ヤマナシという木をご存知でしょうか。
9月下旬から10月上旬に、直径3cmから4cmほどの実を、たわわに付けています。
ヤマナシの木は、落葉高木で雌雄同株、樹高10~15mほどの木で、現在栽培されている日本ナシの原種です。
私たちが秋になると食べるさまざまな品種の日本ナシのルーツと言える木が、このヤマナシの木です。
ヤマナシの木
私の住んでいる近くの公園に、数本のヤマナシの木が植えられています。
9月20日、散歩の途中で、このヤマナシの木に、実がいっぱい付いているのを発見。
早くも、木の下には、落ちた実が転がっていました。
豊作という言葉が脳裏によぎるほど、日ごろ見かける店頭のナシをミニチュアにしたような実が、枝いっぱいに実っていました。
ヤマナシの実
このヤマナシは、硬くて不味く食用には適さないということを、調べて知っていました。
生食に適さない実でも、調理したら食べられるかもしれません。
そこで、手の届く範囲のヤマナシを、帽子にいっぱいになる程収穫。
このヤマナシの実を家に持ち帰り、ヤマナシの実のを使って料理をしました。
《ヤマナシの調理》
ヤマナシに関する調理法は、インターネットでもほとんど紹介されていません。
考えられるのは、『ヤマナシ酒』・『ヤマナシのシロップ煮』・『ヤマナシのジャム』といったところでしょうか。
では、実際ヤマナシを使って作ったそれらの料理をご紹介します。
『ヤマナシ酒』
近くのスーパーから25度の甲種焼酎を買ってきて、家にわずかにあった40度のウオッカとともにビンに入れて、それにヤマナシを4等分したものを、氷砂糖とともに漬け込みました。
2~3ヶ月ほど様子を見て、試飲してみます。
『ヤマナシのシロップ煮』
たぶんこの食べ方が、ヤマナシの一般的な方法だろうと思います。
ヤマナシの実を生食すると、日本ナシ特有の歯ごたえある食感と、ざらざらした細かい種のようなもの…実はこれは種ではなく石細胞と呼ばれるものが、現在のナシよりもきつく、お世辞でも美味しいとはいえません。
しかしシロップ煮にすれば、実も柔らかく甘味も補完されて、美味しく食べることが出来るのでは?
シャトルシェフを使って一晩保温しましたが、ザラザラ感は残りました。
それでも、意外と酸味がありザラザラ食感を少し我慢すれば、不味くはありません。
『ヤマナシのジャム』
ヤマナシの実は、シロップ煮よりも細かく切って、シャトルシェフを使い一晩置きましたが、なかなか柔らかくなりません。
そこで、すり鉢を使い全体を細かくペースト状にしました。
そのペースト状になったヤマナシに再びシロップを戻し火にかけ、グラニュー糖を段階的に追加して煮詰めていきます。
レモンの果汁を加え、最後にゲル化剤を入れて出来上がりです。
クラッカーにのせて
ヨーグルトにのせて
《ナシについてウオッチング》
ナシの主なものとして、日本なし、中国なし、洋なしの3つがあり、食用として世界中で栽培されています。
もともとは中国原産のものが日本、中国、ヨーロッパに渡り、それぞれ独自に品種改良されたと言われています。
どの地域でも大変古い歴史をもち、中国では2500年以前、ヨーロッパでは有史以前から栽培されていたそうです。
また、梨は中国では「百果の長」とも呼ばれ、せきを鎮めたり、のどの炎症を抑えるなどの働きをもつ漢方薬としても利用されていたと言います。
日本梨や中国梨が球型かやや平べったい球型なのに比べ、西洋梨はやや縦長の独特な形をしています。
鉄分が多いのか、皮を剥くとすぐに色が変わり始めます
また、日本梨の果肉はシャキッとした歯触りやざらざらした舌触りで「サンドペアー」と呼ばれるのに対し、西洋梨の果肉はねっとり柔らかな舌触りで「バターペアー」と呼ばれるのも特徴。
日本梨のざらざらした舌触りは果肉に含まれる「石細胞」という成分によるものですが、西洋梨は日本梨に比べて石細胞が少なく、熟すと果肉が柔らかくなるため、こうした違いが出るのです。
ナシには気管支炎や肺気腫などの慢性非特異的肺疾患に対する予防効果があることが、疫学調査などから明らかになっています。
また、体を冷やす働きがあるので解熱に効果があるとされます。
Sサイズのナシよりだいぶ小さいヤマナシの実
日本食品成分表によると「日本なし」と「西洋なし」では、栄養価が殆ど同じですが、洋ナシで糖質が多く、エネルギー・食物繊維が多い。
糖の構成は果糖が最も多くショ糖・ブドウ糖は同程度含まれます。
酸の含量は少なく0.2~0.4%のうちリンゴ酸・クエン酸が同程度です。
しかし、今回シロップ煮にすると、意外にもシロップに酸味が付いて、美味しくできました。
