「マッキーのつれづれ日記」

進学教室の主宰が、豊富な経験を基に、教育や受験必勝法を伝授。また、時事問題・趣味の山登り・美術鑑賞などについて綴る。

マッキーの単位の教え方…第二ステップ 単位変換で注意するポイント・最終回

2008年03月28日 | 学習指導法

3回にわたって、以下のように単位の相互関係をうまく説明する方法を綴ってきました。

小学生に対する単位の教え方…第一ステップ 単位の構造を理解させる

小学生に対する単位の教え方…第一ステップ 単位の構造を理解させる(2)

小学生に対する単位の教え方…第一ステップ 単位の構造を理解させる(3)


しかし、そうした単位の基本を理解しても、小学生にとって間違えてしまうポイントがあります。

今回は、その間違えやすいポイントについて、その対策を含めて改めて伝授し、単位の最終回にしたいと思います。


Tea break

3月26日の桜


今日も図書館では、ドン太とビージェーが、ヤン太に単位の特訓を続けていました。

「ヤン太、そろそろ単位の問題が、分かってきたんじゃないの?」

「単位と単位の関係は,だいぶ分かってきたよ。でも、ちょっと単位を変換するときの計算に自信がないんだ。」

「そうかなあ?だって、単位の変換の計算なんて、簡単なはずだけれどもね。」
ドン太は、不思議そうにヤン太を見て言いました。

「ドン太の言う通り、単位の変換の計算は、簡単だよ。だって、ほとんどが、小数点を動かすだけでできるんだから。」
ビージェーは、ヤン太に言いました。

「ヤン太、じゃあ、問題を出すから答えてみてよ。」
ビージェーは言いました。

「まず、始めに大きな単位を、小さな単位に変換する問題を出すよ。では、《0.35kmは、何mですか。》どういう計算で出すかも、言ってみてよ。」

「まず、《1kmは、1000m》だから、0.35を1000倍すればいいんだから…。」

ヤン太は、紙に筆算をやり始めました。

「五・零が零、三・零が零と、あれれのれと?…」

「おい、おい、ヤン太。そんな計算、筆算ではやらないよ!」

「ドン太の言うとおりだよ。ある数を1000倍すると言うことは、小数点を右へ《十倍、百倍、千倍》と言いながら、三つ動かせば良いんだよ。」

ヤン太は、紙に書いた0.35の小数点を、右へ三つ動かしました。

「それじゃ、答えは350mだね。」

「そうだね。それじゃ、あもう一つ問題を出すね。《2.8mは、何cmですか。》」

「《1mは、100cm》だから、2.8を100倍すればいいんだね。」

まず、ヤン太は、「十倍」と言って、小数点を右へ一つずらし28としました。そして、「百倍」と言って、28にゼロを一つ付け加え280にしました。

「答えは280cmだね。」

「できたじゃないか。」
ドン太は、笑いながらヤン太をほめました。

「それじゃあ、次に、単位を大きくする単位変換の問題をやるよ。《23.5ℓは、何kℓですか。》」

「ええと、《1kℓは、1000ℓ》だから、…。今度は、どうするんだっけ。そうだ!単位が大きくなるんだから、23.5を1000でわればいいんだね。」

ヤン太は、小数点を、「十分の一、百分の一、千分の一」と言いながら、今度は左に三つ動かしました。

「答えは0.0235kℓだね。」

「その通り。今の問題のように、《単位変換のほとんどは、小数点の移動で答えを出す》ことができるはずだよ。」
ビージェーは、ヤン太に言いました。




三人の子供の会話の通り、多くの単位変換は、小数点移動で答えを出すことができます。

ただ、基本が曖昧な子供は、(結構そういう子供は多いのですが)答えを出すのに、1000倍するのか、1000でわるのか、迷ってしまいます。

その操作を、身の回りの経験的な数値を例に、覚えさせることが大切。

一番良いのは自分の身長を例に教え込む方法です。

「150cmの身長は、1.5m」と言うことは、子供は体験的に知っています。

《cm単位の数値を、大きな単位のm単位に変換すると、数字は小さくなります》。

反対に、《m単位の数値を、小さな単位のcmに変換すると、数字は大きくなります》。

このことを、子供にしっかりと理解させておきましょう。


Tea break

3月26日の夜桜


「今度は、難しいよ。《縮尺25000分の1の地図上で、4.8cmの長さの距離は、実際は何kmですか》。」


ところで、縮図の問題は、算数の入試問題の一行題によく出題されます。

その理由は、一つの問題で、割合の考え方・相似の考え方・単位の変換・計算などの力を見ることができる、出題者からすれば、「うま味のある問題」だからです。


「おれ、この問題だめ! まず、割合が入ると、絶対できないよ。」
ヤン太は、あきらめ顔で言いました。

「テキストには、《地図上の長さ》、《実際の長さ》、《縮尺》という言葉を使った公式が出ているけれど、そんなの覚えなくても良いよ!」

「縮尺は《割合》だよね。それから、《もとにする量》はもちろん実際の長さだね。実際の長さを縮小して出てきたものが、地図上の長さだから、それは、《くらべる量》だよね。そうしたら、《割合の公式》を使って求めればいいのさ。」

「割合の公式なら知っているから、実際の長さはもとにする量で、4.8cmはくらべる量で、縮尺25000分の1は割合だから…」

「《もとにする量=くらべる量÷割合》の式に入れて、4.8÷1/25000=…」

三人は、それぞれ紙に計算を始めました。

「その計算の答えは、120000cmだ!」
ヤン太が、珍しく真っ先に答えを出しました。

「そうなるね。問題は、kmで聞いているから、単位変換をしなければ。」
ドン太が、みんなに向かって言いました。

「ここからは、ヤン太の出番だね。」
笑いながら、ビージェーがヤン太に言いました。

「1kmは、何cmだっけ?」

「だめだよ。単位がとんでいるときは、順番に変えていくんだよ。」

「そうすると、まず、1mは100cmだから、120000を100でわって、1200mとするんだね。それから、1kmは1000mだから、1200を1000でわってと…」

ヤン太は、小数点を三つ左に動かしました。

「答えは、1.2kmだ!」
ヤン太は、嬉しそうに言いました。




《単位がとんでいる場合は、順を追って単位変換》します。

ただ、上の問題は、バラバラに計算していくのではなく、慣れると《一本式で分数計算》を行います。一気に約分できるので、途中計算がずいぶん簡単になるからです。

単位の変換で、子供が陥りやすい問題点について説明しました。

時間の単位については、今回解説しませんでしたが、これについてもいつか説明したいと思います。

また、割合の公式を、今回の問題で使いましたが、この公式については、改めてブログで私の指導法を説明致します。



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