと、高校の同級生の弟さんだったことが昨日わかりましたっ。
突然、高校時代からの友人からメールが来て(彼女もこの映画を観て
きたところでした)教えてくれました。
彼のお姉さん、同じクラスになったことがないからあまり親しくはなくて
はっきり言ってすぐ思い出せなかったのだけど、パンフのゴンさんの笑顔
見ながら、、おぼろげに思い出しました。そうそう、目が似てるわ。
もう、びっくりです!
頭ずいぶん薄いけど(笑)72年生まれってパンフにも書いてあったわ。
で、パンフによれば、なんと『風林火山』にも出てたとか。
どんな役だったのかしら~~。いやあ、びっくりびっくり。
また観てみたい役者さんです。

☆ふせえりさん(二本松和子)
いいですよね~、パンチのあるスパイスって感じで(笑)
フラボンをもっといじってほしかったわ~(笑)

☆阿藤快さん(伊原勘助・勘鉄斎)
大工の棟梁で、ナツキにお父さん。そして、恩大寺の家臣・勘鉄斎の
魂がその身に乗り移ります。
頑固で不器用な生きざまみたいなのがにじみ出てますね。
おイソガ氏の愛之助さんに代わって、宣伝のためずいぶん奔走して
くださいましたよね。

☆藤田朋子さん(佐々木律子)
ナツキの大学の先生。そういう名前だったんだ(笑)というほど
ちょっと役柄的に影が薄くて気の毒だったかなあ。
そもそも大学の、それも建築の先生というイメージも感じられないけど。
この役、建築学のプロなわけなので、ナツキのフォロー役として、
城の設計や現場指揮にもっと関わらせてもよかったんじゃないかなと。
そのほうがダンボール城建設の難しさに現実味も出てくる気がするし。

☆その他(・・と括ってしまってごめんなさい!)
・片岡 功さん(町民) 
パンフによると、13代目仁左衛門さんのお孫さんとあるので、
愛之助さんとは(母方)従兄弟の関係にあたるのですねえ!そして
舞台「蝉しぐれ」にもご出演だったとか!ありゃあ!
で、さっそくそのパンフを調べてみました。矢田作之丞役でした~。
知らなかったわ~(笑)
・安宅忍さん(春日=勘助の師匠)
名古屋弁っぽい台詞がどえりゃあうまかったで、名古屋のじいさんかと
思っとったわ(爆)北海道出身で、「ラ・マンチャの男」にもご出演
なさる立派な役者さんでございました(笑)
・星 光子さん(三味線のおばちゃん、笑)
お名前見てもわかりませんでしたが、パンフによると、なんと
「ウルトラマンA」の南夕子隊員だった方だとか!覚えてる~~!
あの南夕子隊員が・・・・でした。ふむ、かれこれン十年(笑)

個人的には、岩手役の津田さん、ゴン役の木津さんが特に良かったと
感じました。


なんだかクセになる面白さのある映画だなと思いました。
二度観てきましたが、まだまだ観てみたい気がします。
実はわたしが観てきたのは平日モーニングということもあって、
お客さんは1回目はわたしを含めてなんと4人(!)
次のときは、ポイント2倍デーということもあってか(笑)
同じ時間帯でもちょっと増えて8~9人ほど。
公開当初はどうだったかわからないけれど、これではいかにも寂しい・・。
愛知県内では、いちおう地元の利で3つの映画館で上映している
というのもあって、客が分散してしまっているのかもしれないけど。
もっとたくさんの人に観て楽しんでほしいなあ、、と思う次第です。
わたしもできればもう1度観てきたいのだけど、
今週から日に2回の上映に減ってしまって、さらにその時間帯が
とてもよろしくないので(笑)さてどうなることか。
ここらでいっちょ、名古屋のほうでもいいので、
愛之助さんをお招きしちゃうとか~~カンフル剤が欲しいところです(笑)
そしたら、名古屋だろうがすっ飛んでいきま~す♪
それから、DVDにはならないだろうから(?)
ここは制作委員会にも入っている地元のメ~テレ、
いつか放送していただけたら嬉しいなあ~~♪