注目成分としては、ポリフェノールの一種であるフラバノールやアントシアニンなどが含まれています。
トーストしたフランスパンの上にヤマナシジャム
コーヒーとともに、秋を味わうのは如何ですか
とてもかわいいヤマナシの実
食材としては難しい条件を備えています
それでも一工夫して秋の恵みを味わいました
しかし、まだまだ研究の余地がありそうです
ヤマナシの調理法をご存知の方は、お教えください
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9月下旬から10月上旬に、直径3cmから4cmほどの実を、たわわに付けています。
ヤマナシの木は、落葉高木で雌雄同株、樹高10~15mほどの木で、現在栽培されている日本ナシの原種です。
私たちが秋になると食べるさまざまな品種の日本ナシのルーツと言える木が、このヤマナシの木です。
ヤマナシの木
私の住んでいる近くの公園に、数本のヤマナシの木が植えられています。
9月20日、散歩の途中で、このヤマナシの木に、実がいっぱい付いているのを発見。
早くも、木の下には、落ちた実が転がっていました。
豊作という言葉が脳裏によぎるほど、日ごろ見かける店頭のナシをミニチュアにしたような実が、枝いっぱいに実っていました。
ヤマナシの実
このヤマナシは、硬くて不味く食用には適さないということを、調べて知っていました。
生食に適さない実でも、調理したら食べられるかもしれません。
そこで、手の届く範囲のヤマナシを、帽子にいっぱいになる程収穫。
このヤマナシの実を家に持ち帰り、ヤマナシの実のを使って料理をしました。
《ヤマナシの調理》
ヤマナシに関する調理法は、インターネットでもほとんど紹介されていません。
考えられるのは、『ヤマナシ酒』・『ヤマナシのシロップ煮』・『ヤマナシのジャム』といったところでしょうか。
では、実際ヤマナシを使って作ったそれらの料理をご紹介します。
『ヤマナシ酒』
近くのスーパーから25度の甲種焼酎を買ってきて、家にわずかにあった40度のウオッカとともにビンに入れて、それにヤマナシを4等分したものを、氷砂糖とともに漬け込みました。
2~3ヶ月ほど様子を見て、試飲してみます。
『ヤマナシのシロップ煮』
たぶんこの食べ方が、ヤマナシの一般的な方法だろうと思います。
ヤマナシの実を生食すると、日本ナシ特有の歯ごたえある食感と、ざらざらした細かい種のようなもの…実はこれは種ではなく石細胞と呼ばれるものが、現在のナシよりもきつく、お世辞でも美味しいとはいえません。
しかしシロップ煮にすれば、実も柔らかく甘味も補完されて、美味しく食べることが出来るのでは?
シャトルシェフを使って一晩保温しましたが、ザラザラ感は残りました。
それでも、意外と酸味がありザラザラ食感を少し我慢すれば、不味くはありません。
『ヤマナシのジャム』
ヤマナシの実は、シロップ煮よりも細かく切って、シャトルシェフを使い一晩置きましたが、なかなか柔らかくなりません。
そこで、すり鉢を使い全体を細かくペースト状にしました。
そのペースト状になったヤマナシに再びシロップを戻し火にかけ、グラニュー糖を段階的に追加して煮詰めていきます。
レモンの果汁を加え、最後にゲル化剤を入れて出来上がりです。
クラッカーにのせて
ヨーグルトにのせて
《ナシについてウオッチング》
ナシの主なものとして、日本なし、中国なし、洋なしの3つがあり、食用として世界中で栽培されています。
もともとは中国原産のものが日本、中国、ヨーロッパに渡り、それぞれ独自に品種改良されたと言われています。
どの地域でも大変古い歴史をもち、中国では2500年以前、ヨーロッパでは有史以前から栽培されていたそうです。
また、梨は中国では「百果の長」とも呼ばれ、せきを鎮めたり、のどの炎症を抑えるなどの働きをもつ漢方薬としても利用されていたと言います。
日本梨や中国梨が球型かやや平べったい球型なのに比べ、西洋梨はやや縦長の独特な形をしています。
鉄分が多いのか、皮を剥くとすぐに色が変わり始めます
また、日本梨の果肉はシャキッとした歯触りやざらざらした舌触りで「サンドペアー」と呼ばれるのに対し、西洋梨の果肉はねっとり柔らかな舌触りで「バターペアー」と呼ばれるのも特徴。
日本梨のざらざらした舌触りは果肉に含まれる「石細胞」という成分によるものですが、西洋梨は日本梨に比べて石細胞が少なく、熟すと果肉が柔らかくなるため、こうした違いが出るのです。
ナシには気管支炎や肺気腫などの慢性非特異的肺疾患に対する予防効果があることが、疫学調査などから明らかになっています。
また、体を冷やす働きがあるので解熱に効果があるとされます。
