「マッキーのつれづれ日記」

進学教室の主宰が、豊富な経験を基に、教育や受験必勝法を伝授。また、時事問題・趣味の山登り・美術鑑賞などについて綴る。

マッキーが教える小学校の算数単位の学習

2008年01月15日 | 教育

 今日は、午前中に小学校の5年1クラス、6年2クラスの算数の授業を行い、移動して中学校の2年数学の授業をしました。

 小5の算数の授業の始めに、毎回単位の総復習をしています。教科書に載っているいかいないかに関係なく、必要と思われる単位は、覚え方を含め教えています。

 たとえば、重さの単位のトン(t)は、小学校の算数では教えていませんが、様々な学習で必要な単位だと思われます。また、1t=1000kgですから、覚えることもさほど難しくありません。

1gの1000倍が1kg、1kgの1000倍が1t、メートル法は1000倍で単位変換されます。

 面積の単位の、ヘクタール(ha)やアール(a)は、以前は小学校で習っていたはずですが、現在は扱われていません。これらの単位は、中学校では様々な教科で、当然知っている単位として出てきます。

 面積の単位は全て、正方形の1辺の長さと、その面積の単位の関係で覚えます。
たとえば、1辺が1mの正方形の面積が1㎡。1辺が10mの正方形の面積が1a。1辺が100mの正方形の面積が1ha。1辺が1kmの正方形の面積が1k㎡。ですから、1aは、10かける10で、100㎡。1haは100かける100で、10000㎡。

 このように、単位を変換する式を言わせて、答えを出す訓練をします。

 かさの単位(体積・容積)は、小学校3年生で、1ℓ・1dℓ・1mℓと言った、一見難しい単位の変換を学習します。

 しかし、その後6年生になるまで、最も大切な単位の立方センチメートル(㎤)や、立方メートル(㎥)は、出てきません。ちょっと不思議ですが、体積を求めることを教えるまで、単位を教えない結果、このようになったわけです。

 多くの生徒が、単位については苦手としているようです。新しい内容を学習しても、単位の変換で間違えて、答えを出せない生徒が多くいます。単位の学習はつまらないかも知れませんが、しっかりした覚え方を学習したなら、さほど難しいことではありません。

 ある小学校で、連続10日間で、一つの単元の「比」について教えました。
この比については、単位と同様に中学校では、小学校で学習していることを前提に、指導しているのが普通です。

 相似な図形の辺の長さを求める際には、比例式を利用しますが、これも小学校で習っていることを前提としています。しかし、小学校の教科書では、取り扱いが不十分で、比を簡単にする問題の一つとして、取り上げられているに過ぎません。

 比の基本的な利用として、比例式・比例配分・連比がありますが、もう少し教科書に取り上げて教えておいた方がよい項目だと思います。

 教科書には、連比の考え方として、中学の3年で習う「三平方の定理」を例に挙げていました。しかしもう少し簡単な、小学生でも利用できる内容で、連比を使えるよう指導すべきだと私は思います。

 今までお話しした内容は、公立小学校での学習指導に関することで、無論進学教室では、単位・計算は言うに及ばず、比については最重要項目として、様々な算数の解法に利用されています。


追記:
2011年度から実施された新学習指導要領によれば、小2で体積の単位(L、dL、mL)、小3で重さの単位(g、kg、t)、小4で面積の単位(平方センチメートル、平方メートル、平方キロメートル、アール、ヘクタール)、小5で体積の単位(立方センチメートル、立方メートル)を学習することになりました。

変更点は、学年ごとに見ると、以前より先取りで学習項目が出てくることと、t(トン)・a(アール・ha(ヘクタール)などの単位が復活したことなどが挙げられます。

このブログで私が指摘していた問題点が、一部改善されたと言って良いでしょう。

ちょっと変な変更点としては、他の単位はすべて小文字で表記されているにも拘わらず、リットルの単位が、小文字表記から大文字表記になりましたが、PCの文字表記の問題点から、指定が変わったものと推測されます。

文科省が、そこまで立ち入って表記まで指定する意味があるのか、ピントのずれたオタク役人の仕業と笑って見過ごしてください。


小学生の単位についての指導法は、以下のブログも参考にしてください。

第一ステップ 単位の構造を理解させる(1)

第一ステップ 単位の構造を理解させる(2)

第一ステップ 単位の構造を理解させる(3)

第二ステップ 単位変換で注意するポイント・最終回






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