以上、おわりっ!
きゃあ、、こんな時間になっちゃったよぉ。

映画「築城せよ!」 感想その2

2009-07-05 | 観る、聴く

  『築城せよ!』(公式サイトはこちら

今日は、愛之助さんほか役者陣や、印象に残る台詞などについて。

☆片岡愛之助さん(石崎祐一/恩大寺隼人将)
よくぞ愛之助さんをこの映画に抜擢してくださいました!
そして愛之助さんも、超過密スケジュールのなか、よくぞ引き受けて
くださいました!
そしてそして、おそらく監督の期待を裏切らない石崎・恩大寺となったと
思うし、愛之助さんにとっても、きっと期待以上の素晴らしい作品に
仕上がったことだろうと思います。

いまだに、なぜこの役に愛之助さんが選ばれたのか、監督さんの口から
聞くことがないように思いますが(なんで誰も聞かないの??)
ただ、これはもう、誰しも観れば納得!!
古より突然現代に現れし戦国の武将、恩大寺隼人将(おんだいじはやとのすけ)、
あのまったく無理のない風格と威厳に満ちた声、そして謡と舞。
ふむ・・時代劇の上手い役者さんでも、さすがにあのオーラは出せますまい。
ほかの歌舞伎役者さんでも、同年代ではちょっと思いつかない、かな。
この映画の魅力は、先の記事で書いたように、
ものづくりへの溢れる気概が、登場人物と制作スタッフにシンクロして
映画全体を動かしていること。
今ひとつが、この愛之助さん演じる恩大寺の類稀なオーラではないかと。
贔屓目ガンガンですが(爆)その一挙手一投足、眼差しひとつ、
後姿の背中にさえ、、痺れまくりでございました~。
そうそう、商店街を馬で疾走する恩大寺は、やはり愛之助さんでしょうか。
めっちゃかっこい~~♪
お声にいたっては、もう耳福この上なく。

恩大寺の心の動きも、やはり歌舞伎役者さんらしく、あの衣を纏っては
さすがに自然に見えます。映画『Beauty』や舞台『赤い城黒い砂』よりずっと
表情やしぐさ、台詞回しに深みが感じられて、よかったと思います。

恩大寺の心の変化によってストーリーが動いていくので、
要所要所で、恩大寺の台詞が印象的です。

・馬場の選挙ポスターを見つけ、現代では政の主は、民がそれにふさわしい
 人物を選ぶことを知る。
 「民が主君を選ぶのか」
 そして、古に家臣の謀反によって滅ぼされ、甦った今も現代人から
 そっぽを向かれる我が身を思い、、
 「わしは・・選らばるるに足らぬ男か」
 その気づきがあまりに切ない。。
・(シーンにちょっと自信がないですが)
 紙(ダンボール)の城では即座に壊されると勘鉄斎に言われ、
 「壊れても、民の心に残り続ける城であればいい」  
 戦のためにあるものと思っていた城に対して、恩大寺の考えが
 変わってきたころ。そのきっかけとなった、ホームレスのゴンの
 ダンボール論(笑)がまた秀逸!
・「あの者も、あの者なりに故郷を守ろうとしておるのだ」
 「争うばかりが道ではない」 
 築城阻止を謀る馬場に対して、おそらく過去の苦渋を思い返しつつ、
 政を司る者としての理解を示すようになった恩大寺。
 ほんとうに大切なものを守るために、馬場へ差し向けたメッセージは、
 本物の主として成長した証とも思えた。
・「あの者たちにも、わが城の成るのを見せてやりたい」
 「わしが殺めた者たちに、今もこうして花を手向けてくれる者がある。
  ありがたい・・」
 古の過ちに気づき、本物の城づくりを目指すなかで、恩大寺の心が、
 亡き者たちへ、今生きる者たちへと開いていくのを感じる。
・「天が、わが小さき器を試しておる」
 城の完成を目前に、勘鉄斎までもが去ってしまった。
 馬場町長らの謀の噂もある。
 失意と焦燥のなか、我が身を奮い立たせるが如く。ナツキを前に。 
 かっちょええ~(涙)もはやこの上なき立派な武将、主としての器だと
 言ってあげたい。。
・祝宴の夜、城の破壊を企む馬場町長に向かって。
 「確かにこの城は紙だ。
  しかし、その紙を、生者の気と亡者の魂が支えておる。
  信念なきものに、この城は壊せまい」
 わたしは、この台詞にいちばんぐっときましたね~。
 このときの、恩大寺の表情、声の深みもたまりませんっ。
 でも、それを受けた馬場の台詞も重い。
 「信念ならわたしにもある。(中略)この町はわたしが守る」
 馬場も馬場なりに町を愛し守ろうとしている。
 恩大寺には、かつて自分を滅ぼした家臣・馬場の思いをそこに
 見るようだったかも。