Sサイズのナシよりだいぶ小さいヤマナシの実
日本食品成分表によると「日本なし」と「西洋なし」では、栄養価が殆ど同じですが、洋ナシで糖質が多く、エネルギー・食物繊維が多い。
糖の構成は果糖が最も多くショ糖・ブドウ糖は同程度含まれます。
酸の含量は少なく0.2~0.4%のうちリンゴ酸・クエン酸が同程度です。
しかし、今回シロップ煮にすると、意外にもシロップに酸味が付いて、美味しくできました。
注目成分としては、ポリフェノールの一種であるフラバノールやアントシアニンなどが含まれています。
トーストしたフランスパンの上にヤマナシジャム
コーヒーとともに、秋を味わうのは如何ですか
とてもかわいいヤマナシの実
食材としては難しい条件を備えています
それでも一工夫して秋の恵みを味わいました
しかし、まだまだ研究の余地がありそうです
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ヤマナシの調理にも挑戦しておられるようですが、その実は落ちた直後は渋くて食べられないものですか。私の友人で、幼いころヤマナシの実をおやつ代わりに食べていたという人から聞いたのですが、落ちた直後は実が透明で渋くて食べられないが、麻袋などに入れて一か月くらい置いておくといいにおいがしてくるので食べられる、と言っていました。その頃は実が白くなっているそうです。
私が先日手に入れた「ヤマナシ」の実は見た目はあなた様の写真のものとそっくりなのですが、直径3センチから5センチと大きさがまちまちで、そのまま食べられました。別の友人は自分が昔食べたヤマナシは
これとおなじだった、と言っていました。ヤマナシの専門家に尋ねたら、栽培品種が交雑したのではないかと言っていました。
私もまだわからないことだらけなので、これからも調べていきたいと思っています。
突然メールを差し上げて失礼かと思いましたが、お返事いただけるとありがたいです。
ヤマナシは、そのまま食べられるほど、美味しくはありません。そのままでは、食べることができないと言ってもよいでしょう。現在の梨のルーツですから、栽培品種との交雑があっても不思議ではありません。採ってそのまま食べることができたなら、おっしゃる通りかも知れません。
「麻袋などに入れて一か月くらい置いておくといいにおいがしてくるので食べられる」というお話しは、西洋なしのようで、面白いと思います。今度チャレンジしてみようと思います。
ただし、ヤマナシの石細胞は厄介で、加熱してもそのザラザラ感を消すのが難しいことを経験しています。都心にあって活用できる果実は、幾つかの問題点をクリアすれば、太古の採集生活を味わっているようで面白いと思います。
早速のお返事、有難うございます。江東区と江戸川区の間の公園とは、江戸川区の都立大島小松川公園でしょうか。展望の丘などがあるあたりでしょうか。それとも江東区の亀戸中央公園でしょうか。
出来れば実がなっている時期に行ってみたいと思っていますが、ちょっと遠いのでいつ実現できるかわかりません。私は20年ほど前まで東京で仕事をしていたのですが、仕事を止めて山梨に引っ越しました。東京の地理も多少はわかりますし、東京へ行く機会も無くもないのでいつかは行ってみたいと思います。
年により豊作と不作の年があるのはアオナシも同じです。アオナシの実は食べられません。
ヤマナシノ実が
一か月ほどおいて食べられるようになってもざらざら感が取れるかどうかは友達に聞いて見ようと思います。彼女は80歳ほどになるのですが。長野県の田舎出身で、子供のころ近くにヤマナシの木があったそうです。また情報があったら教えてください。
アオナシを図鑑で調べましたが、果実の形状などを含め、その特徴はヤマナシとは明らかに異なるようです。即座に判定は可能でしょう。
光村の教科書に掲載されている「やまなし」は、宮沢賢治作の短編小説ですが、かつてはもっと一般的な植物だったのかも知れません。
もしもいつか、この公園のヤマナシ(果実が実っている時期)をご覧に来られることがあれば、そして時間が合えばご案内しましょう。
公園の場所はわかりました。有難うございました。いつか行ってみたいです。
アオナシとヤマナシの違いは実を見れば一目瞭然なのですが、花だけではちょっとわかりにくいと思います。葉の大きさも違うと専門家の人は言っていましたが私にはわかりません。何しろ「ほんとのヤマナシの木」と確信の持てる木にまだ出くわしていないからです。
宮沢賢治の「やまなし」は「イワテヤマナシ」ではないでしょうか。
とにかく私にとって、大変参考になりました。有難うございました。