「マッキーのつれづれ日記」

進学教室の主宰が、豊富な経験を基に、教育や受験必勝法を伝授。また、時事問題・趣味の山登り・美術鑑賞などについて綴る。

マッキーが教える中学入試必勝法…低学年の中学受験準備 後編

2008年03月10日 | 受験

 気温も、最低が5度を超え、最高が15度を超えると、やはり春の暖かさを感じます。


春の笹尾根(昨年の3月)


 前回は、低学年の中学受験準備・前編として、第一点目は、《国語力の養成》そして、第二点目に《子供の「興味の対象を広げていくこと」》を説明しました。


マッキーが教える中学入試必勝法…低学年の中学入試準備 前編


 今日は、前回に引き続き、低学年における受験準備として、残りの2つのポイントを、経験をふまえて、伝授します。

 まず、低学年の受験準備の三点目は「学習習慣をつける」ことです。

 この3点目は、当然といえば当然のポイントですが、ここで強調したいのは、低学年においては、「学習の長さ」よりも、「学習の密度」を大切にすることです。

 また、決めた時間に、決めた量の学習をすることによって、習慣性を身につけることです。

 以前にも指摘したように、今の子供を取り巻く学習環境は劣悪と言っても良い状況です。子供の机の近くには、ゲーム機があり、マンガ本があり、テレビがあることもまれではなく 、おまけに携帯電話まであることもあります。

 低学年の子供に、自制して机に向かわせること自体、多くの場合難しいことです。

 私は、多くの生徒を指導して、今の子供は個室で学習するよりも、家族がいる、言い換えれば家族が多少関与する状況が、一番学習がはかどるようです。

 一人っ子が増えて、家庭内の人的刺激が唯一親である場合、そうした刺激無しに学習のモチベーションを高めることは、できないように感じます。

 そういった意味でも、学習するために、机に向かわなければならない必要性はありません。

 しかし、親がテレビのバラエティー番組を見ている横で、子供が勉強をしているといったことは、無論良くありません。それは、集中力のない子供を養成しているようなものです。


 では中学受験を前提に、家庭で計画的な学習をするために、どのような教材を使用したらよいのか説明しましょう。

 まず、学校で習ったことを、しっかり定着させること。これが、大原則です。しかし、学校で学習する内容は、とても簡単で、内容的に不十分です。

 子供の学力が、学校の内容を十分に理解している状況ならば、もう少し深く、先取りの学習をします。

 学習する教材は、本屋さんで手に入れることができる「市販の教材」と、様々な業者が行っている「通信教育教材」があります。

 市販教材は、その子供の学習状況や学習の目的によって、家庭で自由に選択することができますが、計画的に学習するためには、学習計画を含めて保護者に相当負担となります。 

 一方、通信教育では、毎月送られてくる教材を、業者の学習計画に従って、こなしていけばよいといった安易さがあります。

 しかし、「リトルくらぶ」「知の翼」「ピグマキッズくらぶ」「進研ゼミ」など、いずれも保護者の関与が、実際は必要なようです。

 家庭で学習指導が可能であれば、その子供に合わせて、市販の教材を購入し、計画的に学習するのが一番ですが、それはなかなか難しいようであれば、そうした通信教育の教材を使用することも考慮します。


 次に、塾通いを中心に、学習計画をたて、規則的な学習習慣を身に付ける方法があります。

 塾の選定には、その子供の学習状況と、塾の指導内容および子供との相性を検討する必要があります。

 子供の発達は、それぞれ違っているにも関わらす、親の過剰な期待で、子供の学習意欲を殺いでしまわないようにしてください。

 大手塾には、低学年指導を、「ふるい」の機能として捉えているのではないかと思われる所もあります。ある意味、非教育的な行為ですが、トップ校を受験するために、低学年において子供と親に、受験の自覚と覚悟を強く迫る指導法です。

 塾選びを失敗しないために、体験授業等に参加して、その塾の指導法や、担当する教師の人柄などを良くチェックしてから入塾しましょう。



 最後の四番目は、「規則正しい生活習慣を身につける」ことです。

 中学受験で上位校を目指す場合、高学年になると、かなりしっかりした学習計画に基づいて、家庭学習をしなければなりません。

 そうしたシビアな受験をする場合、物事を丁寧に確実にやりこなしていく力が必要で、実はそうした力を、低学年のうちに養成しておくことが必要です。

 この生活習慣の中には、規則正しい生活リズムだけではなく、物事をきちんとやりこなしていくと言った性格的側面も含みます。

 分からない問題をそのままにしない。与えられた課題をしっかりやってくる。学習するときは集中して取り組む。……そうした基本的な学習の姿勢は、低学年のうちに身に付けておきます。

 字を丁寧に書かないために、ケアレスミスが多い生徒がいますが、物事を着実にやり遂げる習慣が欠けている場合が多いようです。


 子供の生活習慣と受験の合否については、確実に相関関係があります。以下は、私が気付いた事例です。

《事例》
・教師が宿題量を変動させると、「学習計画が崩れてしまう」と言うほど、日常の学習を計画的にしていた。…桜蔭に余裕を持って合格

・「A君は、公園でどんなに楽しんでいても、塾の時間になるとピタッと帰宅する。」という評判だった。…創価(大手公開模試でトップ10にしばしば入るほどで、開成でも悠々合格できる力があった)・筑駒合格

・教室の合宿の時、一枚のハムを、ナイフとフォークで、丁寧に切り分けて、几帳面に食べていた。…桜蔭合格…のち東大現役合格

御三家にやっと合格するレベルは別として、ゆうゆう合格した生徒たちは、親の関与無く学習を進めることができ、またその親達はさほど神経質に子供に接していなかったことは事実です。

厳しいハードルを超えた生徒たちは、間違いなく低学年の段階から、しっかりとした生活習慣が身に付いていることも確かです。


 この4番目の「規則正しい生活習慣」は、生来の性格だからと言ってしまったら、運命論的になってしまいます。やはりこれは、家庭での幼いころからの躾が大きく影響することは確かです。しかし、手遅れと言わず、少しずつ家庭を中心に身に付ける努力をしていきましょう。



 以上の四点をしっかり認識して、家庭で子供と接して下さい。上位校の受験では、高学年になれば否応なく、ぎりぎりの学習を求められますから、低学年においては、勉強時間外の生活の中で、その下準備をするといったおおらかな気持ちを持って、子供に接することが一番大切です。塾と言うよりも、マスコミ等が神経質な受験熱を煽っているようですが、あくまでも冷静沈着な家庭教育を心がけ、子供に対して神経質にならないことが重要です。


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