さて、フラボン(唐突に。笑)
恩大寺がその魂を預ける身体が、石崎という、愛之助さんのもうひとつのお役。
役場の職員だけど、ハンコもまともに押せないという役立たず。
いつもフラフラしている豆腐屋のボンボン、ということであだ名が
「フラボン♪」
情けな~い究極のドジっぷりが、もうめっちゃかわいい(笑)
あんまりわざとらしく見えないところが天才的(笑)
と思っていたら、先日大阪の舞台挨拶によれば、
愛之助さんの素顔はフラボンに近いとか?!・・だからなのっっ?!(笑)
もっと見ていたかったな~フラボン♪
愛之助さんファンには必見、究極の二役でございました。


あはは♪ 愛之助さんだけでずいぶん書きまくってしまったので(笑)
またいったん締めます。
共演者さんについては、その3へ続くっ!

映画『築城せよ!』を観たよ~ 

2009-07-04 | 観る、聴く

映画『築城せよ!』やっと観てくることができました♪
先月20日の公開から、待った、待った~!
7月2日に夏季休暇を1日いただけることになっていたので、
なにはさておき、これだけは絶対敢行!と決めていたんだ~。

いやあ・・これはあっぱれ!!面白かった!!
正直なところ、愛之助さんが主演というのと、地元近くが舞台になると
いうことで企画発表段階からずいぶんと話題になっていたというだけで
注目していた作品。
「現代に甦った戦国武将が、ダンボールで築城の夢を果たす」
とかって奇想天外なストーリー紹介にも、どちらかというと苦手意識が。

しかーし!
わたしの感じたところでは、次々話題になるやったら豪華な役者陣を
並べ立て、さらにセットに演出に宣伝にお金をかけまくったわりには
安っぽ~い出来にしかならない邦画の数々より、ずーーーっと楽しめる
内容でした♪
そもそも監督の発案によるオリジナル(正確には共同)脚本であることが
まずすばらしい!
最近映画に限らずドラマや舞台に至るまで、大ヒットした小説や漫画を
原作にして焼き直し、その人気に乗っかろうなんていうような風潮が
止まらず、はなはだ不愉快。
映画ファンでもなんでもないけど、
映画撮るなら、映画にふさわしい映画のためのホンを創れ!っつーの(笑)
映画なら映画、ドラマや舞台も然り、そのフィールドでこそ活きる
ストーリーってやっぱりあると思うのだけどな。それで真っ向勝負して
欲しいと常々思うわけで。
そうやって細々とでも勝負している人たちこそ、ホンモノだなって思う。

まあ、、そんな持論は置いといて、
この作品、発想こそ奇想天外ではあるけれど、テーマは意外なほど
シンプルで普遍的。
それは、人と人との信頼、つながりこそが何にも増して大切であり、
不可能とも思えることさえ成し得るパワーの源になるということ。

古の世から突然現代に甦った武将は、自ら果たし得なかった築城の夢を、
ここにあらためて実現しようとする。しかし、当時さながら威を示して
築城の命を下したところで、彼の意を解しついてくる現代人などいない。
しかし、彼は考える。
天がこの時代に彼を再び甦らせたる意思を。
そして、彼はこの時代社会の在り様からしだいに学んでいく。
なぜ自分は古に築城を為し得なかったのか。
城とは。民とは。そしてそれを治めるに必要なものは。
映画のなかには一切出てこないけれど、武田信玄の名言を思い出した。
「人は城。人は石垣。人は堀。情は味方。仇は敵なり。」
ストーリーの柱は、この武将・恩大寺の成長であると思った。
恩大寺の心の成長は現代の人々の心を動かし、
彼の築城の夢の実現に向けて動き出す。
そして、敵対する相手との関係にも変化が生まれる。

人が人の心を動かし、人と人がつながり、やがて事を成す。

この映画では、たくさんの学生や市民がエキストラや美術スタッフを
務めている。これだけ多くの素人をまとめあげ、あのダンボール城を
まさに築城させ、1本のすばらしい映画に仕上げた古波津監督は、
恩大寺隼人将そのものに思えてきた。
ストーリーの真実は、この映画の製作現場でも真実であったようだ。
そのシンクロが、この映画の最大の魅力に違いない。

ものづくりの原点回帰、と言ってもいいかもしれない。
この映画は、愛知工業大学の開学50周年記念事業の一環で企画されたという。
ものづくりを目指す学生たちが、こんな映画の制作にたっぷり関われたこと、
ほんとうに素晴らしい経験、財産を得たと思う。
これを大事にぜひ、ものづくり愛知、ものづくり日本を背負って立つ社会人に
成長していってほしいものである。
この映画製作が、単なる記念事業、単なる町おこしでなかったことが、
関係者でなくとも嬉しい。


えらく力が入ってしまいました(汗)
だって、ほんとに感動しちゃったんだも~ん。

というわけで、ちょっと熱を冷まし(いや、熱を別の方向に向けるため)
いったん締めます。
我らが愛之助さん♪ほか、いい味出してた役者さんたちについて、
そして心に残る台詞などについてはあらためて。
今回は絶対書きますからね~(笑)

舞台 『その男』 雑感

2009-05-31 | 観る、聴く

月一更新なのか、、わがブログ(大汗)

舞台『その男』
大阪・新歌舞伎座で二度、9日と大千秋楽に観劇をしました。
最近、文章を書くという作業にとんと無沙汰をしていたら、
言葉がなかなか出てこなくて。
思うように書き残せる自信がないけど、つらつらと書いてみます。
二度観るには観たのですけど、いつになくゆる~~く観ていたので(汗)
舞台の記憶(台詞とか動き)は非常に曖昧。ご容赦ください。
あるいは大きく違っていましたら、ご指摘くださいませ。
(↑そんなんばっかりだったりして・・きゃっ!)

原作、池波正太郎さんによる同名小説は、今年の正月に読みました。
虎之助や池本先生を通しての人生観よりもむしろ、
江戸人、薩摩人視点で幕末から明治にかけての時代を見ていくことが
とても新鮮で興味深く、とくに後半は一気に読めました。
ただ舞台化を考えたら、そちらに焦点を合わせるとはとうてい思えず、
虎之助と彼が愛した人々との関係を通して、時代を超えて変わらぬ
人としてのありかたをドラマチックに描くのだろうということは
容易に予想できました。
虎之助の前半生には、虎之助を演じる上川さんがその魅力を存分に発揮
できそうな劇的な場面が続々なので、舞台作品としての見応えをたっぷり
期待できる一方、虎之助が愛した人々の独特な人的魅力とその関係の
やや複雑な魅力を舞台で表現しつくせるか、激動の長い年月を描かねば
ならぬことで、エピソードのひとつひとつが希薄な印象で終わらないか、
どちらかというとそちらの懸念のほうが大きかったのが正直なところ。
明治座の『燃えよ剣』はわたしには受け入れがたかったので、
脚本・演出、劇場タイプが同じだけに、期待<<<不安でした。

が。舞台『その男』、思ったよりずっとよかったです。
脚本・鈴木聡さんの手により、
ずいぶん(特に女性には)わかりやすい、共感を得やすい作品に
仕上がっていたなと思います。
時勢や人生に「川の流れ」をイメージさせたのは、最大の勝因。
このコンセプトがストーリーのど真ん中を、まさにひと筋の川のごとく
堂々と貫いていることに潔さを感じ、感心しました。
台詞は、一部原作からそのまま引いているものもありますが、
鈴木さん自身による台詞に、いいなあと思えるものが多かったことも、
今回の作品に好感をもてた理由のひとつです。
特に、池本先生の台詞は、原作で著者池波正太郎さんが言わんとした
根幹の部分でもあるので、鈴木さんなりの解釈でさらに噛み砕き、
言葉をあらため、あるいは補足したりして、より伝わりやすい台詞に
なっているなと思いました。

また、この脚本で原作から大きく変更をしている部分が、
とても魅力的に仕上がっていて、成功に大きく寄与したと思います。
第三幕、師の敵とわかった半次郎を虎之助が薩摩に訪ねる場面です。
わたしは原作の流れも好きなのですが、やや理解しにくい場面であると
言えなくもありません。
中村半次郎という大きな人間力と、それに打ちのめされ惚れこんでしまう
虎之助の男心が、燃え盛る憎悪を一瞬のうちに掻き消してしまった、
というのですから。
この男たちの単純とも複雑とも思える情感を、あまたの(多くが女性)
観客にじゅうぶんな説得力をもって伝えるというのはかなり難しそう。
と、鈴木さんが思ったかどうかは別として、
そこにお秀さんを介入させてしまうというのが、この脚本の決定版オリジナル。
なるしーが悪いわけではないですが、この舞台での半次郎は、
とても虎之助や観客を納得させるだけの人間的魅力を携えているようには
見えませんでした。もともとそこまで描かれていないから仕方がない。
そこで、ふたりの男の真の魅力を唯一わかっているお秀が、
なんともお秀らしいやり方で、台詞で、ふたりの男の心を一瞬にして
説き伏せてしまうのです。
「こんないい男がふたりも無駄に死ぬなんて、もったいなーい!」(だっけ?)
お秀の、女性的視点からの単純明快な説得は、
観客にとって非常に共感、受け入れがしやすく、だれもが納得のいく解決に
収まったのではと思いました。

このシーンでは、半次郎の台詞もいいです。
「男には、やらねばならぬ喧嘩とやらぬでもいい喧嘩がある」(だっけ?)
もちろん鈴木さんオリジナル(のはず)。
おいどん(西郷)は「やらねばならぬ喧嘩」をしようとしている。
自分はそんなおやじどんについて行く。
だから虎之助と「やらぬでもいい喧嘩」はせぬ、、と言うのですね。
ここではじめて、この舞台の半次郎を「いい男だ!」と感じることができました。
さらに鈴木さんは、そんな半次郎に、虎之助から池本先生の刀を授けます。
半次郎への餞でもあり、虎之助の剣との決別でもあります。
虎之助「先生はきっと喜んでくれる。そういうお人だ」(だっけ?)
原作には、虎之助の思うところとして、自分が「師の敵討ち」などをしたら、
先生はあの世できっと顔をしかめるはずだ、、というくだりがありますが、
その意を汲んでとてもいいシーンが生まれたなと思いました。

この薩摩での場、3人の役者さんの芝居ももちろん見事でしたが、
なによりも、すばらしいオリジナルで勝負した鈴木さんこそあっぱれ!と
わたしは思いました。

原作に負けぬオリジナルでの勝負といえば、やはり虎之助の晩年を描いた
最後の場もそうです。
「歳をとると、散歩をしていても見るのは景色ではない。
 一歩歩くごとに心に浮かんでくるものを見ているのだ」(だっけ?)
思わず「うまいっ!」と心のなかで拍手しました。
桜吹雪舞うなか、懐かしい剣と恩師と愛した人々に囲まれ、
生き抜いた98年の人生を「面白うございました」と(言ってなかったっけ?)
満足そうにしずかに微笑む虎之助翁。
カタルシスたっぷりの美しいラストシーンまでを見納めて、
原作とはひと味違う魅力に富んだ舞台作品として、
大健闘だったと心から拍手を送りました。

いまひとつ、鈴木さんの生んだ台詞で心に残っているもの。
「きれいな川をきれいな人間が泳いでいく。そうなるといいなあ」(だっけ?)
虎之助の腕のなかで逝った池本先生の最期の言葉。
師の願いどおり、虎之助は生きて生きて濁流渦巻く川の流れを見続けました。
そして虎之助はその生を全うし、川は今も流れ続けています。
池本先生。虎之助。
川は、あなたたちの願った、きれいな人間の泳ぐきれいな水の川に
なっているでしょうか。
水は澱み、濁って見えているのではないかと心配です。
人は泳いでいますか。川岸で眺める人ばかりではないですか。
それもひっくるめて、時勢という川の流れのうちなのでしょうか。

川の流れに乗るもよし、逆らうもよし、あるいはその川岸で流れを
眺めるもよし。
ただ、どんな流れになろうとも、どこにいようとも、
変わらぬ人の在りかたとは、人を愛し慈しみ、あるいは志を持って、
ひたすらにその生をまっとうすること。

生きんがために殺しあうことをやめた日本人。
獣としての本能=戦う性は、日本人の心が進化して消えたのか、
あるいはどこかでくすぶっているのでしょうか。
くすぶっているのだとしたら、川に飛び込む勇気を持って欲しい。
もちろん再び殺し合いをするような戦いを巻き起こすというのではなく。
澱んだ川に流れを起こすもよし、その流れに逆らうもよし。
川のなかで、おもしろい思いも怖い思いもつらい思いも経験すればいい。
川岸で流れを眺めるのは、そのあとでもじゅうぶん。
川を経験してこそ、離れて眺めることの楽しさや幸せに気づけるのかも
しれない。
今の世なら、わが子にはむしろ「川へ飛び込め」と、
親としては言いたい気がする。
そして、変わらぬ人としての在りかたというものには、
年月と経験を通して、自分なりに気づいてくれたらいいと思う。
・・・なんてことまで、千秋楽の帰路、考えたりしました。


今回も良い舞台を見せてもらえて嬉しかったです。
原作や前作があるとつい比較してがっかりすることが多いのですが、
今回はこの舞台版の魅力に気づき、楽しむことができたことが
いちばん嬉しかったです。
役者さんたちについてはとうとう書かず終いでしたが、
平幹二朗さん、キムラ緑子さんは、さすがに良い役者さんだと
ベタ惚れしました。
特に平さん、とにかく台詞ひとつひとつの説得力が抜群。
登場シーンは空気まで違う気がします。
刀を構えた佇まいにも、今まで味わったことのない威厳を感じました。
上川さんでもまだまだ敵わないこの絶対的な違いはなんなんだーー?と
すっかり興奮いたしました。
そして上川さん。
もう今さらあらためて書くまでもないです。。
やっぱり舞台はいいっ!!
時代劇での立ち居振る舞いはすばらしいっ!
なにより、あの立ちまわりの迫力と美しさは比類なしっ!!

終わったばかりだというのに、心ははや秋の舞台に期待爆発。
まったくファンは貪欲なこと(笑)
長い公演、厳しいスケジュール、激しい舞台、
ほんとうにお疲れさまでした。
次もかならず、すばらしい舞台を見せてくれるものと期待しています♪

「赤い城 黒い砂」 観劇

2009-04-05 | 観る、聴く

桜満開の京都。あこがれの南座です♪


『赤い城 黒い砂』
 W.シェイクスピア/J.フレッチャー作「二人の貴公子」より
 蓬莱竜太脚本 栗山民也演出
 出演: 片岡愛之助 黒木メイサ 中村獅童
     南沢奈央 馬渕英俚可 田口 守 中嶋しゅう 中山 仁ほか
 4月4日(土)11:30 京都南座 1階8列

せめて4~5月は観劇予定を入れずにおこうと(上川さんは別ね♪)
覚悟していたのだけど、これはどうしても観ておきたかったし、
着任してすぐだからまだ出かける余裕はあるかな~と・・押さえちゃいました。

観に来てよかった~~~♪♪♪

もうね、、めちゃめちゃかっこいい!!に尽きます(笑)
物語もなかなか重厚で面白かったし、見応えもあった。
しかし何より何より・・眼福!!でありました。

冒頭、これは新感線の舞台かと思えるほど。一気に期待がボンっ!
そして花道から颯爽と進み出て、わたしの真正面(やや上手側)に
すっくと立った愛之助さん。(一幕、この席は非常にオイシカッタ♪)  

めちゃめちゃかっこいいでないのぉおおおお!!!

黒の長髪、エキゾチックな黒の武将姿、そして冷たい光を湛える瞳。
獅童クンはまあ予想通りの猛々しさ、かっこよさでしたが、
この愛之助さん、こんなにもよく似合うとは・・予想以上!
これはちょいと波紋を呼びそうですが(笑)

四郎さまよりかっこよかったっ!! (言っちゃった・・)

とにかく、愛之助さん&獅童クン、歌舞伎役者であることを忘れて
しまいそうになるほど、この世界にハマりまくりでした。すごいなあ。。

獅童クンは、愛之助さんより演劇経験がある分、余裕を感じましたね。
役柄的にも愛之助さんの役よりは演じやすさも自由度もあると思うし。
一幕はその自由さになかなか危ういものを感じましたが(笑)
早くから役をモノにしている感じはさすがでした。
愛之助さんは、まだこなれていない感じが否めませんが、
回数をこなすことでいろいろなことに気づいて役を深めていけたら、
この芝居全体が、もっともっと見応えのあるものになるはず。

それから黒木メイサちゃん。
カンペキですっ!男勝りの美しき王女。
凛としていながら哀しみの色をもつ瞳の強さと、あの流れるようなラインの
美しい衣装を着こなす抜群の容姿と、男たちに比べまったく見劣りしない
殺陣のキレと美しさ。声もよく通るし迫力も抜群。
こちらもかなり期待していましたが、もうすばらしい!惚れ惚れしました!

ほかにも馬渕英俚可さんや中嶋しゅうさんは、以前の観劇(馬渕さんは
『オセロー』しゅうさんは『かもめ』)での好演で記憶に残る役者さん
ですが、今回も期待を裏切らないところをしっかり見せてくれました。

メイン3人はもちろんのこと、衣装はどの役のもとても素敵だったし、
舞台装置は廻り舞台を存分に活用していて変化に富む見事なものでした。
音楽や効果音もなかなか面白く、いい雰囲気をかもし出していました。
舞台下手にドラムセットみたく打楽器類をいろいろ集めてあり、生で奏でる
効果音が臨場感をさらにアップ。
無国籍風、そしてスケールの大きな、それでいて繊細な舞台づくり、
とても上質な感じを受けました。

今回シェイクスピアの原作は読んでいきませんでした。
ずいぶん思い切った翻案をされているので、
まったく別物として割り切って観たほうが良いみたいですね。
わたしは原作イメージがないので、どっぷり楽しめました。

男女の三角関係がベースの話かと思いきや、
人間のもっと本能に近いところでの欲望や嫉妬や憎しみを剥き出しにして
獣である人間の性を描いたもので、かなり硬派な内容になっています。
人間の、戦うことの止まない運命を突きつけられたとき、
その救いのなさになんとも苦々しく重苦しい思いがしましたが、
ラストシーンでナジャ王女(メイサちゃん)が民に向かって叫んだセリフは、
民に、観客であるわたしたちに、生き続ける勇気を与えました。
胸がかっと熱くなるようなメッセージでした。
(めちゃくちゃかっこよかったなあ!!)

われわれはこれから最も厳しい時を迎える。
それでも、子を産み、育てよ。
そしてふたたび戦え!(・・と言ったかどうかはあやふや)

これが、現代にそのまま通じる、この芝居からのメッセージだと感じました。
それを受け止められて、ある意味生々しいこの芝居に込められた
人間への深く熱い愛情に気づけたような気がします。

芝居そのものには、もっともっと見どころ、考えどころがあるはずだと
思われるので、もう一度、芝居が回数を経てもっともっと練られたころ
観てみたいなあと思いました。それが叶わぬのが残念~~。

東京公演、どこか映像にして流してくれないかなあ。

書き出すとじわじわいろんなことが思い出されて、もっと書きたいのは
やまやまですが、今時間的、気もち的余裕があまりないので、
この芝居についてはこれまでとします。

最後にひとこと。
愛之助ジンクの最期のセリフ。
ひょえーーーーっ!そういう話だったのか!!!
・・・あの瞬間の衝撃は、忘れられません。
あのふたりの最期には今もドキドキします・・ああ、もっかい観たい。

       ************** 

幕間には偶然同列でご覧になっていたムンパリさんと食事をしながら、
さっそく一幕の感想を交わして楽しみ、観劇後にはとみさんともお会いする
ことができました。

今回は終演時刻が早いので、少しだけ京の桜を見られるかなと楽しみに
していたのですが、この日は京都に着いたときからすでに雨が落ちていて、
南座を出るころにはすっかり本降り。。
それでもせっかくだからと、おふたりがすてきなところへ案内して
くださいました♪
   

              祇園白川の枝垂桜です。

雨でもけっこうな往来のあるなか慌てて撮影したので、いまいちの
ショットですが・・町並といい桜といい、雨もまた一役かって、
実にしっとりと艶っぽく、良い風情でございました。
そのあと「フランソワ」という喫茶店に向かったのですが、道々出会う桜がどこでも
とても素敵でした。四条大橋(でしたっけ??)から望む鴨川の河原が
地元岡崎の乙川河川敷の殿橋から見る風景によく似ていてびっくりしました。

「フランソワ」は、こぢんまりとしたとてもシックな老舗喫茶店。
タルトと珈琲をいただきながら、この日の芝居や歌舞伎のこと、最近気になる
映画やドラマのことなど、若輩者にとっては次から次へと興味深いお話ばかり、
とても楽しい時間をご一緒させていだけて嬉しかったです。
ムンパリさん、とみさん、どうもありがとうございました♪

近いほうなのに、憧れはあるもののなかなか訪れる機会のなかった京都。
わずかな時間でしたが、すてきな風景をたくさん見ました。
南座はまた来てみたいし(5月はつくづく残念!)、
京都のあちこち、あれこれをいつかゆっくりと楽しんでみたいなあと
(もちろんお子ちゃま抜きで!)すっかり夢膨らみました。
う~~ん、もう少し先の話かなあ・・。

うつくしいもの(笑)をあれこれたくさん見られて、
とてもとてもしあわせ気分に浸れた、京の一日でした♪♪